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英雄に憧れた少年は!!!魔王になる???  作者: 寝巻小唄
デスペラード編
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デスペラード編 第37章〈ならず者Ⅶ〉

毎週日曜月曜のどちらかで投稿させていただいております。


面白かったり興味があれば星やブックマークをしてお待ちいただければ幸いです。


その他の詳細は後書きにて書きますそれではお楽しみください

フラウが不思議な夢を見た翌朝、彼女はグリフォンの子供につつかれ起こされる。


「な、ん…そっか昨日泊めて貰って…」


不思議な夢を見たせいか、一瞬グリフォンの子供に警戒をしてしまい、まだ寝ぼけてるな~とフラウは思う


「昨日の続き、遊んでって言ってますよ!」


フラウよりも早く起きていたバルドが汗だくになりながら彼女に声をかける


「おはようございます!フラウさん、よく眠れたみたいで!」


「お、おはようございます!どうしたんですかその汗!」


バルドの異様な汗の掻き具合にフラウは驚き、何かあったのかと心配する


「ああ、ちょっとグリフォンに稽古を着けて貰ってて、そうしたら子供達が起きてきてそのまま遊んでました!」


疲れた~とバルドは腰を落とし、バックから瓶にはいったポーションを取り出す。


「二匹と少しだけ遊んであげてください!俺はちょっと休憩で…まだ時間大丈夫ですよね?」


「え、ええ多分…」


『まだ朝の7時だからあの二人と決めた集合時間まで後2時間は余裕あるよ!だからフラウも二匹と遊ぼ!』


パタパタと羽を動かし、フラウの契約妖精のハルがフラウの手を引き、二匹の元に連れていこうとする。


「ハル、起きてて平気なの?いくらピュートンさんに魔力を貰ってるからって…」


『平気だよ!!なんかね!バルドちゃんが近くに居ると平気なの!凄いよね!昨日からずっと居るけど疲れないし、スッゴい不思議な感じ』


えへへと笑っている彼女を見てフラウは昨日見た夢が頭をよぎり、ドクンッ心臓をならす。


夢にしては鮮明で、町に見覚えはないがハルが冷たくなっていく感覚が夢から覚めても離れなくて、その恐怖をフラウは思い出してしまう


『どうしたのフラウ?』


両の手を固く握っていた所に小さなハルの手が触れフラウの両手の力が抜ける


「だ、大丈夫だよ!ちょっと怖い夢見て…」


フラウがそう言うと、『そっか』とハルは小さく呟き、『大丈夫だよ!』と満面の笑みをフラウに見せる


『そんな怖い夢もぜーんぶ皆が何とかしてくれる!アタシも何とかする!だから安心していいよ!』


ハルのその暖かさは夢に出てきた光のようで、彼女の不安を消し去っていく


「フラウさん、なんの夢を見たのかは分かりませんが、彼等と遊んであげてください!きっとその怖い夢も彼等が癒してくれますよ!」


事の成り行きを見ていたバルドは暖かな笑顔でフラウにそう語りかける、今まで彼女に優しくするのはハルか同期の三人、そしてピュートンだけで、新たな友人にフラウは胸が暖かくなるのが分かった。


「そうですね!時間いっぱい遊びましょう!」


そう気を取り直してフラウは二頭と遊び始める、不安完全には拭い去れないが、きっと大丈夫だとそう言い聞かせて…


〜〜 〜〜 〜〜 〜〜 〜〜 〜〜


(伯父上が言ったことは本当なんだろうか…)


魔法学園都市ガーデン伯父の家を訪れていた茨の騎士(ナイトオブホーン)ことジェーンは昨晩伯父に聞かされた衝撃の事実に頭を悩ませていた。


伯父が話したことは主に二つ…


一つ目は人類最高到達点であるSランクには隠されたランクが存在する事


もう一つは…魔王に関する事


彼女は伯父の話しを聞き自分の耳を疑った。


人類最高の勇者に次ぐとされるのが、英雄と呼ばれる者や、Sランクの冒険者、そしてロブロム王国では、疑似勇者がそれに当たる存在だった。


しかし、疑似勇者にも優劣があるように、冒険者のSランクや英雄にも優劣があるのだと、その優劣は魔王を倒せる実力があるかどうか、それがSランクに上がれる最低ラインだと伯父はジェーンに語った。


