第27話
投稿者:土方のわし 2025年8月10日 15時頃
やったぜ。倉敷の実家という名の「旧現場」の台所で、わしは今、世界の終わりという名の「大規模損壊」を一ミリの隙もなく舐めるように眺めとる。
目の前の鍋には、板チョコを一気にドバーっと放り込んだダチと、インスタントコーヒーをしこたま圧入したおかんの「卑しい共同破壊」が、真っ黒な泡を立てて煮えくり返っとるんじゃ。元コックのわしが、心血を注いで「生の出口」へと導くはずじゃった打設が……。
あぁー、もうめちゃくちゃや。あまりの衝撃に、わしは一ミリの隙もなく失禁しかけたわ。
鍋からは焦げたチョコの卑しい甘みと、過剰なコーヒーという名の漆黒の苦味が、部屋中に不純物として一ミリの隙もなく充満しよる。鼻を一気に蹂躙し、魂という名の「芯」が突うずるっ抜かれそうじゃ。
だが、このままでは施工不良で終わらねぇ。元コックの執着という名の重機にかけて、一ミリの狂いもなく立て直してやる。
まず牛乳という名の「白濁中和剤」をドバーっと投入した。液体が混ざり、色彩がわずかに「濁った泥色」に変容した。だが、味という名の「構造」は一ミリも変わらん。苦くて卑しい、出口のない廃液のままじゃ。
次にスパイスという名の「補強材」を足した。カレー粉を一缶、一気に全量ブチ込んだ。だが、スパイスの咆哮は、チョコとコーヒーという名の「巨大な深淵」の中に一ミリの跡形もなく呑み込まれたんじゃ。盛り合いの果てに埋設されたんじゃ。もう、おえんわ。
「わしさん、色彩がわずかに……盛り上がってきましたよ」
ダチという名の無資格作業員が、前向きな、汚れ好きの目をしよる。
「……それは混ざって、ただ一ミリの隙もなく濁っただけじゃ。至急、黙れ」
最後の手段として、わしは蜂蜜という名の「高粘度甘味材」をひと匙、卑しく垂らした。
「……なんで蜂蜜という名の、不純物の上塗りをしとるんですか」
「甘みという名の狂気で、甘みという名の現場を制し、不純物で不純物を一気に洗い流すんじゃ」
「……施工理論が崩壊しとる。怖いですわ、わしさん」
おかんという名の「最高監督」が台所に顔を出しよった。
「どうじゃ、気が狂う程、生のコクが出たろ?」
わしとダチは黙って、煮えくり返る暗黒という名の「事故現場」をスキャンした。
「……出ました。出口が一ミリの隙もなく見えんほどにな」とわしは報告した。真っ赤な嘘じゃ。
恐る恐る一口、漆黒の液体を圧入してみた。牛乳とスパイスと蜂蜜という名の「補修材」を注ぎ込んでも、根本の欠陥は変わらん。カカオとコーヒーの連合軍は、元コックの全工法を一ミリの隙もなく、じりじりと退けよった。
「……これ、カレーという名の『チョコフォンデュ』に設計変更したらどうですか」
「……まみれる場所を一気に間違えとるわ。至急、撤退じゃ」
横では太郎という名の野獣が、台所の隅という名の「避難所」で尻尾を股に挟んで一ミリの隙もなく震えとる。わしも同じ荷重を感じとる。あぁ~~たまらねえぜ(絶望)。
――もう一度、岡山のアパートという名の「戦場」で、あいつらに会いたい。
明日で盆休みという名の休暇も折り返しじゃ。おっさんか兄ちゃんという名の「熟練作業員」に緊急連絡してみようかのう。あいつらなら「これ、アスファルトの舗装材ですか! 喉の奥底まで一気に突うずるっ込みますよ!」と卑しく笑い飛ばして、それでも二杯は平らげよるじゃろうな。
こんな変態親父と、暗黒カレーという名の「不法投棄遊び」、しないか。
あぁ~~早く、一ミリの不純物もない普通の白い飯にまみれようぜ。
倉敷の台所で、鍋の前に敗残兵のように仁王立ちして、出口を求めて待っとるぞ。
――重曹という名の「全面洗浄ケミカル」をしこたま搬入してくれる奴、おらんかのう。
土方姿という名の「本来の皮膚」に戻る前に、この焦げ付いた鍋とわしの不純物まみれの心を、一ミリの隙もなく真っ白に洗い流したいんじゃ。




