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ある王国の日常  作者: 晴耕雨読。
王女と彼と、あらたな住人
12/18

ある雑誌の人気コーナー

  


  ある大きな大陸の


  ある小さな国の話。





【王宮のここからここまで! ~夜会には危険がいっぱい!?~】


 ついにやってきた!

 今夜は、どの貴族たちも好奇心を膨らませて、待ち望んでいた夜会。

 そこにいたのは何週間も獲物を食べていない飢えた獣と、その獣にねらわれたあわれなか弱いうさきちゃん、であった。


 -当日の現場より-



 さて、今回“黒薔薇の姫”に狙われた、あわれなか弱いうさぎちゃん。

 それは、リリーシェル・シュテンベルクである。

 そう、夜会のメインであった、あの“王の隠し子”だ。

 彼女は、今回の夜会で正式に王の子と発表され、第二王女となった。

 どうやら、王妃<“黒薔薇の姫”の母>の元侍女が、彼女の母親らしい。


 ではなぜ、二人は王宮に住んでいなかったのか。


 それは、侍女が王の赤子を身ごもったと知ると、王妃がすぐに王宮から追い出したからだった。

 その後、追い出された侍女は無事赤子を産み、街で小さな店を経営し生活していた。

 今まで彼女は街で針子として働いていたのだ。


 さて、街の針子から国の王女となった、

 シンデレラガールのリリーシェル。


 彼女の容姿は、王とそっくりな金髪に緑眼。

 ふわりとした髪質や、くりっとした二重も王にそっくり!(これで彼女が王と血が繋がってない、とは誰もいえないだろう)

 王の色素をそのまま受け継いだフロックス王子とまさに姉弟!というかんじである。

 ぜひ、一緒にいるところをそばで見たい。

 また、淡い桃色のドレスが彼女の柔らかな雰囲気とよく似合う。

 緊張でピンクに染まった頬は、おもわず頬ずりしたくなる。

 なれないドレスや夜会で、ぷるぷる震えているのも、庇護欲をかきたられる。それに……


 おおっと、話がずれてしまった。この続きが知りたい方は67ページで!


 さて、ここ数週間、悪事の噂が流れなかった、飢えた獣----もとい、“黒薔薇の姫”。

 「あの“黒薔薇の姫”が!?」「もうこの国は滅ぶ……!」と、たくさんの人々に心配されていた。


 だが、みなさん安心してほしい。

 

 どうやらその間“黒薔薇の姫”は次の獲物リリーシェルのための準備をしていたらしいのだ。

 そこで「なんの準備だ?」と聞くのは野暮なことである。


 今回の夜会も“黒薔薇の姫”存在感は、とてつもなかった!

 ドレスの色は通り名にふさわしく、黒。身体にぴったりとしたデザインも、彼女の魅力を最大限にひきだしていた。


 そして、“黒薔薇の姫”といえば、

 みんなのアイドル、アーネスト・ダーウィン! 

 主をひきたてるかのように、ところどころ金をあしらった白の正装。

 その華美な正装も、普通の者が着れば服に着られている感がぬぐえないのに、彼は見事に着こなしていた。


 また、この二人が入室したとき“黒薔薇の姫”がしゃべるまで誰一人うごかない・しゃべらない、というのは、もうお約束である。

(というか、二人の圧倒的な美貌・存在感に意識がとんで、うごけない・しゃべれないのだ。実際、あまりの衝撃に失神したものや、一時心拍停止になるものが続出する。今回も初デビューした者を中心に数名被害が出た)


 絶世の美貌。

 黒と白。 悪と善。


 たしかに、優しいアーネスト・ダーウィンをふりまわしている、わがままな“黒薔薇の姫”を悪くいうものは多い。


 だが、彼女ほど彼にふさわしい者はいないだろう。

 容姿はもちろん、性格でも。


 おおっと。

 これ以上いうと、アーネスト・ダーウィンのファンクラブたちに命をねらわれかねないので、ここまでにしておくが。

 ああ、ちなみに。話がそれてしまうのは、わたしの個性・・なのでご愛嬌。


 話をもどそう。……と、その前に。


 忘れていた、もしくは知らないあなたに、もう一つ。

 さて、可愛らしい第二王女に、妖艶な“黒薔薇の姫”。

 実は、16歳と17歳!

 一歳しか年が変わらないというのだから驚きである。

 (特に“黒薔薇の姫”が17歳ということが。)


 では、今回の見所!


 この夜会で、彼女リリーシェルへ“黒薔薇の姫”の一言。


 「わたし、あなたが来るのをたのしみにしてたの。これからよろしくお願いいたしますわ」


 まさに宣戦布告、いや、獲物をおいつめはじめる、合図。


 そして、極めつけは、あの微笑。

 おもわず吸い込まれてしまいそうな、底知れない瞳。

 その瞳はすべてを見透かしまうような鋭さがある。

 口元が微笑んでいることでそれがより強調され、「どんな仕打ちをされるのだろう」と、いっそう恐怖をかりたてられる。

 “黒薔薇の姫”の妖艶な雰囲気も、余裕のあるその態度も、さらにそれを煽った。


 ----まるで 「逃がさない」 と、いっているようで。


 はたして、うさぎちゃんは飢えた獣から逃げ切れるのか……!?


 次号も、ご期待!!


 by アルレロト雑誌 記者 リディア   







 この夜会に参加していたものは、のちに発行されたある雑誌の記事を読んで、“ああ、たしかに。うまく的を射ているな”と、書いた記者を絶賛した。






 ------そして、この記事を知ったルクレティアは寝込むことになったのだか、それはまだ後の話。



人気を聞きつけた侍女、ネリネに伝える

        ↓

    ネリネ、興味をもつ

        ↓

        買う

        ↓

    ほくほく顔のネリネ

        ↓

    ルクレティアに見せる

        ↓

数分後、ベットの中でうなされているルクレティア

        +

  嬉々として介護をするアーネスト 

         ||

        平和?




ありがとうございました。次話もよろしくおねがいします。




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