そう、魔王を倒せることが、最低ラインなのだ…


それは国を揺るがすほどの厄災である魔王が、まるで取るに足らない相手だと伯父は言っているようで実際そうだったのだ。


「魔王を倒せるのが最低ラインって!伯父は魔王以上の驚異が居るとお考えなのですか!!」


ジェーンが声を荒げるのも無理はない、彼女は今現在そのスタートラインにすら立てていないと師である伯父に言われたのだ。


「ジェーンお前は強いよ、自身をもっていい、だがなこの世界には未だにお前が出会っていない驚異がある、いや出来れば出会わないでくれ、あんなのに出くわしてしまったら命がいくつあっても足りないからな」


「そんな存在が本当にいるんですか!」


「いるさ、ずっとこの世界に居るんだアイツは…」


伯父は震えた声で語り出す、彼が家を出て旅した先で出会った怪物の話を…


伯父が若い頃まだAランクの冒険者だった伯父はある任務で聖王国ダーハールムの聖騎士達と一緒に魔の森に入った。


そこには考えられないほどの強さを誇る魔王クラスの魔獣や魔物が居てSランクに上がった今でもあの森を制覇することは出来なと悟っているらしい、しかし伯父が出会った魔物や魔獣はその後にあった者に比べれば赤子と変わらぬと伯父が語る


「あれは勝てる勝てないの話ではない、あれの機嫌を損なわないように、ただワシらはひっそりと暮らさねばならない、あれの機嫌を損ねたら人類は終わる」


そう確信をもって伯父は話す、伯父がその森出であったのは1人の黒に白髪の混じった青年だったと、しかしその後ろには伯父達や聖騎士が必死で戦った魔王クラスの魔物達のが山のように積み上げられていた。


「そこである騎士が声をあげたのだ、貴様は誰だと、しかし次の瞬間声をあげた騎士の首は胴と切り離されておった」


一瞬、本当に一瞬の出来事に誰も反応できずそして強烈な恐怖が後からその場を飲み込んだ。


「だが騎士の隊長は冷静に状況を判断しそして耳を疑う言葉を言ったのだよ」


「すみません、あなた様の居住近くまで来ているとは露知らず、この者の首だけで勘弁してはくれないでしょうか?」


そう騎士の隊長は自ら頭を下げ、目の前の得たいの知れない青年に深々と丁寧な謝罪をしたのだ。


「次はないよ?僕だけじゃなく今回は彼女達も怒っているんだ、森を不用意に荒らさないでくれ、間引くのは僕たちがやると言っただろう?」


「ですが市民が魔獣の声に怯えてしまっ…」


「怒らせないで?君らの国があるのは誰のお陰だと思ってるの?」


どす黒い負の感情が騎士や伯父達を包む混み誰一人としてその場を動けずに居るた。


「もう殺そうよ!」


「そうよお父様!お母様が苦しんでるのにコイツらは自分勝手だよ!」


森の中に鈴の音の様な声が響き渡りその場の全員が背筋に悪寒を走らせたと伯父は言う


「ダメだよ、忠告はしたから後は帰えそう、次またなんかやったらただじゃおかないって教皇に伝えておいて」


その一言を残し青年は闇に姿を消し、鈴の音の様な声の二人も「ちぇっ」と残念そうにその場を後にして伯父達は命を繋いだ。


「そしてワシは教皇に聞いたのだ、あれはなんだったのかと!」


「なんだと言われたのですか?」


そして帰って来た言葉に彼女は絶句した。


「魔王だよ本物の、人類が驚異にしている魔王など比べるまでもない比類なき絶望の根元…」


この世界に定期的に現れる魔王とは違いその驚異は既に人類ではどうする事も出来ぬほどになっていて、そして今現状その存在に勝てる人類などこの世のどこにもいないと伯父はそう語った。


