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9 魔物部屋での戦闘

今になって、投稿日時が一日ズレていることに気付きました……。

 レイアがカイルたちを倒してから、二週間が過ぎた。帰ってきてすぐに報告し、その後応接室に行ったが、そこであまりの疲れに眠ってしまい、事の顛末は後々聞いた。


 新人狩りをしていた三人を、数の暴力で押したとはいえ、Bランクの冒険者を倒したということに、間違いはない。そこで特例で、レイアのランクはFからDランクに昇格した。一個飛ばしたのは、格上の冒険者三人と戦い、倒したからだ。それと、いつまでも低いランクの魔物と戦っていると、その才能が埋もれてしまうと危惧した、テレサの独断でもある。一方的にランクを上げたが、特に誰も反対しなかった。強いて言えば、安全のことを考えた職員が、せめてEランクの方がいいのではないかと、控えめに進言したくらいだ。


 特例で昇格した後、レイアは一週間ほど活動を休んでいた。というか、休まされていた。情報規制をしたが、その時組合にいた冒険者たちは、事件のことを知っている。重犯罪者の烙印が公式に押されたが、それでもカイルたちのことを好いているものは、僅かながらいる。


 カイルたちを倒してすぐ活動をすれば、いきなりのランクアップと一緒に色々と、やっかみを受けることになる。その騒動ややっかみなどが収まるのに、一週間ほどかかると踏んだテレサは、無理矢理レイアを休ませた。その間、職員たちが色々としてくれたそうだ。特にテレサが。


 テレサは闇属性魔術が得意で、特に精神干渉系の闇属性魔術が得意だ。レイアに対していい印象を持っていなかった女性冒険者に干渉し、違和感が無いように印象操作などを行った。ちなみに、一週間という期間は、テレサが印象操作などを完了するまでの期間を示している。


 結果的に騒動は収まり、一週間の休養を経て復活したレイアに、やっかみを向ける人はいなくなっていた。逆に、嫉妬する者が出てきたが。何がともあれ、テレサや組合職員たちのおかげで、いつも通り活動が出来るようになった。


 そんなレイアは今、ダンジョンに潜っている。一週間の休養を経て元気はつらつなレイアは、前にダンジョンに入った時に死にかけるという経験はしないため、アークナイトとシャドウナイト、それとベルを召喚している。ちなみに、復帰して一週間で多重召喚のコツを更に掴み、今では六体同時に召喚出来る。それと、光属性魔術限定だが、中級魔術も使用出来るようになった。


 六体同時に召喚出来るようになった時は、真っ先にダンジョンに行って、以前は何とか倒せた強敵、キラーサーペントを数の暴力で圧倒した。その後、召喚した十二体の騎士精霊をそのまま引き連れ、大量の魔物を討伐した。ただ、調子に乗りすぎて油断してしまい、本気で危ない目に遭ったが。


 今はもう油断はしないと、気を引き締めて歩いている。


「まさか一週間で、六体召喚出来るようになるとはね」


 二週間近く召喚されず、「ベルお姉ちゃん」と呼ばれるまでへそを曲げていたベルが、一週間で急激に成長したレイアに感心する。


「コツを掴んできたからね。第一目標の十体同時召喚まで、あと少しだよ!」


 六体同時召喚出来るようになった時の喜びを思い出したのか、嬉しそうにそう言う。多重召喚は、文字通り一度に複数召喚する技術だ。そのやり方は、召喚する時に召喚陣の出現位置を指定するのだが、それを一つではなく複数指定することで、召喚出来るのだ。


 今までは複数の場所に召喚陣が出るようなイメージをして、それで多重召喚を行っていた。しかし、それだとイメージが不足してしまい、召喚出来る数が少なくなってしまう。どうすれば上手く行くのだろうと考えていると、あることに気付く。


 イメージ自体はそのままにして、召喚陣を点とする。そしてその点が複数ではなく、一つに重なるようなイメージを付け加えた。結果、レイアからしてみれば点は一つに重なっているが、実際の召喚陣は重ならず、指定した範囲内に複数出現していた。まだ六つの点を重ねるのが限界だが、もっと練習すれば数をどんどん増やすことが出来るようになる。


 ちなみに、百以上の騎士精霊を召喚する時は、十以上の召喚陣を維持し続けて、ひたすら魔力を注ぎ込んで呼び出し続けるしかない。これが出来て初めて、多重召喚を極めたことになり、【軍勢召喚:騎士王の軍勢】となる。


 今のレイアには負担が大きすぎるし、何より魔力がそんなにないので、召喚出来る総数は五十そこそこだろう。今の召喚術師の頂点は、一回で五十以上召喚出来るという。かなり遠い目標だが、そこも目指している。


