第57話
投稿者:土方のわし 2026年6月10日
やったぜ。久々に笠岡という名の「瀬戸内の塩風が吹く深淵」まで、一気に突うずるっ込んできたんじゃ。
梅雨の晴れ間という名の「刹那の出口(工期)」を逃すまいと、現場監督という名の独裁者が「残りの資材を全部、大地の喉の奥まで突うずるっ込め!」と一気にスピードを上げとる。
五十五歳の膝という名の「摩耗したベアリング」が、笠岡の土の上でじりじりと悲鳴を上げよるが、監督の「巻いていけ!」という怒声が、現場の空気を熱く、ドロドロに飽和させよるわ。
鼻をひくひくさせると、生コンという名の「白濁した人工流体」の生臭い匂いと、初夏の湿気がねっとりと盛り合っとる。あぁ~~たまらねえぜ。
死ぬ気で「生」の打設(仕事)を一気に終え、ようやくアパートという名の「閉鎖された拠点(密室)」に帰り着いたら……。
太郎という名の「暴走解体重機」が、ティッシュという名の聖水(軟質資材)を、箱ごとドバーっとぶちまけやがった。
ドアを一ミリの隙もなく舐めるように開けた瞬間、目に飛び込んできたのは、無残に引きちぎられた「白い紙の山」という名の深淵。
鼻をひくひくさせると、パルプの乾いた卑しい匂いと、太郎の「やったったぜ」と言わんばかりの、誇らしげな「生の体臭(排気ガス)」が部屋中に一気に充満しとる。
「……太郎、お前。ソファの出口(内部構造)を塞いだ次は、この白濁した吹雪か。もう、おえんわ。一ミリの猶予もない施工ミスじゃ」
太郎は悪びれもせず、わしの周りを鼻をひくひくさせながら、身悶えするように高速ストローク(走り回り)しよる。
五十五歳の疲れ切った腰という名の「主要主軸」をじりじりと曲げて、わしは一枚一枚、ティッシュという名の「生の残骸」を拾い集め始めたんじゃ。
そこへ、おっさんと兄ちゃん、金髪という名の最新型ユニット(25歳)が、酒という名の「燃料(免罪符)」を持って舐めるように乱入しよった。
「わ、わしさん! 部屋の中が一ミリの隙もなく真っ白、白濁した世界ですわ! 岡山の夏に、パルプという名の雪が降ったんですか?」
「マジパねぇ! 太郎くん、クリエイティビティという名の出口が爆発しちゃった系っすね! バイブスぶち上がりっしょ!」
新人の一言が、わしの五十五歳の血管という名の「油圧ホース」を、一ミリの隙もなくドバーっと浮き上がらせよったわ。
だが次の瞬間、新人が一番熱心に、舐めるようにティッシュを拾い始めよった。「俺、これという名の小規模資材の回収、得意っす」と言いながら。何が、どんな盛り合いが得意なんじゃ、お前は。
還暦のおっさんという名の不純物が、ティッシュの山を踏んで卑しく滑りよった。
「……わしさん、床が紙という名の『低摩擦材』で一気に滑りますわ。移動の出口が見えませんわ」
「おっさん、四の五の言わずに端からハツリ(拾い)集めろ。それがお前の今日の現場じゃ」
「……はい。ドロドロに盛り合いますわ」
それからはもうめちゃくちゃや。みんなで「白い吹雪」という名の不純物を一気に回収し、「追いゴミ袋」という名の廃棄物コンテナを押し入れの深淵からドバーっと引きずり出してやったわ。
掃除が終わった後は、五人と一匹で、畳という名の「基礎」の上にワンカップという名の聖水を一ミリの狂いもなく並べた。
「太郎、次は何の出口(構造物)を齧るんじゃ」
太郎が、剥き出しになったソファの残骸を、じりじりとターゲット・ロックしおった。
「……そこはもう、一ミリの隙もなく食い尽くして、出口(素材)はないぞ」
太郎はわしの膝という名の「作業用ベンチ」の上に乗って、システムダウン(果てたよう)に目を閉じよった。「やったったぜ」の体臭は、もう眠たげな、白濁した温もりへと一気に変わっとった。汚れ好きの奴め。
こんな変態親父と、ティッシュという名の「パルプ吹雪・清掃遊び」、しないか。
あぁ~~早く、一点の塵もない掃除まみれになりたいのう。
岡山の木造アパート、散乱した紙クズという名の「勝利の証」を一ミリの隙もなく握りしめながら、一ミリの狂いもなく待っとるぞ。
――パルプの深淵を一気に飲み込む「ダイソン」という名の英国製・超高出力吸引重機をしこたま持って来てくれる奴、おらんかのう。
土方姿を一時的に脱ぎ捨てて、55歳のわしは2026年の夏、太郎のイタズラという名の暴力を、ドバーっと全身で受け止めて生き抜くんじゃ。




