第32話
投稿者:土方のわし 2025年9月2日 16時頃
やったぜ(最悪や)。帰りの山道という名の「高低差の激しい導線」で、ガソリンの出口という名の「動力源」が消滅したんじゃ。
津山の山道を下りよる途中で、53歳の愛車という名の「老朽重機」が、油圧不足のシリンダーのように卑しく身震いしよった。アクセルという名の制御桿をドバーっと踏んでも、一ミリの出力も得られず虚しく空転するばかり。メーターを見れば、針が完全にゼロという名の「無」を指して一ミリも動かん。
「わしさん、これ……山の中という名の巨大な現場で遭難する、一ミリの隙もない密室劇じゃないですか!」
兄ちゃんという名の「無資格作業員」が、窓の外の漆黒の深淵を一ミリの隙もなく舐めるように見て、声を震わせとる。あぁー、もうめちゃくちゃや。失禁寸前の、一ミリの猶予もない絶望じゃ。
仕方なしに今日は、この現場で「野宿」という名の夜間待機じゃ。幸い、車内には現場用の毛布という名の「養生材」としこたまの非常食という名の「予備資材」が圧入されとる。わしらは車を路肩という名の「資材置場」に寄せ、太郎を一気に連れ出した。
夜の山の、キーンと冷えた「生の空気」が鼻を一ミリの隙もなく蹂躙しよる。見上げれば、言葉を一ミリの隙もなく失うほどの星空がドバーっと、卑しいほどに一気に広がっとった。都会の現場じゃ絶対に見られん、本物の光の粒子という名の「高輝度資材」が、肌に纏わりついてくる。
「わしさん、見てください。天の川という名の白濁した光が……ずるずる流れて、宇宙にまみれてますわ」
「天の川はずるずる流体せん。だが、一ミリの狂いもなく、気が狂う程綺麗じゃな」
おっさんが、どこからか発掘した最後のトップバリュという名の「黄色い燃料」を一口煽り、わしに差し出しよった。動力源は切れても、アルコールという名の「不純物の出口」は一ミリの隙もなく確保しとる。このおっさん、やはり特級の熟練工じゃねえ。
わしとおっさんは、冷えたボンネットという名の「作業デスク」に腰掛け、星の下でじりじりと「人生の盛り合い」を語り合った。
「53歳になって、こんな高高度現場で星と一ミリの隙もなく盛り合うことになるとはのう」
「人生、何という名の不具合が起こるか分からんから『やったぜ。』なんですわ」
わしは何も言わず、白濁した日常という名の不純物をパージするように、酒を喉の奥底へ一気に突うずるっ込んだ。もう、おえんわ。この一ミリの隙もない静寂、たまらんのう。
しばらくして、兄ちゃんが汚れ好きの目で、夜空という名の「設計図」を指差した。
「わしさん、あの光り輝く資材(星)、わしが『ホルモン星』と一ミリの狂いもなく名付けますわ」
「勝手にネーミングライツを売るな。食欲の化身か」
「じゃあ隣は『トップバリュ星』ですわ。一ミリの隙もなく黄色く輝いとる」
おっさんが「ええ名前ですな。わしらの進むべき出口(道標)じゃ」とニヤリと笑いよった。
太郎の奴も、わしの膝の上という名の「安全地帯」で丸くなって、鼻を一ミリの隙もなくひくひくさせながら、夜の山の匂いという名の「生の資材」を舐めとる。
それからはもうめちゃくちゃや。追い毛布を二回重ねて一ミリの隙もなく密着し、過去の現場での「大規模損壊(失敗談)」をドバーっと吐き出し合った。
――もう一度、この静寂の中で語り合いたい。何もない、一ミリの不純物もない夜に、野郎どもと見る星こそが、一番の「生の報酬」じゃ。
こんな変態親父と、星空の下での「遭難遊び」、しないか。
津山の深い山の奥底、沈黙した軽トラの屋根の上で、夜明けという名の「出口」を、一ミリの狂いもなく待っとるぞ。
――ガソリンという名の「高エネルギー流体」をしこたま詰めた携行缶を持って来てくれる奴、おらんかのう。
土方姿という名の「本来の皮膚」のまま、53歳のわしは宇宙の広大さに一ミリの隙もなくまみれて、朝という