「頑張るのはいいけど、やりすぎて倒れないでよね。あんた、最近魔術書も買ったんでしょ?」


「まあね。光と土、水、炎、風の四大元素の魔術書をね。凄い魔術がいっぱいあって凄いよ!」


 カイルたちを倒した時、特別報酬として莫大な資金を得ているレイア。そのお金で、五つの属性の魔術書を購入。真っ先に光属性の魔術書を読み、術式を覚えた。使える数は、まだ三つと少ないが、それを補う程威力が高い。夜遅くまで読んでいる為、若干寝不足気味だ。


 あとは、お金を節約するためと購入していなかった、防御魔術の付術エンチャントされている魔術師のローブも購入した。白と青を基調とした女性向けでフリルとリボン付きの、可愛らしいワンピースタイプのローブだ。流石にストッキングやニーソには、防御魔術は付術されている物はなかった。今履いているのは、黒のストッキングだ。


 防御魔術の付術されたローブは、非常に便利だ。例え攻撃を受けても、破れることはない。流石に服を着ていない部分に当たれば意味はないが、服が破れるという心配は、これで大幅に軽減された。


「全く。何度も言うけど、やりすぎて倒れないでよね」


「分かってるって。来週お休みを取るから、その時はゆっくり休むよ」


「休みって来週なのね……。ルミアに相談しようかな……」


 今すぐにとは言わないけれど、せめて明日明後日は休んでほしいと思っているベル。元気はつらつに見えるが、少し寝不足気味なのは見抜いている。このことをルミアに報告すれば、あのルミアのことだ。監禁してでも、休息を取らせるだろう。


 どうやって休息を取らせようかと考えている間、レイアはずんずん奥に進んでいく。レイア一人だと、ダンジョン攻略は難しい。しかし、以前最後の最後まで渋って召喚術を使わなかったせいで、本気で死ぬかと思った経験がある。


 あの時の恐怖は、もう二度と感じたくないので、ここのところずっと召喚術を使用している。そのおかげで、ダンジョンでも特に苦戦することなく、進むことが出来るようになっている。数の暴力とは、実にいいものだ。


 召喚術万歳と思いながら歩いていると、索敵に一つのそこそこ大きな反応があった。足を止めて待ち構えていると、出てきたのは岩の棍棒を持ったトロールだった。


 トロールは、緑色の肌をして、三メートルほどの体躯を持つ魔物だ。知能は、見た目に反して結構低い。しかし膂力が高く、鋼鉄の盾なら一発殴るだけで破壊するほど。よく、壁役泣かせの魔物とも呼ばれている。


「トロールかぁ。アークナイトだと相性悪いかもしれないけど、戦わせてみよう」


 そう言って指示を出し、アークナイトを前に立たせる。塔楯の裏に収められている長剣を抜き、盾を前にして構える。トロールは少し、何が何だか分かっていないようだったが、遅れて敵であることを察すると、野太い声で雄たけびを上げて、地響きを立てて走ってくる。戦闘の余波を受けないようにと、レイアは少し後ろに下がる。


 アークナイトは腰を落として、防御の構えを取る。そこにトロールが岩の棍棒を振るう。がぁん、という音を響かせて、僅かにに後ろに後退しつつも攻撃を受け止めた。そこに右手の長剣を、頭に向かって突き出す。


 危険だと察知したトロールは、棍棒を無理矢理引き戻して強引に受け流す。少しだけ体が離れたところに、アークナイトが一歩踏み出して、剣戟を続ける。長剣と棍棒が衝突して、ダンジョン内に甲高い音が響き渡る。


 このまま戦闘が長引くと、音を聞きつけて他の魔物がやってくるかもしれない。そうなると結構面倒なので、速攻で片付けることにする。


『乙女が月光の下で旋律を奏でれば、名もなき星と共に歌が唄われる。それは滅びの旋律で、忘れられた歌。今この世に、悲しき歌を再び響かせよ』


【魔術:忘却された星空の夜想曲】


 初級の物より少し長い詠唱を唱え、魔術を発動させる。するとレイアの周囲に二十ほどの魔術法陣が現れ、そこから光が夜空を駆ける流星のように光の尾を引いて、トロールを襲撃する。アークナイトはすでに下がっている為、被害は受けなかった。


 無数の光弾は、命中すると同時に炸裂し、眩い光を放つ。それが少し続いた後、光が収まる。そこには、四肢が千切れ肉が抉れて息絶えているトロールがあった。トロールの肉は断ちづらいという特徴もあるので、そこまで肉体を破壊した魔術の威力に驚いた。


「うひゃぁ……。これは予想以上だよ……」


 【魔術:忘却された星空の夜想曲】は、早い段階で覚えていた魔術だが、試し撃ちで魔術の練習に丁度いい穴場で、放っただけだった。それに、他の二つの方が使いやすかったから。しかし、いざ使ってみると、今の魔術は覚えた三つの中で一番威力が高かった。


