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ユニークスキル

お待たせしました

ごめんなさい

『こちら高等部1年特待クラス! k-2がやられたッ!』

「どういうことだ!? (ハイ)反魔法(ディスペル)はっ!?」

『よく分らないが魔法陣ごと壊された! この学校にはひとつたりとも残っていない!』

「なんだと!? 魔法特化型のAA(ダブルエー)ランクでも破れなかったんだぞ!」

『知るかよ! オレだけはこのまま官憲に捕まるのはごめんだぜ!』

「おい! なにを言って……お前まさかっ!!」

『あばよ、恨むなら傭兵のオレを雇った自分を憾むんだな』

「なっ……!」


『『点火(イグニッション)』……そして『転移(テレポート)』』




 急速に魔力が至る所に集まる感覚がする。

 目の前の男が何者かと話したていた直後のことだった。そして、男が消えた。


 途端、マキナの顔が青褪める。

「え、『爆破魔法(エクスプロ―ジョン)』……? こんな、こんな魔力量の? ウソ……ウソでしょ!?」


 ―――ビビーッ!! ビビーッ!! ビビーッ!!


 そして、頭の中に響くサイレンにも似た音。例の声。

『魔法陣『爆破魔法(エクスプロージョン)』に対し『点火(イグニッション)』による起動(スイッチ)が感知されました。『爆破魔法(エクスプロージョン)』の起動まで後60秒です。再度[護り癒す者<Res sit curare salutem>]を使用するには魔力(マジックポイント)が不足しています。後55秒です。』


 何なんだよ、そのいい加減で適当な理不尽はよ!

 魔力が足りないなら……

「マキナ、魔力の補給はどうやったらできる……?」

「え、なんで今……」

「いいから、早く」

 冷たく、突き放つ。

「うにゃ……」


 少し辟易(たじろ)いだ顔をするマキナ。瞳がほんの少しだけ、潤む。

 すまんな、もうあまり時間もないんだ。あとでいくらでも憎まれてやる。

「か、可能性があるのは、スキル持ちとかだと、後は魔導書とかでもそういうのがあると思いますわ」

「スキル……か、この学校にはいるのか? 魔力さえあれば……」

「ううっー……」


 ますます瞳を潤ませるマキナ。その表情(かお)には少しばかりの狼狽えも交じっているように感じられた。


「なぁ、早くしないと―――」

「―――ねぇ……」


 突然、かさねられたマキナの声。

 その声に迷いはなく、少しの覚悟が含まれているように感じた。



「魔力があれば、何とかしてくれますの……?」

「ああ」


 即答を、返す。

 勿論、このユニークスキルとやらを完全に信用できるわけではないが、協力を得られなければ詰むのは明白だ。


『『爆破魔法(エクスプロージョン)』の起動まで後30秒です。』

 時間は、ない。



 …………


「ふぅ、ここまでくれば追手はないだろう。転移(テレポート)の跡の魔力は残してないし」


 ったく、酷い目にあったぜ。

 楽な儲け話が出来たと思ってたのに、なんだよあいつは(ハイ)反魔法(ディスペル)を簡単にも消してくれちゃってよぉ。


 まぁ、どうせ冒険者崩れの傭兵稼業さ。どこか辺境にでも行って戦争のお手伝いでもしますかねぇ……

 あー、アイツ。名前なんだったけなー。アイツの領地(ところ)だけはだめだわ。


「あー、ダメだな、今回のゴシュジンサマの名前くらいは覚えてないとダメじゃないか……」

 一人で自分に説教を入れてみる。空しさがこの身に残る。


 なんていうのクロマクーってやつ?

 まぁ、違いがわかんねぇからどうでもいいや。


「あぁ、思い出したわ。たしかカトリナ学校サマの……」


 あれ? おかしいな、ちゃんと言葉を続けたはずだぞ?

 なんだよ、その歯の『カチッ、カチッ』って音はよ……


 あぁ、無性に頭ガオモイ。アレ、シンチョウがチヂんでいく?


