ボッチくんは最強の切り札を手に入れたそうです
「――――だから私は、綾人くんがアイツに暴力を振るわれているときに、スマホで撮影して証拠として動画に納めたの」
「……なるほどな~。リコ、俺がアイツに暴力を振るわれた証拠を動画に納めたのは、マジナイスだ」
「……だけど、私は綾人くんを守れなかった。綾人くんがアイツに暴力を振るわれているときに、私、スマホで撮影することしかできなかった。やっぱりデートの前に私が綾人くんに伝えていれば……」
俺はベンチから立ち――リコのことを抱きしめた。
「自分を責めるな……」
「綾人……くん……」
「リコは何も悪くないよ……。悪いのは……騙したアイツと騙された俺だ! だから、気にするな。リコ……」
「綾人くんがそう言うなら……うん。わかった」
俺はリコから離れる。
「え~と、リコ、マイン交換しよう。その証拠の動画をマインで送ってもらいたいからさ」
「わかった」
俺はリコとマインを交換し、アイツが俺に暴力を振るっている動画を送ってもらった。
「綾人くんは明日、その動画を先生に見せるんだよね?」
「いいや。見せないよ」
「えっ!? どうして!?」
「この動画は俺にとって最強の切り札だ。最強の切り札を使うときは、最高のステージで使った方がいいだろ?」
「綾人くんが何を言っているのか、さっぱりわからないけど……策があるってことかな?」
「ま……まあ、そういうことだ。我に策ありだ!」
自分で言ってなんだけど……恥ずかしっ!!
「カッコいい……。やっぱり綾人くんはカッコいいよ」
「えっ……あっ……どうも」
よくわからずに返事しちゃたよ……。
俺って……そんなにカッコいいのか?
「なあ、リコ」
「ん? 何?」
「リコは俺のどこに一目惚れしたんだ?」
「うーん。……綾人くんの全部、かな?」
「全部?」
「うん。綾人くんの容姿とか性格とか……綾人くんが昼休みに教室でボッチ飯をしている姿とか」
グハッ……!! ボッチ飯というワードを聞くと、俺の心に大ダメージが……!
「いやいや。ボッチ飯してる姿に普通は惚れないだろ」
「うん。普通はそうだよね……。だけど私……惚れちゃたの」
「そ……そうなのか」
「……ねぇ、綾人くん」
「ん?」
「綾人くんは私のこと……どう思ってる?」
「ど……どう思ってるって言われても……」
すると、リコは俺にハグをしてきた。
「綾人くん、お願い。言って……」
「お……俺は……リコのことを……可愛くて優しい天使だと思ってる。り……リコに言ってなかったけどさ、実は俺……お前に一目惚れしてたんだ」
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