第9話
「あ‥‥あ‥‥」
チューリップは涙を流していた。
「わしは、柊チューリップの夫であり、菊ときえの父親だ。
みんな、妻が迷惑をかけてしまってすまない」
グレーボーイの正体は、きえと菊の父親であり、チューリップの夫であったらしい。
「やめてよ‥‥あたくしはあんたなんか嫌いなのよ。
婚姻届けとか出すつもりはないわよ」
「婚姻届けの願い出をするために来たのではない。
きえと菊の洗脳を解かしてもらうぞ」
「いいえ、させないわ」
「12とか13の若さで産み、夜泣きとかすれば放置したやつは誰だ?」
「言わないでよ!」
「オムツ替えとかも臭いからという理由でしなかったし、ミルクとか時間がかかるからと自身の親におしつけ、イヤイヤ期が来れば完全な親任せだったのは‥‥チューリップ‥‥」
「これ以上、言うんじゃない!」
チューリップは、炊飯器、アイロン、ストーブ、野球ボール、サッカーボール、パソコン、携帯電話、加湿器、ペットボトル、フランス人形、日本人形、フランスパンを投げた。
だけど、それを全部よけるグレーボーイ。
「あたくし、24歳だけど、子供なんていつできるかわからないのよ。あんななんかに盗られたくないわよ」
「盗る?そんな物欲みたいな感覚なのか?」
「男の子欲しいのに、生まれなかったのはあんたのせいよ」
「子供はどんな性別にしても、可愛いではないか」
「浮気してても妊娠しなかったのよ」
「君は、浮気してたのかね?」
「いいわよ。本当に取り返すつもりなら、まだ24だし、別の人との間に次の子を産みことにするわ。
まさか、グレーボーイとして活躍するなんてわかっていたら、子作りなんかしなかったわ」
「グレーボーイとしての活躍なら、小学六年生の頃からやっている」
「マジで!?」
「あたくしは騙されたということなんだわ」
「君の方が充分騙していると思うがね」
「年上のくせに、頼りないし、しっかりしてないし、年下のあたくしをフォローしてくれないし、包容力はないし、年収は低い」
「年収は結構、稼いでると思うが」
「たりないわよ。せめて一千万稼いでほしかったわ」
「一千万近く稼いでると‥‥」
「何よ?一千万近くなんて養えるわけないじゃない。
第一、何であたくしより年収低いの?
あたくしが専業主婦でいられる日はいつ?
しかも、専業主婦に家事や育児をおしつけるなんて頭おかしいのよ。
何で、あんたは働きながら育児や家事をこなす、なんてことをしてくれないの?
あたくしの無駄にした時間返してよ」
「返してほしいか?
わしは、今から57年前まで時間を戻せる」
「ほんとに?」
「ただ、菊ときえの洗脳を解くんだな」
チューリップが首輪を外し、きえと菊の洗脳を解いた。
「あ‥‥れ‥‥?」
「みんな、時間を戻すぞ」
「あたくしが小学一年の時に時間を戻してよ。最年少ママタレントになりたいのよ」
「ああ」
17年前まで時間が戻された。
やっほー、あたくしは7歳7ヶ月から子作りに挑むわよ。
あたくしは4月2日生まれだから、2月2日までに子供を産めるようになるわよ。
あたくしは彼氏を作り、2月1日から子作りに挑み、小学二年生の4月の春休み明けに妊娠が発覚した。
赤ちゃんの出産予定日が11月となった。だけど、妊娠6ヶ月で生まれたため7月に生まれて、保育器で育つこととなった。
あたくしは一年ごとに子供を産むことに決めた。
8歳の時に産んだ子供。長男。
9歳の時に産んだ子供。長女。
10歳の時に産んだ子供。二男。
11歳の時に産んだ子供。二女。
12歳の時に産んだ子供。三男。
13歳の時に産んだ子供。三女。
14歳の時に産んだ子供。四男。
15歳の時に産んだ子供。四女。
合計で8人の子供となる。15歳で最年少ママタレントの上に、子沢山としても、有名になった。
4人産めばもう、子沢山として世間から認められた。
全員を育てることなんかできないために、三男、三女、四男、四女を可愛がることにした。
中学生にして赤ちゃんの娘と、1歳の息子と、2歳の娘と、3歳の息子を、テレビや雑誌などで見せびらかすようになった。
あれから数年後。23歳になったあたくし。
子供たちは異世界に逃げたと思われる。絶対あたくしのものよ。
現在
長男 中学三年生。
長女 中学二年生。
二男 中学一年生。
二女 小学六年生。
三男 小学五年生。
三女 小学四年生。
四男 小学三年生。
四女 小学二年生。
末っ子は可愛いと評判でしたのよ。取り返してやるわ。
俺は、重扉。中学一年。
間扉と一緒にきえ、菊、スモモと三毛猫ワールドに来た。
間扉は、殺されると予言されて、その一年前に異世界に転送することとなった。
きえは小学六年生で、菊は小学四年生。
菊ときえはチューリップの子供ではなく、チューリップの妹タンポポの娘となった。
タンポポは7歳で初めて妊娠をしては8歳で長女を産み、10歳できえを産み、11歳で菊を産んだとのこと。
現在、タンポポは21歳。チューリップの2歳年下の妹ということになる。
姉妹揃って、よく小学低学年のうちから子供をのぞめたな。
タンポポは芸名で、最年少ママタレントに小学五年生の時からなっていたらしい。
そして、菊もきえも、時が変わったことにより、グレーボーイの子供ではなくなった。
タンポポとチューリップの母で、菊ときえの祖母は11歳でチューリップを産んで、13歳でタンポポを産んだらしい。
現在、祖母は34歳となる。若いおばあちゃんだな。
グレーキッズの正体は何なんだろう?
いまだにわかっていない。
間扉から「俺、重扉、軽扉も養子って知ってるかな?」
「どうゆうこと?」
「俺は6歳から養子に入り、軽扉は5歳から、重扉は4歳からなんだよ」
4歳の頃の記憶なんてあんまりないな。
その時、きえが
「次は、小学二年生の女の子が狙われることになったよ」
「また、チューリップ?」と俺。
「うん」
チューリップめ、どんなことをしようと、今は菊、きえ、スモモ、間扉、俺の5人がいれば無敵なんだ。
チューリップにこれ以上の悪事をさせるものか。