 これは使えると、小さくほくそ笑むレイア。それを見て、ベルがやれやれと溜息を吐く。


 思っている以上に威力が高いことが判明した魔術にほくそ笑んで歩いていると、広げていた索敵魔術に反応があった。それも、三や五とかではなく、ざっと数えるだけで二十ほど。ダンジョンの魔物は外に比べれば強いので、その数に頬を引き攣らせる。


 結構長くダンジョンに潜っているので正直、そろそろ引き返して休みたいのだが、二十前後の魔物の集団を無視するわけにはいかない。無視した結果、集団に襲撃されて命を落とす冒険者が出ると思うと、後味が悪すぎる。


 小さく息を吐き、反応のあった方へ走って行く。反応があった場所はすぐ近くで、角を曲がったらすぐそこにいた。そこは広い空間になっていて、そこに大量の魔物がいた。索敵に引っ掛かった二十前後の魔物は、一部でしかないことが判明した。


 広い空間にいる魔物は、先ほど倒したトロールや、レイアよりも背の低い黒い体をしたインプ。どこにでもいるゴブリンとオーク、コボルト等々。見るだけで四種類以上の魔物がそこにいた。総数は、約五十。


「これは……」


「珍しいわね。魔物部屋だね」


 魔物部屋は、一つの広い場所に複数の魔物が大量に発生する場所のことを示す。最低でも二種類の魔物が、その場に三十以上発生する。原因は、そこに大きな魔素溜まりが複数出来るから。それと、倒しても魔素溜まりが消滅するまで、次々と魔物を生み出し続ける、害悪としか思えない場所だ。


 一回の魔術行使で魔素溜まりこと消し飛ばせればいいが、今のレイアにそれは出来ない。やれるとしたら、最大数まで騎士精霊を召喚して、数の暴力でごり押しするしかない。


「どうする? これ、全部倒す?」


「……そうだね。組合からも、これを見つけたら全て倒せって言われているし」


 数が数なので、結構憂鬱になるが、やらないと誰かが犠牲になってしまうかもしれない。そう思い、レイアはアークナイトとシャドウナイトの六体同時召喚を数回繰り返して、最大数の五十体を召喚する。一気に魔力が無くなったので、急いで魔力回復薬マナポーションを取り出し、中身を呷る。


「……よし。それじゃあ、行くよ!」


 魔力の殆んどを費やして最大数を召喚したため少々ふらつくが、魔力回復薬を飲んだので、少しずつ回復して行っている。完全回復するには、あともう一本飲んでおいた方がいいかもしれない。飲み過ぎで吐かなければいいが。


 指示を出された総勢五十体の騎士たちは、一斉に剣を抜いて構え、突進して行く。それに気付いた魔物たちは、雄たけびを上げて威嚇してから、同じように走って行く。五十の騎士たちが魔物の大群に、躊躇いもなく突っ込んでいき、次々と倒していく光景は、中々に圧巻である。


 しかし、流石はダンジョン。倒した冒険者から奪ったのか、錆が浮かんではいるが人間の使う武器を持ち、それで切り結んでいる魔物もいる。その魔物はオーガと言い、人によく似た姿をしている。違いは、巨躯であることと、肌が赤いことだ。海を渡った向こうにある東洋の国では、「鬼」と呼ばれているらしい。


 オーガは冒険者から奪ったのであろうその武器を用いて、互角以上に騎士精霊と切り結んでいる。中には、手数を重視して双剣に切り替えた騎士精霊と、一本の剣だけでやりあっている。ダンジョンの外と中とでは、その強さに雲泥の差がある。しかし、強い相手だからこそ、よりレイアの成長の糧となる。


『乙女が月光の下で旋律を奏でれば、名もなき星と共に歌が唄われる。それは滅びの旋律で、忘れられた歌。今この世に、悲しき歌を再び響かせよ』


【魔術:忘却された星空の夜想曲】


 滑舌よく詠唱を唱え、魔術を発動。無数の光弾が、光の尾を引いて流星のように、魔物たちに降り注ぐ。非常に幻想的な光景ではあったが、一転して破滅を齎す。


 魔術の餌食になった魔物は、半身以上を消滅するか全身が粉々になる。今の一回だけで、結構な数の魔物を間引くことが出来た。しかし、魔素溜まりが残っているので、そこから新しく魔物が生まれる。


 今の魔術でレイアの存在が魔物たちに知られ、目の前に立ちふさがる騎士たちより危険だと判断する。真っ先に動き出したのは、オークだった。既に、危険物が姿を現している。


【シルフィードの息吹】


 自分たちの苗床になる少女に襲い掛かろうとするも、騎士精霊たちに切り伏せられ、更にはベルによる息吹で吹っ飛ばされて、壁に衝突して潰れる。ベルの放った息吹は、オークだけでなく他の魔物たちも巻き込み、息吹の通った場所は魔物がいなくなっていた。割と本気で放ったのだろう。


