第003話 ここが噂の恋愛支援部
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「おい!ふざけんなよ真!」
俺は教室に入るやいなや真の前へ行き怒鳴りつける。
あくまで憎い感情ではなく、先程の裏切りに対する文句から来るものだ。
「おぉー!今回は殴られたみたいだな〜。」
他人事だからと陽気に笑って見せる。
こっちはどんな思いで毎回毎回呼び出されていると思ってるんだよ。
俺の思いを伝えるためにも、鋭い吊り目から繰り出す睨みをお見舞いする。
「その目で見るのはやめてくれって。寿命が縮まるから。」
「俺の目は生物兵器か何かか。」
「冗談さておき、本当に人気だよな陽太の幼馴染。」
「神崎は顔も性格も良いからな。モテない理由ないだろ。」
「おっ、やけに素直に人を褒めるな。やっぱり、陽太もファンの1人か?」
ツンツンと肩を突いてくるのが、絶妙なうざさを作り上げている。
「そんな訳ないだろ。俺は高望みしない主義だからな。」
「そうでしたそうでした。本当にお前は、そんなことばっかり言ってると彼女できないぞ。」
そういう真には彼女がいる。
入学した時に一目惚れされて女子から告白されたらしい。
顔の系統は最近流行りの塩顔で、イケメンの部類に入るくらい整っている。
正直、俺と友達になった理由が分からないくらいだ。
「良いんだよ別に。そんなのいなくたって生きていけるんだから。」
「何言ってんだよバカだなー陽太は。・・・良いか心して聞けよ。」
今から重要なことを言うらしく、真剣な表情になる。
だけど、ありきたりな論説を語るだけだろうからそこまで期待はしていない。
それに例え他の人が納得するようなことだったとしても、俺は納得しないだろうから。
「高校生活にはたくさんの行事ってのが当たり前に存在する。そして、中学の時とは違ってある程度生徒の自主性が認められる。格段に楽しさが違う訳!」
「それって別に彼女の有無は関係なくないか?」
「甘い甘いぞ陽太!」
チッチッと横に指を振る動作が鼻につく。
いちいちオーバーなリアクションを挟まないと死ぬ病気にでも掛かってんのか?
本当に顔はイケメンで良かったな。
「ただでさえ美味しい料理がさらに美味しくなる方法があるのに逃す手はないだろ。」
「それが彼女を作ることって言いたいのか?」
「そういうことだ!心から好きと思える人間と楽しい時間を共有するなんて一番の幸せだろ。」
「理解できなくも「そうだよな!そう言うと思ってぞ!」
なんだこの食いつきの速さは。
俺がそう言うのを待っていたかのようだ。
危機察知能力が警鐘を鳴らしている。
だが、今更逃げる場所はどこにもない。
「そこで陽太に行ってきて欲しいところがあるんだ。」
「行ってきて欲しい所?流れ的には無茶な提案をされるのかと思ったけど。」
「友達にそんな酷いことするような男だと思われていたのかよ。悲しくて涙が出ちゃうね。」
全く涙は出ていないし、そもそも今までの言動を振り返ってほしいものだ。
そんなことを思っていると、すぐに嘘泣きをやめて続きを話し出す真。
その切り替えはどういった気持ちでやっているのか説明を求めたい。
「行ってもらうのは、恋愛支援部って言う部室棟四階にある部活だ。」
「恋愛支援部?そんな部活あったか?」
「結構有名な部活らしいぜー、去年出来たばっかりなのに。」
「それでその実態を俺に調査させて良ければ自分も行ってみようって魂胆か。」
「大正解!陽太の恋の悩みを解決してくれたら相当な腕前だからな。安心して相談に行けるぜ。」
「別に俺は悩んでないぞ。」
「じゃあ、頼んだからな!」
本当に聞く耳を持たないな。
別に放課後に予定がある訳でもないから、仕方ないけど行ってみるか。
でもあんま興味はないから、適当な感想を言えば後は勝手に自分で咀嚼して考えるだろ。
その後、五・六限は対して面白いこともなく過ぎていった。
授業が終わると生徒達の大半は部活の準備をすぐに終わらせて教室を出ていく。
残っているのは部活をしていない俺ぐらいだ。
教室に完全に人がいなくなったのを確認してから、鞄に教科書を詰め込む。
準備を終えると例の件を遂行するために部室棟へ向かう。
「ここが部室棟か。」
俺には全く関係のない場所なので、入学してから部室棟に足を踏み入れたことはない。
1階は主に運動系の部活の更衣室になっている。
それから上が文化系の部室らしい。
最上階にある恋愛支援部。
始めは軽い気持ちで行こうと思ったが、階段を一段登るごとに足が重くなる。
しかし、もう四階まで辿り着いてしまった。
こうなれば覚悟を決めるしかない。
木製で中が見えない引き戸の扉。
中に人がいるか分からないが、とりあえずノックをしてみるか。
恐る恐るノックをすると中で何かが動く音が聞こえる。
慌ただしく近付く物音に恐怖を感じ、一歩後ろへ。
バンッ!
