夏のはじまり <初投稿は400字>
浅い夢を繰り返していた
汗でまとわりつくシーツをどうにもできず、ただ天井を見る
蝉の声で起こされては、また白昼夢
夢まで落ちれば奇想天外
ぐちゃぐちゃで脈絡もない物語
違う、そんな話を描きたいんじゃない
でも、それも面白いかもしれない
ぬるい風が冷たくなった
「嵐がくる」
ゲリラ豪雨で目が覚めた
小説を書こうと決意していたんだっけ……
ひさしぶりに電源を入れたパソコンはアップデートで作業が進まない
もう自分だけの世界でいいじゃないか
書いていれば楽しいのだから
終わりがなくても、間違ってもいい
浅い夢を繰り返したように、まどろみのなかで生きていけばいい
意味のないことを繰り返し、虚しさに埋没するぐらいならば
立ち上がれ!
大粒な雨のように怒涛の如く
雷のように激しく
世界へ飛び出す覚悟はあるか?
無視されて、批判されても自分を貫けるか?
しばらく目を瞑り、考えてみる
パソコンの前に座って、瞑想
アップデート完了!
またきち、夏のはじまり。
<<エンド>>
「ぎゃあ!停電でパソコンが!!!」
―ー前途多難な夏のはじまり。