第5話
俺の気持ちはただひとつ。
「愛珠、実は俺‥‥」
俺が好きな人は世界でただ一人しかいない。
「颯しか好きになれないんだ」
「うち?」
「どうして颯なの?」
「わからない。だけど、颯に惹かれてしまったんだ」
俺が好きなのは颯一筋、それを変えることはできなかった。
「颯‥‥俺の恋人になってくれ‥‥」
「うん。こんなうちを好きになってくれるの?」
「もちろんだ」
颯は控えめで、恋愛とか興味もない。
初、愛珠の二人とは違って男兄弟しかいないせいか、少女漫画を全く読まない。
身長は小柄だけどいとおしいんだ。
「ありがとう‥‥、間扉くん、うちは間扉くんの彼女に相応しくなるね」
「相応しくなくてもいい。君そのものを大切にしたいから」
颯の話によると、愛珠と初も俺のことが好きだったらしいから、好意にきずかないふりをして黙っていたらしい。
叶羽、愛珠、初、颯の四人に好かれていたということは俺はモテるということかな?
コナユキもどうかな?俺を恋愛対象として見てるんだろうか?
俺と颯は二人で三毛猫を可愛がった。
三毛猫の名前は「ハツコイ」。
初恋が叶った記念にと颯が名前をつけた。
愛珠と初の二人はどうしたのかと聞かれると、二人は失恋をした。俺は一人しか選べなかったから。
愛珠は失恋ソングを聴くようになったし、少女漫画も失恋をテーマにした物ばかり読むようになった。
初は愛珠を応援したわりには初恋に破れたため、泣いて過ごすようになった。
初は愛珠には勝てると思っていたらしい。
初はかなりの自信家で、愛珠には成績やスポーツ、何でも勝っていたから今回もそうだと思っていたとのこと。
そこに颯の存在があるとは予想外だったってことか。
愛珠、初は俺のところに来なくなり、颯が俺の家に来たりするようになった。
颯はコナユキや叶羽とも仲がいいため、コナユキや叶羽を俺の家に呼ぶようにもなった。
叶羽もショックを受けると思いきや、叶羽に新しい彼氏ができていたらしい。
兄妹揃って恋人持ちだ。
颯と俺が学校でも二人でいれば、
「復讐してやる‥‥」
愛珠はカッターナイフの刃を出していた。
怖い。こんな愛珠知らない。
「颯さえいなけれな、愛珠は初にも勝っていた‥‥」
そうやって愛珠は颯にカッターナイフを向けた。
「危ない!」
「きゃっ」
颯を助けなきゃ。
颯‥‥。




