目覚め
政宗たちを襲った謎の光は、光が収まるとあたり一面真っ暗になる。そんな中、政宗、政宗は目を覚ます
「うっ・・・・・なんだったんだ。今の光は・・・・」
そして政宗はあたりをきょろきょろ見渡すとそこには副官である山下少佐以下、港にいた他の将兵たちが倒れていた。
「山下少佐!他のみんなも起きろ!!」
と、政宗はそう言い倒れた部下や仲間を揺り起こす。すると山下少佐たち士官たちの他、他の兵たちが起きる
「うっ・・・・た、大佐・・・・」
「いてて・・・・なんだ今の光と風は?」
「敵機の爆撃による爆風か?」
「そう言えばズシンと来たな・・・・・」
「でも、どこで爆風が?それ以前にどこから敵機が?もし来てたら警報が鳴っているぞ?」
「大佐・・・・これは一体?」
「わからない・・・・・とりあえず山下。それにほかの奴もとにかく。今は欠けている兵員がいないか確かめろ!」
「はっ!!了解しました!」
「直ちに調べます!!」
と、そう言い山下少佐たち士官たちは下士官たちに命じ欠員がいないか調べさせる。
「それにしても暗いな・・・・・俺たちが港に来た時は日は昇ていたはずだ・・・・・」
政宗は何かの不安を抱きながらそう言うと山下たちが戻ってきて
「大佐。歩兵部隊、全班欠員ありません。歩兵の他にも砲兵中隊、戦車中隊の他、戦車や装甲車、輸送トラックやジープ。そしてトラックに乗せてある小銃や大砲、燃料、弾薬など全部あります!」
「そうか・・・・・・」
と、そう言うと
「大佐。少しいいか?」
「なんだ西住少佐?」
と、そこへ戦車中隊の中隊長である西住真穂少佐がやってきた。彼女は女性ではあるが、優秀な戦車隊長であり、ノモンハンやマレー電撃戦にも参加した人である
「大佐・・・・・あたりが明るくなって気が付いたんだけど・・・・・・周りの様子が変です」
「なに?・・・・・・・・・・・・っ!?ば、ばかな!?」
政宗は真穂に言われあたりをよく見た瞬間。まるで雷に打たれたように衝撃を受けた顔をする。それは彼の隣にいた山下も同じ表情だった。そして政宗は
「山下!西住!、入り口を見張れ!!」
「「はっ!!」」
「みんなも丘の様子をよく見ろ!」
「え?陸を見ろって・・・・・連隊長殿。別に変った様子は・・・」
と、兵の一人はそう言うがすぐにその場にいた歩兵たちは陸を見て驚きの声を上げる
「なっ!?ま、街が消えている!?」
「それに今、よく見たら俺たちのいる場所も波止場じゃなくて砂場だと!どうなっているんだ!?」
「橋も、電信もない!?た、大佐殿!?ど、どうなっているのでしょうか!?」
「大佐殿!!」
「大佐殿!!」
歩兵たちが慌ててそう言うと下士官たちが
「お前たち落ち着かないか!!こういう時こそ冷静になれ!おい、そこの通信兵!」
「は・・・はっ!なんでしょうか曹長殿!」
「すぐに無線で他の部隊や基地に呼びかけろ!急げ!」
「は、はい!!」
曹長と呼ばれた男にそう言われ歩兵はトラックに積んである無線機を動かし
「マルヒトマルマル!マルヒトマルマル!こちら独立第34連隊!!応答せよ!マルヒトマル!マルヒトマル!応答せよ!!」
と、そう呼びかけるが
「だめです!無線が繋がりません!」
「故障か?」
「いえ、無線機は正常に動いています。ですが相手から応答がありません」
「何度も呼び掛けてみろ!」
「は、はい!」
とそう言われ、歩兵は引き続き無線で呼びかける。
「一体どうなっているのでしょうか大佐。確か私たちは港で輸送船と他の部隊を待っていたはずでしたよね?」
「ああ、俺にも何が何だかさっぱりわからない・・・・・・いったいどうなっているんだ・・・」
政宗は突然のことに頭を悩ませる。先ほどまでいた場所が突如違う風景に変わっている、普段ならこんなおかしなことが起こるはずがない。すると海の方から汽笛が鳴る。その音にみんなは海の方を見ると
