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創作雑記  作者: 真白 透
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太陽

このお話はフィクションであり実在の人物とは全く関係ありません。

誰かをイメージしたという事もありません。

お願いいたします。



初めて君を見たのは何かに関連してぱっと出てきた数十秒の映像の中だった。数十秒の内殆ど映る事はなかったけど曲が終わって最後に見せた笑顔に僕は君に興味を持った。それからネットの海で君を探して君から抜け出せなくなった。

追いかければ追いかける程、太陽みたいにはじけるような笑顔でまっすぐに笑う君から目が離せなくて携帯の画像フォルダが君一色になって朝から晩まで君を追い続けた。

その中でも印象的だったのは深夜だけどレギュラー出演のバラエティ番組でいつもグループの子達が嫌がった役目を果たす君。ライブツアー中で疲れているはずなのに君はいつもと変わらぬ笑顔で手を振っていた。不眠症の僕はいつもリアルタイムで番組を見ていた。未だに初めて見た時の君のコメントを覚えているよ。


「今日も遅くまで起きてくれててありがとう。夢で会おうね。おやすみなさい。」


これが初めて見た君のエンディングのコメント、とびっきりの笑顔とウィンク。全員のコメントの中で君だけはいつも優しさを感じるものだった。僕はその優しさに癒されて眠れるようになった。


人間関係が上手くいかなくて引きこもり、永遠に明けない夜を過ごしていた僕に君という太陽が差し込んだ。ライブの円盤を集める為にアルバイトに行くようになって、お金を貯めてライブにも行き始めた。ライブに行った時に君のファンはダサいって言われたくなくて勇気を出して服屋と美容院にも行った。

君はたくさんのファンにハートを作ってじゃんけんしてウィンクして笑顔をふりまいてくれる優しく明るく元気な子だけど思っていたよりも身長が低く小さくて可愛い太陽だった。いわゆるムードメーカーで場の空気を和ませてくれるような優しい言葉選びにも癒された。ますます僕の太陽になった。


でもグループの中ではあまり人気がないようでカラーのペンライトもうちわも少なかったけど、人それぞれ好みも違うしそんなものかと僕の中ではサラッと流してしまった。

君を追い続けて月日が経った頃、いつもの深夜番組でのふとした出来事だった。司会の男性が君の事をあまり人気がないと酷くいじり倒した時だった。その瞬間、僕は初めて君が傷付いたのではないかと思った。いつもの太陽の笑顔が少し曇った後、影を落とし今にも消えてしまいそうな儚い笑顔を浮かべた。

君は身を削って周りを照らしているんだと気付いて僕は不安になってしまったけどすぐに明るい笑顔でコメントをした君に脱帽した。

だけど数日後、君はファンクラブ会員だけが見られるsnsで少しだけ落ち込んでいると語った。やっぱりあの時、君は傷付いたんだと悲しくなってしまった。反応は様々で一心に慰める人やいつも元気な君から負の言葉は聞きたくないという書き込みまで。

正直、僕も少し思ってしまった部分もあった。太陽が僕を照らしてくれないとまた僕は、と恐れた。だけどそれと同時に君が身を削り続けて僕みたいに体を壊してしまうのではないかという事にも恐れた。色んなことが怖くなってあの時、僕はコメントを残さなかった。

その一連の後、君は一切弱音を吐かなくなってしまった。僕はコメントを残さなかった事を酷く後悔した。僕なんて一ファンでしかないけどそれでも変わったかもしれないと思うと勇気を出せなかった自分を責めた。

その後も君は明るい笑顔で画面に現れてくれた。ホッとしたけど無理をしていないかとても心配だった。


ある日、君に大事な人がいるという事が分かった。君のファンはまた様々な反応を見せたね。考えも行動も人それぞれ違って仕方ないし愛が憎しみに変わる気持ちを理解できた。だから君が何を言われても僕は庇わないよ。

だけどこの前はコメントを残さなくて後悔したから今度は君に届くようにコメントを残すよ。

僕は安堵した。君が1人じゃなくて本当に良かったと心から思うよ。スタちゃんが傷付いた時、僕達は傍に居られないそんな時、今回の人が傍に居てくれたのなら僕は本当に安心した。スタちゃんは優しいから弱音を吐かなくなってしまってずっと心配だった。


他の人がなんて言ってもスタちゃんは僕の太陽です。これからも応援します。頑張ってください。


スタちゃんに人生を救われた者より。



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