「だからワシは冒険をやめここで研究を進めているのだ、いつかあれが人類に牙を向いたとき対処できるように…」


伯父は彼女に戻る道を示してくれた、彼女をジェーンを心配し守る為に、しかし彼女は胸に固く誓ういつの日にかそんな魔王とさえも戦える力を持つと…


〜〜 〜〜 〜〜 〜〜 〜〜 〜〜


「首尾はどうだ?」


「問題なく今日作戦を始めるので?」


水晶の中には見知った顔の人物が居る、盗賊を隠れ蓑にしている疑似勇者の深い青色の髪の男はその男に持たせた推奨を通じ通話をしていた。


「ああ商人が昨日の殺られていた、そのうちここもバレる、今の家に王国の貴族に商品を流して証拠を消す」


「それなんですが明日まで、いや今日の夜まで待っていただけないですか?」


「何でだ?こっちだって急いでんだ、いつ商人をやった奴が来るかも知れねーのに悠長にしてられるか!」


男は焦っていた、自分の悪行がバレれば()()()にも迷惑がかかる、もし生き延びれたとしてもあの人は失態した人間を赦しはしないだから男は焦るのだ、疑似勇者騎士団の第5騎士団長の顔を思い浮かべながら


「妖精を連れた女を確保できます!これは高く売れるのではないですか?」


「なに?」


その言葉を聞き青髪の男の表情が変わる、貴族連中には変態が多い、幼女好きに獣人好き、妖精好きなんかも多いそんな奴等は大金をはたいて妖精を買うだろう、今では楽しむことの難しくなった妖精を…


「分かった今日の夕方迄に来い、夜にはここを出るぞ!」


焦る気持ちはあるが、目の前の大金や自身の功績を前にして男は欲望に忠実だった、彼等は己が為にしか動かず、己が為に悪事を働く第五騎士団員なのだ。


「それじゃ頼むぞ!」


そうして男は通話を切りほくそ笑む…


(これが終わったら俺が副団長だなこりゃ)


自分の輝かしい未来を想像して、男は笑う、その先に待っているのが絶望だとは知らずに…


〜〜 〜〜 〜〜 〜〜 〜〜 〜〜


「それじゃあそろそろ行きます!」


「ありがとうございました!」


『ありがとね~』


フラウとハル、バルドは時間になりグリフォンとの別れをが来る


「ピュイ~」


「ピュー」


二匹の子供のグリフォンが三人に別れを惜しむように頬擦りをして来て、短い間とはいえかかわり合ったフラウは少し悲しい気持ちになる


「ピューーーン」


母親のグリフォンが何かをそう叫ぶと、「え!?いいんですか?」とバルドが何かを聞いたようだった。


「母親のグリフォンが二匹に名前をあげてほしいらしい、グリフォンには名前がないのが普通だけど子供の頃に名付ければ定着して、名付け親の姿に似せられる魔法を習得するそうですが、どうします?」


それを聞きフラウは今朝見た夢を思い出す、光の正体は分からないがもしかしたら彼等は本当に夢に出てきたあの二人の魔人だったのではと


「着けたいです!」


運命を感じフラウは即答しバルドと二人で一匹ずつに名付けた。


メスのグリフォンはリフォンとバルドが名付け冷たい目線をフラウやハルに向けられたが、彼女が気に入ったので良しとする事に


オスのグリフォンにはノーブルと名付けられ此方もまた気に入ったようで喜んでいた。


「『いつか強い戦士になってお前達を助けられるように俺が鍛える!』だそうですよ!」


奥さんにびくびくしていたグリフォンは最後だけはと格好付けたようだが奥さん堪に触ったのかどつかれていた。


そして三人は別れを告げグリフォンの寝床を後にする


「それじゃ俺もこれで!又何処かでお会いできたらよろしくお願いします!」


残りの二人と合流した後バルドはそう告げると、森の中に消えていく。


「俺らも帰るか」


そう言いカビタを先頭にビシュウとフラウは森の外に向け出発をした。

本日二話目です!この後どうなるのか!


フラウが見た夢は何だったのか!あの水晶の向こう側の男はまさか、、、


と言うところで今回は終わりです!次回も気楽にお待ちください!


それではまた!…そうそう近いうちに別に作品も投稿し始めますのでよろしければそちらもチェックいただければ幸いです!


始まるタイミングはTwitterにて報告しますそれではまた次回!!バイバーイ

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