第4話
職場に行けば、犬野さんによく会う。
犬野さんも、いつかは結婚とかするのかな?
そんなことを私が気にしても、どうすることもできないけどね。
かねこちゃんのパパに思い切って会うことにした。
家から電車で三時間で行けるくらいの距離だったから。
「かねこちゃん、一緒にパパのところに行こうか?」
「ユウキちゃんが行きたいなら、行ってもいいよ」
さくらちゃんと祖父はお留守番にした。
一応、かねこちゃんのパパに「そっちに行ってもいいですか?」と電話で聞いたところ、「行きたいなら、いつでも行けば?」しか返事なかった。
私とかねこちゃんは、二人でかねこちゃんのパパのところに行った。
いざ、家についてみて、インターホンを押したら、かねこちゃんのパパが家を開けてくれた。
「どうぞ」
かねこちゃんのパパと、新しいママと、その子供がいた。
リビングまで案内されて、かねこちゃんと私、かねこちゃんのパパと新しいママとその連れ子で向かい合って座った。
「何の話かな?」
「かねこちゃんついて」
「その件なら、好きにしていいて言ったはずだ」
「好きにしてもいいって、自分の子供ですよね?」
「そうだが、子育てするのは俺の役目ではないから。俺はただ金さえ用意するから、教育費とか食費とか、子供のことで困ったら、遠慮なく俺を頼っていい」
「一応、養育費は出してくれるということですか?」
「一応、自分の子供だから、養育義務はあると自覚しているから、お金は出す。大学に行くとなっても、お金は出すつもりだ。だが、父親としての役目を果たすだけだから、教育するつもりはない。それは、母親のすることだと思うからな」
「それは、連れ子さんに対してもそうなですか?」
「そのつもりだ」
「やあね。男の人はただ、お金を出すだけでいいのよ。あたしは子育てするつもりないけど」
「子育てするつもりがないって・・・」
「その連れ子とやらも、欲しかったら、もらってもいいのよ」
「そんな、子供は物じゃないんですから」
「あたしにとっては邪魔な存在よ。あたしはその子のせいで、港区女子をやっても、なかなか結婚相手が決まらなくて、アラサーになっても結婚できなかったらどうしようと焦っていたけれど、今の旦那があたしを選んでくれたわ。
でも、あたしは遊びたいし、優雅な専業主婦生活を送りたいんですの。もらってもいいわよ。
むしろ、そうできるのなら、そうしてほしいわ」
連れ子と言われる子供は、黙りこんでいた。反発する様子もない。
「なら、私が引き取ります。他に子供はいらっしゃいませんか?」
「あたしの子供はこの子一人よ。本当ならもう一人いたけれど、一年前に死んだわ」
なんか、冷たい。
何だろう、この夫婦は。




