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英雄に憧れた少年は!!!魔王になる???  作者: 寝巻小唄
デスペラード編
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デスペラード編 第35章〈ならず者Ⅴ〉

毎週日曜月曜のどちらかで投稿させていただいております。


面白かったり興味があれば星やブックマークをしてお待ちいただければ幸いです。


その他の詳細は後書きにて書きますそれではお楽しみください

(やっぱり!さっきから本気で攻撃してこなくなってる!俺が耐えられる様に少しずつ調整してる!)


グリフォンは先程からバドンらを本気で殺そうとはしていなかった、その証拠に彼等がギリギリで反応出来るような攻撃速度で攻撃を繰り出していた。


バドンはその事に一対一を仕掛けてから直ぐに気づいた、ドラゴンを刈ることのできる空の王者…


何故彼がここに居るにかはバドンには分からないが、常人には理解できない、彼だけが聞くことの出来る言葉でグリフォンが本気で自分達を相手取っていないことが分かった。


『これならどうだ?!おお!!防ぐか!ではこれなら?成る程!そう流すか!』


グリフォンの嬉々とした言葉が頭の中に流れてバドンには聞こえてくる


「くっ!!!」


しかしグリフォンの言葉を理解できてもこちらから話す術はない、今はただ全力でグリフォンから繰り出される攻撃を防ぐしかできなかった。


『フム…この黒髪、魔力量は古龍と同程度、それにしては魔力操作は先程の妖精の巫女よりも数段落ちる…人間で言えば良くて深淵の魔術師(ソーサラー)、悪くて魔術学者(セイジ)と言ったところか…歪だな』


右からは鋭利な鉤爪、上からは無詠唱で放つ火炎魔法、左からは威力にある尻尾を、攻撃の手を一切緩めずグリフォンがそんな事を言っている


バドンはその一つ一つを後ろで魔法の盾を張って耐えている妖精付きの疑似勇者であるフラウの負担にならぬように器用に彼女が耐えられるだけの攻撃を反らす。


なるべくなら反らして被害を少なくするにではなく、攻撃をうまい具合に殺し被害を失くしたい、出来るのであれば攻撃を()なしカウンター攻撃を仕掛けたいのだが、今のバドンの技量ではグリフォンには到底そんな事はできない


バドンを死に追いやった魔人や、今まで戦ってきたどの魔物や魔獣とも比べ物にならない、空の王者である最強が今目の前に居る。


いくらバドンの剣の腕が達人級だろうと、結局それが通用するのは自分より少しだけ格上かそれより下の実力者達だけ、この世界に居るのはそんな非力な人間達や、知能が人間より劣る魔物達だけではない、それは目の前に居る今の闘いを心底楽しんでいる魔獣が無情にも突き付けてくる


「ピュイイイイイイイイイイイン」


ズガァァン


『どうした黒髪!お前はまだやれるだろう!』


「はぁ…はぁ、うぐっ」


何度目かも分からぬ攻防の末バドンは攻撃をうまく反らせずダメージを負ってしまう


(うるせぇ…わかってる…)


心の中でそう強がっていたが、いつ終わるとも知れぬ攻防に心身共にバドンは疲れ始めていた。


(あれをやるしかない…俺や後ろの三人が助かるには俺がグリフォンに認めさせなくちゃいけない…)


バドンは繰り出されるグリフォンの鉤爪を受け流すのではなく避けながら頭の中をクリアに、そして自信に宿る魔力を大雑把に放出し始める


『血迷ったか!黒髪!』


グリフォンの声が頭に響く


『そんな事したらだめ!!』


「バルドさん!!そんなに魔力を放出したらッ!」


後ろからはフラウとその契約妖精の声が聞こえてくる、しかしもう彼にはこれしか残っていない


バドンと戦っているグリフォンや、後ろで見守っているフラウ達が驚くのも無理はない、この世界には無機物にさえ魔力が宿り、生命ある者は魔力(それ)にすがり生きてきた。


魔力が体内から無くなれば、体の自由が奪われ最悪死ぬ事だってあるそれがこの世界の理…


それでも彼等は知らない(バドン)が今この世界で唯一魔力(それ)を必要としなくても動けることを…


〜〜 〜〜 〜〜 〜〜 〜〜 〜〜


『なっ消え!?』


グリフォンは目の前で()()()魔力枯渇(マナロスト)をした生きた生物を目撃した。


マナロストは死んだ者にしか起こらないと強者(グリフォン)は思っていた。


それは彼が最強である空の王者であり、獲物は全て直ぐに殺してしまうからだ


そして死体は何故かマナロストをしても鑑定眼越しに()()()()()()


