第4話
結局来なかった。
だから、俺、菊、ミッケは三人で、
三毛猫専門の美容室、三毛猫カフェ、三毛猫ペットショップに行こうと菊からの強引な案で行くことになった。
菊は強引で、三毛猫専門の美容室に行けば店員に実現不可能なカットを押し付けてきたり、よくこの美容室ではクレーマーとして有名らしい。
三毛猫カフェに行けば、三毛猫を無理矢理抱っこしたり、
暴れる三毛猫たちを床に寝かしたり(ちなみにこのカフェの猫は人間の言葉を話さない)、
思い通りにならなければ猫を床に叩きつけるなんてことがあるから俺があわてて止めに入ったり、
菊が写真を撮ろうとしているのに動いたり、写真が綺麗に撮りづらい位置に猫がいるなんてなれば大声で泣き出したり、猫相手に「じっとしてよ」と怒りだしたから、
俺は菊が幼い子どもではないかと疑うしかなかった。
中学生ならあり得ないことばかり菊がするから。
明らかに子どもしかやらないようなことばかりだ。
三毛猫ペットショップに行けば、店員さんから「この子背が高いけど9歳なのよ」と言われた。
「9歳?」
「上のお姉さんに憧れて早く大人になりたかったみたいよ」
「どうしてその事を知っているんですか‥‥?」
「菊の同級生の母親なのよ」
なるほどね。
三毛猫ペットショップでも事件を起こした。
三毛猫の値段が高いために菊のお小遣いでは買えないとわかり、店員二人に殴る蹴るの暴力を振るった。
菊の同級生のお母さんと俺で止めに行く始末。
いくらなんでも幼すぎる。
俺は菊とミッケを連れて、お店を出た。
菊は猫がほしいとわめくのをやめなかったから、ミッケを抱かしてあげた。
ミッケが「苦しいにゃ」という程、菊は強く抱きしめた。
菊はいつになったら大人になるんだろうな?
入り口の前でしばらく待ち構えていたら、
三毛猫刈り隊がやって来た。
「憎き因縁、ここで晴らすにゃ」
「にゃー」と菊。
「あらあ、ミッケちゃんじゃありませんの?」
「この子はミッケじゃないよ」
「じゃあ、何て言うのかしら?」
「カリベリック・シャルベラック・ロバーツ・ロバートミエサー10世だよ」
「名前長っ」
「じゃあ、カリベリック・シャルベラック・ロバーツ・ロバートミエサー10世ちゃんは‥‥」
「よく覚えられたなっ」
「三毛猫かしら?」
「いいえ、雑種だよ」
「雑種だろうとなんだろうと三毛猫の血が入っいたら三毛猫なのですわ」
「ううん、トイレのう⚪こつけただけ」
「汚なっ」
「そうゆうこともありますわよね」
「あるの!?」
「三毛猫はこの街にいるのかしら?」
「みんなトイレにつまってる」
「このネタ好きだね!」
「では、トイレを拝見させていただきますわ」
「何それおいしいの?」
「美味しくないですわ」
しばらくしたら、「きゃー」というミッドシスタの叫び声が聞こえた。
「何や?」
みんなで駆けつけたら
「みんな‥‥見てほしいですわ」
そこには‥‥
「サメ!?」
トイレからサメが顔を出していた。
「やあ」とサメ。
「いやあああああああ」
ミッドシスタは失神した。
「てへ、サメしかけちゃった」
「危ないよ、他の人いたらどうするの?」
「あは、何それおいしいの?」
「なんか、むかつく‥‥」
「きっとトイレに三毛猫が隠れとるんや」
ミッケが目の前にいることきずいてない?
「よおし、三毛猫を探すにゃ」とミッケ。
「オー」とフトシスタとカナシスタ。
待て、目の前に三毛猫いるだろ?
ミッケ、菊、 フトシスタ、カナシスタで三毛猫をトイレで探すことになった。
俺はって?まず目の前に三毛猫いるだろ?
この人たち視力検査した方がいいんじゃないの?
「見つかんでえ」
「隠れ上手ですね」
隠れ上手じゃない。
君たちが見つけるの下手だよ。
わざとやってるの?
トイレには地雷が仕掛けられていたらしく、ミッケ、菊、フトシスタ、カナシスタは見事踏んだ。
凄いことは、地雷踏んでもアニメかのように何ともない。
髪がチリチリになるとか、灰まみれでけほけほと咳こむかその程度。
「あら?」
ミッドシスタが気がついた。
「きゃっ、三毛猫よーーーー」
「何?三毛猫、どこや?」
「目の前ですわ」
ミッドシスタがミッケを指さした。
「ほんまや、今までどこにいたん?」
さっきからいたよ。
「隠れていたのにばれたにゃ」
いや、そもそも隠れてすらいないだろ?
「三毛猫、覚悟しとき」
「きゃーーー、誰かーーー、女子トイレに男子いるわ」
「変態ーーーー」
複数の女の子たちがミッドシスタ、カナシスタ、フトシスタにハンカチ、買い物袋、化粧品や化粧箱を投げた。
俺は影が薄いのか女の子たちに目をつけられなかった。
「何で女子トイレに男子がいるのよ?」
「マジ変態じゃないの?」
そうだ、男子トイレか女子トイレが意識してなかった。
「下着を盗みに来たにゃ」
「えー、そうなの?」
「マジ変態」
「違うやでえ、そうやけどそうじゃないやねん」
女の子たちが物をまた投げ出したから、三毛猫刈り隊三人は窓を割って逃げ出した。
「ギリギリ助かったにゃ」
だけど、
「このトイレ、サメが顔を出している」
「こっちは、トイレ流してない」
「こちらは、トイレ壊れてるし」
「そう言えば、ボク罠いっぱい仕掛けてたもんね」
菊の仕業か、ロクなことしない。
いつかきれてやるからな。
今回は助かったけど、次どうなるかわからない。
三毛猫に何か恨みがあるのかな?
そうとしか思えなくなった。
ここまで執拗に追いかけるなら尚更だ。




