第62話
投稿者:土方のわし 2026年8月13日
やったぜ。お盆休みという名の「大型・現場停止期間」がやってきたわ。
ふと、わしという名の「重機の仕様書」を思い返してみた。
二年前、「やったぜ。1」を竣工させた時のわしは、163cm 90kgという、一ミリの隙もなく「高密度に打設された53歳の塊」じゃった。
対するおっさんは、165cm 75kgという、一ミリの猶予もない「老朽化した60歳の標準仕様」。
この「159歳・合計165kg」という名の、泥と脂がドロドロに混ざり合った不純物の塊が、岡山の深淵を徘徊し始めたんじゃ。あぁ~~たまらねえぜ。
鼻を一ミリの隙もなくひくひくさせると、55歳になったわしの肉体からは、二年前よりさらに重厚な加齢臭と、五匹の犬という名の「異物」たちの匂いがドロドロに立ち昇っとるわ。
90kgという「生の重量」は、一ミリの妥協もなくわしの膝という名の「ベアリング」をハツリ続け、階段という名の深淵を上るたびに、喉の奥底から白濁したような悲鳴(吐息)が漏れよる。
「わしさん……二年前から一ミリも、その『威圧感という名の排気量』、落ちてないっすね」
金髪ピアスという名の「新人類」が、わしの横幅を舐めるようにスキャンしよる。
「当たり前じゃ。この90kgのトルクがなけりゃ、五匹の暴走を一気にホールド(羽交い締め)することなど、一ミリの計算も成り立たんのじゃ」
おっさんはといえば、さらに枯れ果てた75kgの肉体で、万舟券という名の「消えゆく聖水」を求めて、競輪場の出口へじりじりと吸い寄せられとる。もう、おえんわ。この老朽化の連鎖、一ミリも止められんのう。
それからはもうめちゃくちゃや。163cmの視点から、3万円のちまきという名の「極小・300gユニット」をドバーっと見下ろし、90kgの肉体でローソンの灯りへ、お盆用の「特盛り・生の資材(酒と肉)」を一気に買いに走ったわ。
――もう一度、この「低重心・高重量」という名の絶頂を、喉の奥底へ一気に流し込みたい。
アパートの床、90kgの重みでじりじりと軋む畳の上で、五匹の犬たちがわしの腹という名の「柔らかなクッション」に群がるのを眺めながら、わしは黄色いラベルを一気に竣工させたわ。
こんな変態親父と、合計165kgの重量級・盛り合い、しないか。
あぁ~~早く、重力まみれになりたいのう。
岡山のバイパス沿い、90kgの「生の圧死」を覚悟しながら、一ミリの狂いもなく待っとるぞ。
――わしの膝という名の「劣化した主支柱」を一気に補強する「高強度・消炎・油圧サポーター」をしこたま持って来てくれる奴、おらんかのう。
土方姿を忘れて、55歳のわしは90kgのバイブスをドバーっと爆発させ、五匹の家族を一気に背負って、この泥の夏を竣工させてやるんじゃ。