「おい!さっきの駆逐艦だ!!」
「内火艇を下ろしているぞ!?」
と兵たちが叫ぶ、そう海の方を見ると先ほど港に訪れた駆逐艦がいたのだ。そして駆逐艦はボートタビットを使い内火艇を下ろし、内火艇はこちらへ向かってくる。そして内火艇は浜のすぐ近くの岩場の所に止まり、そこから海軍士官らしき将校が兵を連れて降りてくる。そしてそれを見た政宗たちはその将校のもとへ行く。そして将校は
「指揮官はどこだ!?」
と、そう言うと政宗がその将校の前に出て敬礼し、その将校も返礼をし
「大日本帝国海軍。沖縄派遣護衛艦隊、駆逐艦『晴風』艦長の明乃咲夜少佐です!」
「大日本帝国陸軍、独立第9師団所属及び独立第34連隊の連隊長の橘政宗大佐だ」
と、そう言うと明乃少佐は驚いた顔をし
「し、失礼しました大佐殿」
「いや、そんなかしこまらなくていい。ところで、今の状況わかるか明乃少佐?」
「私にもさっぱりわかりません。私たちはあなたたちの乗る輸送船を護衛すべく港に向かっていたのですが、なぜか輸送船はおろかともに護衛するはずだった他の艦艇の姿はなくとりあえず港に泊まろうとしたとたん突如、光の波といいましょうか?それに包まれて気が付いたら・・・・・・・大佐。あなたは何かご存知ですか?」
「いいや、俺にもさっぱりだ。ただ一つ言えることは俺たちは漂流したっということだ」
「漂流・・・・・この日本でですか?」
「そうだ。無線は繋がらない。しかもいる場所も俺たちのいた場所とは違う。俺たちはまったく別の場所にいる。これを漂流っという以外に何がある」
「・・・・」
政宗の言葉に明乃少佐は無表情ながらも少し困惑した表情を見せていた。すると陸く軍中尉の階級章を付けた士官が
「大佐殿ここは何名か偵察に出しては?」
「そうだな・・・・・・・・」
政宗は考えるそぶりを見せると、先ほど無線機で呼びかけていた歩兵がやってくる
「れ、連隊長殿!!」
「どうした?」
「はっ!報告します!たった今。無線が繋がりました!」
「なんですって!何処とつながったの!?」
山下少佐がそう訊くと歩兵は
「はっ!場所は北川飛行場であります!!」
「北川・・・・ここから15キロ南先の爆撃隊の飛行場か・・・・・・・どうします大佐?」
「どうもこうも通信が入ったのならそこに行くしかない。これから俺たちは北川飛行場に向かうが・・・・明乃少佐はどうする?」
「私は船に戻って、もう少しこの海域を調べます。それにこの港より先に我が軍の軍港がありますのでそこに行ってみたいと思います。もしかしたらこの場所だけが変わっているだけかもしれないので」
「わかった。では俺たち『橘支隊』は北川飛行場に向かう。では幸運を祈る明乃少佐」
「こちらも祈っています橘大佐」
と、そう言い明乃少佐たちは内火艇に乗って駆逐艦に戻るとそのまま駆逐艦は出向したのだった
「ああ入っていましたけどこの先何かあると思いますか大佐?」
「たぶん…そう変わりはないと思うだろう・・・・とにかく俺たちも北川飛行場に向かうぞ」
「はっ!」
そう言い政宗たち連隊は各自トラックに乗り飛行場へ向かうのであったそして先頭にある小型トラックでは・・・
「大佐。私たちは飛行場に向かっていますが、飛行場に行っても解決するとは・・・・」
「わかっているよ。だがなあそこでじっとしているよりはずっとましだ。それにほかの部隊と通信ができない今、頼れるのはあそこだけだ。もしかしたら基地の奴ら何か知っているかもしれないしな・・・・」
そう言い、橘大佐率いる連隊はそのまま飛行場のある場所へと向かうのであった。だが彼らはその飛行場で衝撃的な事実を知ることになることをこの時、知る由もなかった・・・・・・
この作品に出てきた駆逐艦晴風と北川飛行場はまったくの架空のものです