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英雄に憧れた少年は!!!魔王になる???  作者: 寝巻小唄
デスペラード編
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デスペラード編 第32章〈ならず者Ⅱ〉

毎週日曜月曜のどちらかで投稿させていただいております。


面白かったり興味があれば星やブックマークをしてお待ちいただければ幸いです。


その他の詳細は後書きにて書きますそれではお楽しみください

魔物の森と呼ばれる、ロブロム王国の森に隣接する疑似勇者騎士団が試験で訪れる森がある、この森は魔物の森に隣接されている事からよく魔物の森の一部と誤解されがちだが、ここは至って普通の森だ。


しかし魔物の森に隣接してしまっている所為か時折魔物の森から強力な魔物が入り込んでしまう、だがこれに目を付けたのがロブロム王国の二代前の国王、彼はロブロムの歴代の国王たちとは違い民を想い民を愛する賢き王だった、それ故彼は当時他国と変わりない実力だった騎士団の団長と話し合い騎士団員全体の力を底上げするための訓練場として森を使った演習を行った。


そのおかげかそれは彼の次の国王、今の国王の一代前の国王の時に騎士団員達はその力を開花させた、それを見た前国王は騎士団に疑似勇者の名前を授け、こうやってできたのが今や他国が一目置くほどの世界最強の騎士団、疑似勇者騎士団というわけだ。


「…ってのが疑似勇者騎士団の誕生秘話だ、そして疑似勇者騎士団が出来て4年目に前国王が亡くなり俺らみたいな荒くれ者共も騎士団員に成れる様に立ったわけだ」


酒気を帯びた状態で騎士団鎧を着て身なりの整った深い青色をした髪の男はスキンヘッドの男に騎士団の成り立ちを話していた。


「へぇ~それって俺もなれるんすかね?お頭よりはよえ~けど腕に自信はありますぜ俺!」


スキンヘッドのポージングしながら右腕に力を入れて有るのか無いのか分からない力こぶを見せて冗談めいて騎士団の男にそういうが「ガハハハッ」と笑い飛ばされてしまう


「ひでぇ成れるかもしんないじゃないですか!」


「おめぇ~じゃ成れねーよ!あれはバケモノの巣窟だ、騎士団長クラスはみんな上級竜種(ドラゴン)を一人で討伐できる上に第一騎士団長はその上の属性超級竜種(エレメントドラゴン)三体を相手取って圧勝するほどのバケモノだ」


それを聞かされてもスキンヘッドの男はピンと来ていない様子、それもそのはずドラゴンが最強なのは周知の事実だが、その上に居るエレメントドラゴンなどは滅多に見ることはなく、ましてエンシェントドラゴンは伝説上の生物としてしか一般には知られていない。


「ちっとも分かりやせんぜ?ドラゴンが強いのは分かりやすがエレメントはどれぐらいの強さなんで」


スキンヘッドの男はどちらも同じドラゴンだろうにと考えてそんな事を騎士団の男に聞く


「あ~分かんねーよなしゃーなし、分かりやすく言うと10年前?11年前ぐらいに出てきた魔王がいるだろ?あの魔王よりドラゴンのが少しばかし弱い、がエレメントはあの魔王を瞬殺できるくらいには強いって言えばわかりやすいだろ?」


「な、なるほど」


騎士団の男にそう言われスキンヘッドの男は納得する、スキンヘッドの男は昔冒険者をしていたが、彼は魔王との戦いで敵前逃亡をして今やこの盗賊団に居る、彼は魔王を間近で見ている、自身では勝てないと悟り当時戦争の指揮を執っていた指揮官に魔王を押し付けて命からがら逃げた。


その魔王の強さを知っているが故にどれほど異常なことを今の第一騎士団長がやっているのかが分かった。


「ふぃ~やりまくったぜ!次やんのかガズ」


そしてちょうど話が終わったところに奥の扉からズボンを直しながら大柄な男が出てくる


「俺はいいよてめ~がやってたのって獣人のガキだろ?俺はエルフの女が空くまで待つわ」


「そうか?気持ちいいのに、お頭は…」


「やらん下世話な話をするな酒がまずくなる」


先ほどまでとは打って変わって騎士団の男が不機嫌になるのがスキンヘッドの男には分かった、そして大柄な男もそれを感じたのか、「うぃ~」と返事をしながら小屋の外へと出る