 なんなんだよ、ナンでアソコにジブンのカラダがタってんだよ


 くびが、かゆい。くちが、てつくさい。ちがうまい。


 かゆい。うまい。


 かゆ……うあ……



 あーらごめんなさいねぇ

 裏切り者には死を、ってねぇ



 …………


『『爆破魔法(エクスプロージョン)』の起動まで後30秒です。』


 マキナが、その勝気な橙色の瞳を潤ませてこちらを見る。

 その瞳には、迷いとか、憂いとか、たくさんの感情が感じられた。


 でも、またそこに多く介在する感情は、紛れもな<覚悟>としか呼べないものだろう。


(わたくし)の持つスキルは、[魔力供給(マギ・アプガーデ)]というものですわ。」

「それは……」

「ええ、あなたの望みを叶えて差し上げられますの。」

「それじゃあ―――」


 そこでマキナが手を横に振る。見様によっては、オレを拒絶したようにも見える。

 マキナが口を開く。


「あなたは、あなたには、この(ワタクシ)を、この国を背負う覚悟はありますか?」

「ああ」


 聞けば、悪魔のような契約でもさせられそうなその言質。

 ああ、だからどうした。


「それじゃあ、しかたがない、にゃぁ」


『『爆破魔法(エクスプロージョン)』の起動まで後10秒です。』

「ああ、もう時間もない。よろしくたの―――」



 突然、金糸の束が目の前を奔る。

 マキナの髪だと気づいたころには、伝わる、優しい感覚。


 ああ、伝わってくる。マキナの王女としての覚悟とか、護る心だとか、強さだとか。


 それと同時に、体にあふれる魔力(チカラ)

 曖昧だったそれに対する感覚が、次第に明瞭になっていく。


 それがある一点まで達したとき、自分のスキルと呼応する。


『『爆破魔法(エクスプロージョン)』の起動まで後5秒です。魔力量がスキル発動可能量となりました。ユニークスキル[護り癒す者<Res sit curare salutem>]をオートモードで発動します。

点火(イグニッション)』の魔術連鎖式を逆算します……成功。魔術連鎖式を切断します……成功。『爆破魔法(エクスプロージョン)』の魔術式を逆算します……成功。『爆破魔法(エクスプロージョン)』の魔力を拡散させます……』


「『爆破魔法(エクスプロージョン)』の魔力が消えていきますわ……」


『……成功。』


 どうやらオレ達は命を繋いだらしい。



 …………


 三者三様の反応だった。


 強姦でもされたような眼をしていた長身の美丈夫は、立ち尽くしたまま、瞳に光を宿しながら泣いていた。余程ショックを受けたらしい。レイプ目は興味ない。男だし。


 逃げようとでもしていたのか、そわそわしていた小柄な長耳族(エルフィー)はおれの一張羅のスーツに泣き付いてきやがった。ええい抱き着くな、鼻水付けるな、鬱陶しい!

 俺は幼女に興味はない! ロリコンは教師になれない!! エルフなら後100年後に来い!!


 冷静にさっきまでの様子を諦観していた貴族っぽいやつは……失禁してやがる。見なかったことにしといてやろう、脅しに使えるし。



 ん、この机で寝てるやつ……始まる前から寝てなかったっけ。お前が最強だな……




 さて、いったいこの事態にどれくらいの時間を消費してしまったのかと。


「上手くいって良かったですわね。立役者さん。」


 いつものクセで左手首を上に向けて。


「そういえば自己紹介がまだだったニャ……ですわね」


 そんな自分を軽く自嘲して視線を上げようとして、そこで目線が止まった。


「名前くらい知っておかないと、これから先、不便ですもの」


 手の甲に広がるそれは、ファンタジーの醍醐味か。


「成り行きとはいえ、婚約者(フィアンセ)になったからニャ……」


 白く光る八芒星の魔法陣が彫られていた。


「……のですから」

ユニークスキルはスパコン仕様


語尾にゃ+姫属性=属性過多

つまりいちいちむずい笑



ブックマークが減ったからと言ってどうのこうのいうやつは、結局実力を見つめられないだけ。


まぁ、外すのは悪いことではないので、俺にはあんま遠慮しないでください。それを受け止められないと、意味がないので。


外したほうが主が焦って更新が早くなるかもよ |ω・`)チラ


外してほしいわけじゃないけどねー |ω・`)チラ

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