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母親
少し説明すると、私がゲーム内で見る主人公は、現実世界のご主人様の姿と一緒だ。
『今日は月曜日。一週間の中でいっちばん、かったるい日だ。だけど莉奈が起こしに来てくれるから、このかったるさも飛んでいく。ほんと、魔法使いだな、莉奈。』
キモい。そういう説明いりません。
まぁ、しょうがないか、ギャルゲーだし。
このゲームは、自分のキャラは自分で動かせるようになっているので、緊急時以外は、ほとんど自分で移動させるようになっている。
ご主人様はいろんな説明ページを見終わったようで、移動を始めた。
そして、着いた場所はリビングだった。
お母さん《おはよう、ひさくん。今日は莉奈ちゃんがサンドイッチを持ってきてくれてるわよ。早く食べて学校いっちゃいなさい?あと…いや、なんでもないわ。まぁ、さっさと食べちゃいなさい。》
ひさくん《…わかってるよ。》
『俺は今高校1年だ。なのにお母さんはひさくんという呼び方をやめてくれない。…気持ち悪い母親だ…。』
そういう常識はあるのかよ。
前のご主人様の時も思ったけど。