 レイアは目の前の惨状を見て頬を若干引き攣らせるが、まだまだ魔物は出てくるので、気を引き締める。


 戦闘を開始してから、およそ二十分が経過した。五十もの騎士精霊が奮闘し、次々と魔物が葬られていく。シャドウナイトと戦っていたオーガも、生き物である以上体力が無限に続くわけではない。次第に隙が生じ始め、そこを突かれて両断される。


「大分発生速度は落ちてきているけど、まだ多いなぁ……」


魔素が少なくなってきているからか、目に見えて魔物が発生する速度が遅くなっている。しかし、それでもまだまだ数は多い。これ以上時間かけると、こっちが不利になりそうなので、一気に薙ぎ払うことにする。


『骸無き葬列。墓標の前で奏でられるは、悲しき葬曲。そらに上って行く魂たちは、無窮の夜天に鏤められた星屑のように輝こうと、遥かなる月を目指す。やがて、星屑の加護を受けた魂たちは、想い紡ぐ詩を唄う』


【魔術:追憶の瞑想曲】


 詠唱を唱えている時から現れていた、複雑な形をした法陣は、詠唱が紡がれているにつれて、回転して行く。やがて詠唱が終盤に差し掛かると、唸りを上げて高速で回転をしていた。そして詠唱が唱えられると、一度精霊たちを下がらせる。


 回転していた法陣は、拡散するように展開され、そこから極大の白光が放たれる。その破壊を齎す光は、射線上にいる魔物を文字通り薙ぎ払って行った。光が収まると、そこには惨状が広がっていた。


 一体として無事な魔物はおらず、全て絶命している。証拠に、体を灰にして崩れていっている。残ったのは、灰と魔石と素材だけだ。魔素溜まりは、今の魔術で一緒に消滅したようだ。じっとその場で待っていても、新しく魔物が生まれる様子はない。


 倒し切れた。そう実感し、ほっと溜息をついて、肩の力を抜く。


「いやー、さっきの魔術もそうだけど、これも相当だね。それでいて、中級魔術なんだもん。びっくりだよ」


「光も得意属性だからね。威力が上がりやすいんだよ」


 得意属性は、人の相性によって違う。一つしか得意じゃない人もいれば、レイアのように複数得意とする者もいる。そして、得意属性は、普通に行使しても威力が上昇するという傾向にある。


 魔術は消費する魔力量以外でも、使用すれば使用するほど練度が上昇して威力も上がる。得意属性は、その上昇が顕著なのだ。今使った【魔術:追憶の瞑想曲】も、一週間前からよく使用する魔術で、光属性ということもあり、威力が最初に比べて結構上がっている。ただし、消費する魔力量も半端ではない。


「召喚術師としても、魔術師としても、着実に実力をつけ始めているわね。見た目じゃなくて、術師として話題になるのも、時間の問題かもね」


 今は容姿の方でよく話題になるが、ベルの言う通り実力の方で注目を浴びるようになれば、今以上に勧誘が増えるだろう。ギルドからも、来るかもしれない。しかし、レイアは召喚術師だ。一人だけで、パワーバランスを崩しかねないことは、とっくに理解している。


 故に、レイアはギルドに入るつもりはない。パーティーも、三人以上の所に加わるつもりはない。どれだけ魅力的な条件を突きつけられても。


 先のことを考えて、少しうんざりしたような顔になった後、考えを振り払ってから魔石の回収を始める。しかし、数が多すぎるため、召喚したままの騎士精霊たちの手を借り、回収する。回収した魔石の総数は、なんと百十七個だ。


「こ、こんなにたくさん……!」


 予想外の魔石の多さに、思考が停止しかけるレイア。ダンジョンの魔物の物なので、質も大きさも違う。それを売れば、かなりのお金が手に入る。たくさんお金が手に入って余裕が出来れば、欲しいものがたくさん買える。普段は値段が高くて行けない料理店にも、行くことが出来る。……今夜は何にしよう。


 思考がだんだんとどう使うかに傾きつつあるのに気付き、頭を左右に振って考えを振り払う。とりあえず、魔石を全て革袋の中に、パンパンに膨れ上がるまで詰め込む。素材は、袋がもうないので諦める。物凄く惜しいが、これだけ魔石があれば大丈夫だ。


 パンパンになった袋を『収納出来るんです』に放り込み、今日はもう帰ることにした。五十体もいた騎士精霊たちを、二体だけ残して送還する。回復薬を飲んだとはいえ、中級魔術を行使したおかげで、残りが心もとない。


 一回魔力切れを起こしかけたので、大分和らいでいるとはいえ、体が怠い。なので、アークナイトの肩に乗って、帰りは楽することにした。

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