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創作雑記  作者: 真白 透
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本当の事


最近、ずっと夢を見てるの。いつからかずっと夢を見てる。夢の貴方は優しくて昔と変わらぬ笑顔のまま。優しい貴方のまま。でも夢は覚めてしまう。現実の貴方は同じ寝台から起きても目覚めのキスさえしてくれない。同じ食卓で食事をしても目さえ合わせてくれない。


私達どこで道を違えてしまったの?

私に興味はない?

もう胸はときめかない?


仕事から帰ってきても今日あった事さえ話してくれない。元々無口な人だったけど昔は愛を囁いてくれた。


もう愛はない?

それとも最初から愛なんてなかったの?


昔は貴方と居ると満たされたのに、今は貴方と居ると乾いていく。一緒に居ることがこんなに辛いなんて思いもしなかった。

やっぱりお父様に頼んで彼を婚約者にしてもらったのは間違いだった。きっと彼には他に想い人がいて私が無理やり仲を引き裂いてしまったのだわ。


ごめんなさい。


だけど貴方の隣が当たり前過ぎてもう貴方なしではどう生きていたのか分からない。


ごめんなさい。いつか…いつか私から切り出さなければ。でも意気地無しの私にそんな事…。



どうしよう。朝起きてあんなに綺麗な女性がそばに居るなんて緊張で吐いてしまいそうだ。どうして今まで気付かなかったんだろうか僕は馬鹿だ。愚か者だ。

婚約者として貴女が現れた時、正直、誰でも良かったんだ。結婚願望がなくて人を愛した事もなかったから社長の娘なんて出世にちょうどいいとしか思ってなくて貴女をその気にさせればこっちのもんだとしか考えてなかった。

一緒に過ごす内に僕の言葉や行動に頬を赤らめて笑う貴女が愛らしいと思った。その後、気持ちに気が付くまではすぐだった。結婚式は何度も練習したから良かったけど一緒に生活を始めるともう…お手上げ状態だった。


パジャマの貴女。料理をする貴女。テレビを見て笑う貴女。一緒に見ようと腕を組んでくる貴女。仕事を持ち帰った時そっとコーヒーとお菓子を出してくれる貴女。お風呂上がりの貴女。鼻歌まじりに踊りながら掃除機をかける貴女。それを僕に見られて恥ずかしそうに後ろをむく貴女。


どの場面を切り取っても愛おしい。僕は今更ながら貴女に恋をしているんです。愛しています。心から深く貴女を想っているんです。

こんな事を今更、打ち明けてしまったらきっと貴女を傷付ける。だって最初の言葉に行動に心がなかったと貴女に嘘をついていたと不誠実だったと打ち明ける事になる。

今になって本当に愛し始めています。貴女を世界中の誰より大切にして何からも命をかけて守ります。


だけど最近の貴女の浮かない顔が心配です。何かあったんですか?なんでも僕に言ってくださいね。僕にできる事ならなんでもします。

愛しています。他には何もいりません。貴女が居れば僕は満たされます。ずっと一緒に居ましょうね。



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