表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
石の民〜幽体離脱無双〜  作者: つぶり
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/15

修行

 朝日の昇る前。

オレはいつも通り庭先に出た。


白い息を吐きながら、日課のトレーニングをこなしていく。

まだ早朝は寒く、所々霜が降りている。


空は深い菫色で、

東の山の稜線に淡い茜が滲み、

上空の雲がオレンジに染まると、

辺りから鳥がさえずり始め、

谷川のせせらぎに加わった。

朝だ。


 一時間ほどトレーニングし、身体が汗ばんできた。

汗を拭い、家の脇へ向かう。

そこにある平な石の表面の霜を掌で払い、腰を下ろす。


 背筋を伸ばし、足を組み、

静かに目を閉じる。


意識を内に向け、丹田に集中する。

ちりり、と丹田が熱を帯び始める。


 圧を保ったまま、そこから体内を巡らせる。

まずは心臓の横あたりに熱の塊を移動させ、

ゆっくりと右肩から右腕に移る。


右の手まで到達すると、手のひらから、

組み合わせた左の手へと慎重に渡る。

塊が霧散しないように注意する。


左手から左腕、左肩を巡り、胸の中心に戻る。


これで一周だ。

徐々にスピードを速めながら、100周ほど循環を行い、

回る向きを逆転させ同様に100周させた。


 身体は動かしていないのに、かなりの熱を帯びている。


次はちょっと難しい。

丹田の熱の塊を胸中に上げた後、

首から顎に上げていく。


下顎まで到達すると、舌の付け根に入り、

舌先から上顎に移動する。

細い経路を、これまでよりさらに圧縮させて辿る。


口中には唾液が溢れてくる。

上顎に移ると、鼻の裏側を通り、

目の奥を通過する。


いよいよ脳だ。

 前頭葉から頭頂へと到達する。

全身に甘い痺れのような感覚が広がる。


後頭部に回り込み、うなじに降りる。

背骨を辿り、尻の辺りまで降りて来た。


後少しだ。

尻から身体の前面に向けて股を通り抜ける。

じわっとした感覚が下腹部に広がり、陰茎が充血し始める。


ここが難しい。

熱の塊が、まるで意志を持った生き物のように、

甘い誘惑の淵へと滑り込もうとする。


気を抜くと、あっという間にそちらに引き寄せられ、

激しい快感と共に射精となって散ってしまう。


10歳の生気溢れる肉体には、

この覚えたばかりの誘惑に耐えるのが、

なかなかにこたえた。


 無事にソコを通過すると、塊は丹田に戻って来た。


「大循環」はこれで一巡だ。

先ほどの「小循環」と同様に100周させ、

さらに逆回転を100周行う。


 日課を終え目を開くと、

山の向こうから朝日が射し込み、

辺りは金色に輝いていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