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やったぜ。(完全版)  作者: 水前寺鯉太郎
やったぜ。4 ― 実家に帰るぜ

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第28話

投稿者:土方のわし 2025年8月10日 夜

 やったぜ。倉敷の実家という名の旧現場、3日目の夜という名の「緊急点検」じゃ。

 あの暗黒カレーという名の施工不良で一ミリの隙もなく失意の底に沈むわしを、黙って見ておれんかったんじゃろう。親父という名の「最高顧問」が「……出口ローソンを探してくる」とだけ言い残し、軽トラを一気に発進させよった。

 しばらくして、ビニール袋を卑しくガサガサ鳴らして戻ってきた親父の手には、冷えた缶ビールと、ローソンの「からあげクン」「イカの塩辛」「枝豆」という名の、一ミリの隙もなく完成された「既製品(資材)」がしこたま詰まっとった。

「……飲め。一ミリの不純物もなく、まみれろ」

 それだけじゃ。一ミリの無駄もない施工指示じゃ。

 プルタブを一気に開けた瞬間、シュワッという白濁した泡の咆哮が、鼻をずるずると蹂躙しよる。あぁ~~たまらねえぜ。

 さっきまでのチョコとコーヒーの呪いという名の「有害物質」が、冷えたアルコールという名の洗浄液で、喉の奥底まで一気に、一ミリの隙もなく洗い流されていく。元コックのプライドという名の設計図なんて、この一杯の前には一ミリの価値もない砂遊びのようなもんじゃ。

 親父と差し向かいで、ローソンの塩気という名の「生の報酬」をツマミに、無言でグラスを一気に傾けた。いつの間にかダチもちゃぶ台という名の現場に座り、汚れ好きの目で缶を握っとる。誰も何も言わん。

「……カレーは、明日おかんが何とかする。出口(設計変更)はあいつが強引に作るじゃろ」

 親父がぽつりと言いよった。わしは何も言わず、ただビールを一気に喉の奥底へ突うずるっ込んだ。もう、おえんわ。この喉越し、気が狂う程気持ちええんじゃ。

 横では太郎という名の野獣が、からあげクンの匂いという名の「誘引剤」につられたのか、親父の膝の上で尻尾を一ミリの隙もなく激しくブンブン回しとる。

「太郎、お前にはこの味の薄い破片(資材)を、一ミリだけ盛り合ってやるぞ」

 親父が土方仕事で固くなった節くれ立った指で、不器用に肉を一気にほぐしてやりよる。その光景を一ミリの隙もなく舐めるように見たら、鼻の奥がツンとしやがった。

 そのまま三人で、実家の畳という名の現場の上に並んで盛り合い続けた。ダチが「追いストロング」という名の高濃度燃料を買いに現場ローソンへ走った。二回走った。三回目は親父が「わしが行く。一ミリも動くな」と千鳥足で出ていきよった。

 ――やっぱり、何も考えんでええ「不純物ゼロ」の夜が、一番の贅沢じゃ。

 天井の古い木目が、酒の勢いでゆっくりと、一ミリの狂いもなくぐるぐる回りよる。それがまた、出口のない迷宮ラビリンスのようで、もう気が狂う程気持ちええ。

 こんな変態親父と、深夜のローソン資材遊び、しないか。

 あぁ~~早く、一ミリの隙もなくアルコールまみれになろうぜ。

 倉敷の夜、ローソンの看板という名の「誘導灯」の光を舐めるように見守りながら、夢という名の深淵へ一気に突っ込んでいくんじゃ。

 

 ――ヘパリーゼという名の「肝臓用特殊添加剤」をしこたま搬入してくれる奴、おらんかのう。親父という名の老朽重機の分も至急、頼む。

 土方姿という名の「本来の皮膚」に戻る前の、最後の泥酔(盛り合い)を、一ミリの隙もなく一緒に見届

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