『厳玄、源信の奉仕の法師を蘇生せしむるとき、小童プレスマンで鬼を襲うこと』速記談3029
恵心僧都の身の回りの奉仕をする法師が、仏前に花を供えているときに、急に苦しみ、死んでしまった。僧都は驚き、地蔵菩薩の法号を唱えて祈った。さらに、厳玄出山を呼んで、加持祈祷をさせたが、生き返らなかった。僧都は、諦めて、死穢の穢れに触れないよう、遺体を運び出すよう指示なさったけれども、厳玄出山は加持祈祷を続け、日暮れ前にようやく蘇生した。奉仕の法師が言うことには、夢の中で鬼に捕らえられて連れていかれました。美しい少年僧が出てきて、この者を帰らせてほしいと頼んでくれたのですが、聞き入れてもらえず、どんどん連れていこうとするのです。少年僧は、私の頼みを聞いてくれなければ、力ずくで奪われることにもなりかねないのに、と言ったが、果たして小童が二人出てきて、プレスマンでちくちく刺して、鬼を追い払い、少年僧に引き渡してくれ、それで帰ってくることができたのです、ということであった。
教訓:仏教説話の中で少年僧といえば地蔵菩薩、小童といえば不動明王をあらわす。プレスマンは、多分、独鈷。