第5話
「重扉、私戦うのこわい‥‥」
スモモが何故か震えていた。
「どうして?」
「信じたくないの。あの占いは絶対嘘だよ」
俺には意味がわからなかった。
俺は占いで出た初恋の人をいまだに思い出せない。
「スモモ、何が何だかわからないけど、きっと大丈夫だよ。
まだ占いが本当に起こるってわかったわけじゃないし、あれだけ少ない情報で何もかもわかるわけない」
「うん、そうだよね。よーし、三毛猫刈り隊を退治するぞって言いたいところだけど‥‥私、やっぱりきえに任せることにする」
「スモモ‥‥」
「私、きえと菊、どっちか大切か今までわからなかったけど、菊が一番好き。
女同士ってわかってるけど、恋愛として好き。
これが恋ってきずいたなら、菊を守るのが正解って思うの。
重扉、きえに事情は話しておくから、きえと二人で戦って?
私は戦うのこわいし、いつでも菊のそばにいたいの。
裏切るなんてさせないよ。
信じることができるように、私が‥‥。
私のやりたいことは、三毛猫を守ることじゃなくて、菊に近付くきっかけがほしいだけなんだよ。
重扉も自分の気持ちに正直になってよ。
自分の気持ちを誤魔化していたら、本当にやりたいこともわからなくなるからさ。
きえを守ってあげてね。自分を見失わないで。
きえはお姉さんだから、きっといろんなことを我慢してきたと思うの。
きえのこと、よろしくね。
今日はここに泊まらせてあげなよ。
私はこれで失礼するね」
言うだけ言って去って行くスモモ。
俺は野呂井さんと師匠の家に、1日だけ泊まることになった。
次の日。
「スモモから話は聞いたよ」
きえが来ていた。
「うん」
「スモモは頼りになると思ったけど、占いはその人の本質を見抜くんだよ。自分ではきずかない気持ちを引き出してしまうの」
「俺は引き出されていない」
「今すぐってことじゃないんじゃないかな?とにかく、行くよ」
きえと俺で三毛猫刈り隊の所に向かった。
「山は登れる?」
目の前に山がある。
「登れるさ」
「私の言うこと聞いてほしいの。
ミッケとマッケは、ここに囚われている。
アジトはここにある。
敵のアジトに向かえば、三毛猫も見つかるだろうかな?
カナシスタ、フトシスタ、ミッドシスタの三人組がいるの。
戦うことよりも、三毛猫救助を優先」
俺なんかにできるのかな?
二人で山に登り、登りきった。
途中、何度か落ちそうになったけど、きえに腕を掴まれ、助かる。
「やっと着いたよ」
随分、長かった気がする。
「残念やったな、お前らの命もこれでおわりやでえ」
目の前に三人組がいた。
きえの話によると、太った関西弁のおじさんがフトシスタ。
筋肉質の男がミッドシスタ。
ガリガリに痩せて敬語で話すのが、カナシスタ。
「生きては帰しますよ」
「帰すんだ」
「だだ、三毛猫は返しませんでえ」
「重扉、戦う準備はできてる?」
「うん。だけど、その前に‥‥」
俺は剣を構える前に大事なことがあると思う。
「どうして、こんなことをするの?」
「何やて?」
「三毛猫は何かしたの?」
「我ら、三毛猫のせいで元の世界に帰れなくなったからや」
「そんなの嘘でしょ?」ときえ。
「転送の力は、私もあるし、グレーボーイもある。ミッケもできるし、ボスもできる。
帰りたいなら、私たちを頼ればいい。
三毛猫を排除する必要はないはず。
ボスの言うことを聞くくらいなら、転送の力は珍しい能力でもないんだし、その人たちにお願いして、帰ればいい」
「わいたちが三毛猫を狙う理由‥‥」
「ストーカーしていることがばれないためよ」とミッドシスタ。
「浮気がばれないためや」とフトシスタ。
「DVしていることが世間にばれないためですね」
「「‥‥???」」
「わいら、三毛猫にばれるんや。
ばれたら、あかんや。
一回100股してたことばれたし」
「よくそんな人数と浮気できましたね」
「三毛猫ショップを浮気相手と言ったらばれたんや。
三毛猫がいなくなれば、三毛猫ショップもなくなる。
浮気がばれなくなるんや」
「あたしはストーカーしていることを、三毛猫カフェで写真撮影した時に、写真に写ってばれたのよ」
「僕は、彼女DVしていたら、彼女の飼っていた三毛猫が両親に危険を知らせて、DVをばらされてしまったんですよ」
「三毛猫はわれら、不幸の証」
「自業自得だよね?」
「三毛猫を滅ぼすしかないんや」
「その通りよ。三毛猫がいなくなれば、安心してストーカーできるわ」
「自分がやったことは反省してないんだ」
「こうゆう人たちは、ありとあらゆること、人や何かのせいにするから、話し合いなんて無駄な時間。
やっつけよう」
きえと俺で三人組やっつけた。
思ったより、弱かった。
きえと俺は敵のアジトになる洞窟に入った。
そこで俺たちが見たものはーーーー。




