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Freedom Survive Online〜回避特化近接魔法使いの軌跡〜  作者: 海溝
1章 全ての始まり
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17話 スキルと熟練度

「おはよぉ」


 翌朝、7時に起きて飯を食っていると、舞も起きてきた。


「おはよう。悪いけど今日俺出かけるから」


 俺は眠そうな舞にコーヒーを差し出しつつそう言う。


「ありがと どこ行くの?」

「ちょっとな」

「ふーん。お兄、ちゃんと帰ってきてね」


 分かってますって。まあ近くのショッピングモールに行くだけなんだが。


 とはいえそのショッピングモールも開くのは10時からだ。それまでは俺はゲームをする。昨日できなかった薬を薄める作業を行いたい。


 っと、その前に親父の飯用意しとこう。食パンを机に置いておくだけだが。そうしないとあの人何も食べない時があるんだよ……。



「おはよ」

「おはよう」

「おはよ〜」


 ログイン。いつもの作業場に師匠がいなかったので、庭に出てみるとライルが縦横無尽に駆け巡りながら魔法を放ち、死角から物理攻撃を仕掛けるとかいう、この間のくだらない戦闘とは大違いの戦術を使って師匠を攻撃していた。


「へぇ、あ、ライル! 右!」


 師匠がライルの死角に飛ばした魔法を回避できるように注意する。

 その後も所々注意を促し、最終的に俺の指示が優先されるようになった。

 師匠も俺の戦術を理解しているようで、先手を打つように魔法を放っていたが、申し訳ないが将棋は苦手じゃないし、そもそも相手のターンとかいう制度もないのだ。予想できていればすぐに避けれる。

 何度か危ないところはあったが、ライルの攻撃が師匠に当たるようになり出した。


「そこ左で尻尾に魔力纏」

「そりゃ!」


 その後もヒットアンドアウェイを繰り返し、明確な隙が生まれたタイミングでライルに尻尾による一撃を入れさせ終了。


「まあこんな感じで動けたら普通にいいと思うぞ」

「キリュウは指揮官もできるの?」

「魔法を使うのとあんまり変わらないんだよ。ライルは結構素直だからな」


 よーしよしよし、偉いぞーと言うように撫で回す。この撫でてるとグデーってなっていくのが地味に癖になりがち。


「変わって欲しい」

「ん? ほい」

「…………ありがと」


 そうだよなぁ、撫でたくなるよなぁ。うんうんわかるわかる。やっぱりペットは可愛いのじゃないと。


「はぁ」

「ドンマイ、エルさん」


 なんでライルは師匠を慰めてるんだ? まあいい。


「さて、この箱の中を整理しようか。昨日使ったからちょっと回収してっと…………1800でいい?」

「問題ない」


 結局昨日回収した瓶の一部が余るのか……また作って置いとくか? なんか無限ループに入りそう。


 というわけで納品は1800本に決定。内訳は数えるのが面倒なので無視とします。今200抜いたわけだから……自分用にストックした方がいいのでは? うん。これ納品したくないんだけど? 置いといてよくない? 欲しい? あ、はい。


「さあて、錬金作業に入るか。熟練度あげたかったし」

「? 熟練度なら上がってるはず」

「スキル取ってからあんまり錬金やってないぞ。スキルなし状態でやってた事が多かったし」

「スキルは関係ない」

「え?」


 なんだか噛み合っていないので、情報の齟齬を修正すると、どうやら熟練度ってのは隠しパラメータっぽい事が判明した。

 どういうわけかというと、熟練度は調合をした、錬金術を使った、魔法を使ったというその行為自体の積み重ねらしく、スキルとはそれの補佐をする、その熟練度にふさわしい技能を付与する、熟練度を可視化するためのいわば加護のようなものであって、スキルに対応した熟練度というものはないらしい。どちらかというと、熟練度があるものに合わせたスキルがあるみたいな。


 つまり俺はこれまでスキルなしで錬金を行っていたので、実は熟練度が60にもなっているみたいだ。というかなっていた。


「じゃあ料理も実は熟練度たまってるのか」

「キリュウの料理は美味しい」

「そりゃどうも」

「でも健康を意識しすぎ」

「まあ確かに……その辺師匠ならポーションで補えるし不健康食事もありか」


 確かにちょっと健康食寄りではあった。というか妹がそういう生活習慣病になられたらメンタル壊れる自信があるのでそうしているのだが、こっちでもその癖が出たのか……。


「朝飯は?」

「まだ」

「お腹すいたー!」


 うん、でしょうね。生活力ゼロの師匠だ。料理するより調合ついでに栄養薬作ったほうが早いとか考えてるんじゃないか?


 まあ弟子なので師匠の世話なんて当たり前なんだがな。



「はい完成」


 という事でご要望通りステーキにしてみた。この一月弱で、何気に初めてだったりする。元の肉はイノシシだ。最初の平原に出てきていたやつ。人ばっかり狩ってたが、モンスターも時々現れるのでその結果だ。ストレージ圧迫してたけど、肉はこの家には必要だから……初日に腐っていた事は忘れていないぞ。


「おいしそう!」

「ん」


 師匠が棚か栄養薬を取り出した。味は……炭酸グレープか…………ステーキとは合うな。うん。俺はメロンソーダ派なんだが美味しいからオッケー。


「「「いただきます」」」


 ちなみに朝からステーキは重くないかという意見は受け付けておりません。ゲームなんだからいいじゃない!




 食べ終わって薄める作業開始。水に入れて薄めると、効力に差が出たり品質が落ちたりするので錬金で半分抽出半分抽出を繰り返す。やばい楽しい。ずっとできる。


「暇……」

「ついでに魔法発動しといたら?」

「面倒」


 そっすか。相変わらずだなぁ。そもそも俺も弟子として教わったのって調合基礎知識(本を投げられた)と錬金基礎知識(本を以下略)と地味に分からないところを教えてもらっただけっていう……思ったより教わってた。


 人間って与えられるものにきちんと価値を感じないとなと感じました。まる


 30分後、すべての工程が終了した。まあ結構簡単だったな。

 ひたすらに効力を分離して分離して分離して。


「眠い」

「ボクも〜」

「そういえばいつ起きたんだ?」


 俺がログインしたのは7時半前。そのタイミングではもうライルの動きは結構良くなってた。じゃあそれよりもだいぶ前から修業してたことになるんじゃないか?


「「寝てない」」

「寝ろ」


 アホか。徹夜は俺も偶にするが翌日の疲労感がやばいんだよ。

 はいさっさと寝る寝る。


「おやすみ」

「一緒がいい」

「ライル、俺ちょっとやることあるから」

「外行くの?」

「まあそうだな」

「ボクは?」

「大丈夫だ。ちょっと昨日の街の様子見してくるだけだから」


 一緒に行きたがるライルを宥め、部屋を出る。

 毒薬のストックを確認して足りない素材をチェック。まあこの家の栽培分ってめっちゃあるから師匠だけだと足りるんだが、俺が使う分までは賄えない。


 ということで必要分を採取してくる必要がある。ライルがいれば確かに捗るだろうが、仮にも犬だし。だが寝てないのであれば寝かせないといけないだろう。


「さて、漏らしはないかね?」

「あ、キリュウ。満月草が足りない」

「分かった」


 じゃあ行きますか。

徹夜後に集中力のいる作業を片手間で済ましている師匠がパネェ。錬金作業は失敗すると一気に品質が落ちます。実際この2人なぜか片手間なのは異常。


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