強者(グリフォン)はそれ故生きてきた中で鑑定眼を外したことがなく目の前で起こった現象を正しく認識できなかった。


〜〜 〜〜 〜〜 〜〜 〜〜 〜〜


『ウソ…』


「どうして…」


彼の後ろで盾をはっていたフラウや契約妖精のハルは目の前で起こっていることに驚きを隠せないでいる…


彼が目の前でマナロストをした事で二人は急いで鑑定眼の効力を切る


フラウは疑似勇者の授業で習っていた。


マナロストをした人間は生きた状態では鑑定眼越しには見えないことを、冒険者局(ギルド)で起こってしまった悲痛な事件、マナロストで動けなくなった者の捜索中鑑定眼を使用してた事が原因で発見できずに死なせてしまった。


ではどうやってその遺体を発見できたのか…


生きてマナロストをした者は鑑定眼を使用した状態では認識されない、しかしその冒険者達が捜索を打ち切り帰っている途中にその遺体を発見する、捜索で通った道、分かりやすい場所にその遺体はあった。


そう死んだ肉体なら鑑定眼越しにも認識できたから


だからギルドでは、行方不明の冒険者が生存している可能性のがあるときは、鑑定眼を外した者と使用するものの二人行動で捜索するのが主流になった。


そしてフラウは知っている、教官であるピュートンとの模擬戦で幾度となくマナロストを経験して、それが少しの間だけでもどれ程の苦痛なのかを…


だから目の前で起こっている事を理解できない…


マナロストをして立つ事すら困難な筈の目の前の彼が、先程のグリフォンとの戦闘で見せた速度と()()()()()速度でグリフォンに攻撃を仕掛けに行くのを


〜〜 〜〜 〜〜 〜〜 〜〜 〜〜


『そこか!!』


グリフォンは周囲の精霊の動きを見て、ぽっかりと空いた穴のような場所に攻撃を仕掛けるが、当たった感触がしない…


「ここだよ!」


攻撃した場所からほんの少し後ろのところかならそんな声が聞こえグリフォンの右前足を切り付ける、その攻撃は先程よりも重く、見えない相手にグリフォンは眉をひそめ、怪訝な顔を見せる


『…何をした黒髪、お前の力量を俺は見誤っていなかった筈だ…』


自身の右前足に出来た傷を見ながら何処にいるかも分からない相手にグリフォンは問いかける


その問い掛けが帰って来ることはない、グリフォンは人間の強者と幾度となく闘い、そして何度も問いかけるがついぞ自分の言葉を理解できる者は居なかった。


人間の間で囁かれて居た獣と心を通わす獣使い(ビーストテイマー)でさえ自身の言葉を理解できなかった。


帰ってくるはずがない…


理解できるはずがない…


「ただ俺の覚悟があんたの予想を少しだけ上回っただけだよ」


その声がしたと同時にグリフォンは瞳を閉じ来る筈の衝撃を待ち構える


自分の問いかけにやっと答える事ができる者が居た、しかし彼と語り合うことはもうできない彼を敵と認識し彼も自分を認め敵として戦い、そしてグリフォンは彼の手で殺されることを望んだ。