勢い良く扉が開かれる。
俺がそのまま立っていたらぶつかっていただろ。
「ようこそ!恋愛支援部に!ほらほら、入って入って。」
身長は170前後の男。糸目が特徴的でアホ毛が1つ飛び出ている。
人気と聞いていたが、余程人が来たのが嬉しいのか丁重にもてなす。
会議用の折りたたみ出来るテーブルではなく、しっかりとしたテーブルが一つと二人掛けソファが三つ。
随分と良い備品を使っているな。
「ほら、みんな相談者が来たから!」
みんなの中には、俺の知っている顔があった。
「えっ!佐倉!いやっ、あの!これは・・・。」
手に持っていた少女漫画を後ろに隠して平然を装う。
別に隠すようなものでもないだろうけど、何も見ていないことにしてやるのが優しさだろう。
「古東は恋愛支援部の部員だったのか。」
「そ、そう。人数が足りなくてどうしても入って欲しいって副部長に頼まれて。」
「えっ、私は華ちゃんにそんなムグッ「ほら、なんか用事があったんだろ佐倉!まぁ、座って!アタシ、飲み物買ってくるから。」
顔を真っ赤にして部室から飛び出していった。
今度戻ってきた時にどんな顔して会えば気まずくないだろう。
「本当に乱暴な所を治せば可愛いのに華ちゃん。」
「あんまり部員をいじめちゃダメだよ。彼女のおかげで部活続けられたのは事実だし。」
「反応が可愛いから、ついちょっかいだしちゃうのよ。」
「あの〜。」
2人で会話を進めている所に割って入る。
こういうタイプは一生会話を成立させられるタイプだろうから、割って入らないと永遠に自分のターンが回ってこない。
「あっ、ごめんね。僕が部長の糸井栄二で、そっちが副部長の七瀬楓くんだ。2人とも3年生だけど緊張することはないからね。」
軽い自己紹介を受けて、俺も自己紹介をしようとするがそれを遮られる。
「佐倉陽太くん。1年生で部活は無所属。利き手は左手のO型。幼馴染に学校一の美少女と呼び声が高い神崎絢音くんがいる。」
基本的な情報ではあるが俺のことを知っているようだ。
当たり前のように言えるということは顔と名前が一致しているということか。
全校生徒は360人程度。
もし、その全員を覚えているのだとしたら異様なまでの才能だ。
「そして君の相談は、美少女の幼馴染という肩書きから逃れようとしている。・・・違うかな?」
「全く違いますね。そもそも何か相談があってここへ来た訳じゃなくて、友達にどんな雰囲気か見てきて欲しいと頼まれただけですから。」
「あれ?そうだったのかい。これは出過ぎた真似を。」
「ただ、それを相談したら解決してくれるのかは気になりますね。」
俺の悩みを解決できるのだろうか。
今の俺には突如として降り注いだ一筋の光にも思える。
人に助けを求めるタイプではないが、これだけは素直に相談してみたい。
「君が本気で恋に興味があるならば、全力で解決してあげよう。ようこそ、恋愛支援部へ。」
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