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憧れ
ヴィーカ様は私の憧れだった。
艶めく星のかけらのようなシルバーの髪も、静かな
煌めきを放つ紫水晶の瞳も、優しくて、誰かに動けるところも、全部が私の憧れで大好きで、ずっと見ていた。だから気づいてしまった。ヴィーカ様の心が
私ではない他の令嬢に向いていることを。
リルリア・ファンシア様。辺境伯家の令嬢で礼儀作法はしっかりしていながらも明るく気さくで桃色の髪よりも少し淡いピンクサファイアの瞳もヴィーカ様の
心が向いてしまうことも頷けるほど美しかった。
嫉妬、してしまった。
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「初めまして。私、ヴイーカ様と仲良くさせてもらっているリルリア・ファンシアと申します。ヴィーカ様のご婚約者様なのですよね?仲良くしてくれると嬉しいですわ。」
砂糖菓子のようなふわふわで愛らしい少女。
それがリルリア様の第一印象だった。
「初めまして。リルリア様、私のことはアリアとお呼びくださいな。」
「まあ!嬉しいです!私のこともリルとお呼びください。」
よく笑い、よく喋る。
きっとこういうところにヴィーカ様は惹かれたのだろう。私にはない部分だ。