しかし覚悟した衝撃はいっこうに来ない


「あんたはただ護りたい者が居たから俺達を攻撃してきたんだろ?それにあんたからはずっと優しいマナが流れてた、もう終わりにしよう」


その聞こえグリフォンよりも遥かに小さく暖かく手の平が衝撃の代わりに彼の胸元に優しく触れる


「フカフカだなあんた」


触れられた感触がしてグリフォンは瞳を開き胸元をを見るとなにも無かったその場所から徐々に光を伴い黒髪の青年の笑顔が映る


『我らが自慢の毛だいくらでも触れ…俺は貴様に、黒髪に負けた煮るなり焼くなり好きにしろ』


雄々しく立っていたグリフォンは足を曲げその場に座る


「そんじゃお言葉に甘えて」


それだけ言うと黒髪の青年はグリフォンの羽毛に顔を埋めて気持ち良さそうにし始める


〜〜 〜〜 〜〜 〜〜 〜〜 〜〜


グリフォンが座り始めバルドが近づき触れてるのを見て、フラウはゆっくりと彼等に近付く


「お、終わったんですか?」


『アタシもやる~♪』


先程とは違いオドオドした様子でフラウはバルドとグリフォンのすぐ側まで来てバルドに確認を取った。


「終わりましたよ!彼に俺の方が強いと認めて貰いって矛を納めてもらえました!」


『フカフカだ~』


グリフォンに顔を埋めたバルドの言葉にそっと胸を撫で下ろしながら、ハルの豪胆さにきもが冷えるフラウはアワアワと心配そうな目で二人を見ている


「ピュィ」


小さくグリフォンが鳴くとフラウは体をビクリと震わせた。


「フラウさんも触るか?って聞いてますよ、どうします?」


「わ、分かるんですか?グリフォンの言葉…」


「ええ、まあ」


彼と会った時から節々にその兆候は出ていた。


そして今やっとフラウは理解する、彼の周りの精霊が先程から彼とグリフォンを行き来して居るのが()()()()()本当に言葉を理解しているんだと


「お、お言葉に甘えて」


そしてフラウもぎゅっとグリフォンに抱きつきそのさわり心地のよさに顔をトロンと破顔させながら味わった


〜〜 〜〜 〜〜 〜〜 〜〜 〜〜


「あの魔獣少しだけ分けてくれないか?全部じゃなくていいから」


グリフォンをたっぷり堪能したバドンは交渉に入る


『好きなだけ持っていけ、俺はお前に負けたのだ、あれの所有権もお前にある』


「そっか…」


とバドンは少しだけ考えて、後ろで不貞腐れて居るカビタとビシュウの元に歩み寄る


「キマイラの部位に剥ぎ取りだけならいいそうだ、それで試験に合格できるだろ?」


バドンの言葉にカビタは鬱陶しそうに睨んで「大丈夫だ…」とそれだけ呟く


バドンはそれを聞いて再びグリフォンに未だに埋まっているフラウや妖精の元に戻る


「部位だけで試験合格出来るみたいですし、他全部彼にあげても?」


バドンの言葉にハッ!とフラウは我に帰り「だ、大丈夫です!」と返事を返す


『本当に良いのか?あれをもらって?』


グリフォンがそう聞き返すが


「元はあんたが刈った物だってフラウさん、そこの人から聞いたよ!向こうの二人にも許可取ったし大丈夫!」


バドンの言葉に『ありがとう』とグリフォンは嬉しそうに羽を羽ばたかせ『そうだ!』となにか思い付いたようにグリフォンはバドンに提案する


『お前さん方、今日はもう暗くなるし俺の寝床に来ないか?俺のテリトリーに近付けるものはここら辺には早々居ないから野宿をするよりも安全だぞ?ここからそう遠くはない』


「フラウさん達にも聞いてみるよ」


グリフォンの突然の申し出にバドンは少しだけ考えフラウ達に相談する


「わ、私は行きたいです!」


『アタシも~グリフォンも居るし何よりバルドちゃんが居るからぐっすり眠れそう!』


「俺とビシュウはパス、なにされるか分かったもんじゃないし…」


「獣と寝れないですもん臭いし…」


意見が別れては居るが、片方は一応疑似勇者と候補生なので二人でも大丈夫だろうとフラウとバドンはグリフォンの寝床にいく事にした。


一応二人もテリトリーないであればグリフォンを恐れて他の魔物がよってこない筈なのでテリトリーで野宿することを許可された。


こうしてバドンやフラウの長い一日はようやく終わりを迎える

前回…すみません時間書いてなかったです。


大体20時に投稿するのでその時に更新してるかな~と覗きに来てもらえれば…


それと今回二話投稿したかったのですが都合が付きませんでした申し訳ないです。


と言うことで今回はどうでしたか?グリフォンとの戦いの決着そして次回何故グリフォンがここに居るのか、それが終わったらいよいよデスペラード編最後の戦いが始まります!どうぞお楽しみ!


ではまた次回までバイバ~イ

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