第1話 遊戯 ~一人かくれんぼ~
この話は学校の怪談を見てぶわっと書きたくなって書きました。最初は二十話で終わるつもりが、最終的に三十話+後日談をつけるまでに至りました・・・。でも後悔は一切ありません。書いてて楽しい話なので、最後まで読んでいただければありがたいです。といってもそこまで怖くはないと思います。もちろん私は怖い話やグロイ話は大の苦手です。では、また桜一十三劇場をお楽しみ・・・
ドキドキ・・・ドキドキ・・・いつ見つかるか、隠れきれるかを競う遊び。
「どこ?・・・ねえ、どこ?・・・」
ドキドキ・・・ドキドキ・・・
今この五年生の間で流行っている遊びがある。
「ねえ・・・」
それは『かくれんぼ』。そしてこの遊びで一番粋な鬼役をこなす女子生徒が一人。この生徒の【鬼っぷり】がこの流行を生んだと言っていい。
「みーつっけた」
その女子は五年一組のろくろ首系女子『那奈子』。かくれんぼデビュー真っ盛りの人気者である。
その発端は今から三週間前の話であった。
ある小学三年の女子Dが、真夜中『一人かくれんぼ』という肝試し的な行為に勤しんでいた時だった。女子Dは一か月前からこの行為で楽しんでいた。怖いものに好奇心を持っていた彼女は、今日もいつものように針金一つでどんな鍵も掻い潜り、自分のクラスの教室の前に来た。そして初めにこう言うのだ。
「那~奈子さん、かくれんぼし~ましょう」
真っ暗な教室で何を言っているのかと端から見ればとんでもなく怪しい。だが彼女にとっては、それが普通の遊びの手順の一つなのだ。そしてもう慣れた。今回も誰からも返事はなかったが、それでもよかった。この暗闇で自分一人というスリルは、彼女にとってはとても楽しいのだ。親は夜仕事なので怒られることはない。誰もこの『ひとりかくれぼ』という名の楽しみを邪魔されることはない。と高を括っていると、突然教室の中からか細い少女の声が耳に入った。
「遊んでくれるの?」
「!」
女子Dは一瞬にして体が氷になったように固まった。そして沈黙が始まる。かに見えたが、教室の戸がガラガラガラと開いた。目の前に髪がぼさぼさで、大正時代の少女服を着た少女が上目づかいでこう言った。
「私と・・・遊んでくれるの?」
ホラーを書くのは初めてです。でもこちらも本気で書きますので、手加減は無用です。一十三のことがもっと知りたくなったら、カミラギ・ゼロ第一章を見ることをお勧めします。