目次 次へ 1/8 ゲーム 0 あれは小学校の卒業式だった。 「ハイ、チーズ!」 「もう、最後なのに変顔やめてよ!」 そういうクラスメイトの声がグラウンドに響いていた。 桜の花弁はこの青空を薄紅に舞っていた。 綺麗な対比なのに君にあまり会えなくなると思うと切なく感じた。 「勇輝くん、私立に行くけど私のこと忘れないでね!絶対!」 「うん!いつかまた遊ぼうね!」 背が引く華奢で気弱な君が好きだった。 同じ学年だが私の弟みたいだった。 そして月日は流れた。