「遅いっすね商人」


「あと一時間で来なかったらこっちから探すわ」


この小屋で彼らが動かずにいる理由がこれだった、彼が所属する騎士団の団長が重宝している奴隷商人を待っているのだが約束の時間をもう一時間も過ぎていたが、これはいつもの事他で奴隷を見つけてから大体奴隷商人はやってくる、それを理解していたから騎士団の男の対応は遅れた。


この対応の遅さが招かれざる客を呼ぶとも知らずに


 〜〜 〜〜 〜〜 〜〜 〜〜 〜〜


フラウ達のパーティーが森に入り1日が経とうとしていた。


「全然見つかんないじゃーん!先輩ぃ~お風呂は入りたいし帰りたいよぉ~」


「すまないビシュウ、討伐試験を途中で切り上げるには5日経たないといけないんだ」


カビタの言葉にビシュウは「えー」と疲れたような顔で返事をして、それに対してカビタは「ごめんよ」とすり寄りいちゃつき出す。


「討伐試験は疑似勇者本試験の中でも最も受かりやすい試験です、1日2日でなれる対人戦闘試験や偵察試験等のハイリスク、ハイリターンの試験とは違いローリスク、ハイリターンで疑似勇者になれる試験です、その分日数が掛かるのは承知の上でビシュウさんも受けてるはずですよね?」


フラウの言葉にイチャイチャとしていた二人は怪訝な顔をしてフラウを睨む


「あんたら後輩がどんどん先輩のうちらより先に札を外すなんて論外なんだよ、飛び級制度は一部の人外の為に作られた制度だあんたみたいな他人のちからしか使ってないような勘違い女が使って言い制度じゃねーんだよ!」


「ビシュウの言うとおりだよ、それに俺だって面白くねぇ、俺より後から入ってきた屑の癖に俺より上の地位にいるピュートンも、君の同期二人も天才である俺を差し置いて目立ちやがって…」


ブツブツと恨み辛みの言葉を吐くカビタに「先輩可哀想ぉ~」とビシュウが抱き付き二人は再びイチャイチャと二人の世界にはいる


『フラウ!これじゃ探索進まないね~昨日からずっとこの調子で、夜は獣みたいな声上げで本当にお下劣な二人だよね~』


フラウの顔の回りをパタパタと飛びながら彼女の契約妖精であるハルは、満面の笑みを浮かべながら二人に聞こえるような声でフラウに語りかけるが、二人は自分達の世界に入り込み気付いていない


「知らなかった、まさかハルがなんかしてくれたの?」


フラウは昨日眠りについてから今朝になるまで1度も起きなかった、森の中にも関わらずなんて警戒心が無いんだと彼女は自身の図太さに嘆いたが、実際は自分の友であるハルのお陰だったことに彼女の言葉で気付く


『そうだよ~アタシ達が睡眠を必要とするのは魔力切れを起こしたときだけだから!今はピュートンさんとシラユキちゃんのお陰でピンピンしてるし、フラウが安心できるようにサポートするからね!』


パタパタと羽を動かす愛らしいハルの姿にフラウは先程から感じていたイラつきが和らいだのが分かる


「ピュイーーーーーーー」


その瞬間だった、耳の奥の鼓膜に激しい甲高い獣の声が突き刺さる。


「うそ…だろ」


青ざめた様子でカビタはその声のした方を凝視しする、それにつられてビシュウも恐る恐る彼が見てる方に目を向ける。


「避けてください!!」


その異変に最初に気づいたのはフラウだった。


フラウの叫び声にカビタの身体は反応しビシュウを抱えてその場からすぐに飛び退く


ズガガガガガッ


彼らが先ほどまでイチャ付いていた場所は高温の炎にドロドロに溶かされていた。


「グオオオオオオォオン」


「さっきとは違う声、向こうで何か戦ってる?」


フラウは先程熱光線が飛んできた森の奥で何かしらの魔物が2体戦っているのが()()()


「カビタさん私先にいきます!ビシュウさんの行きが整ったら追い付いてきてください!」


そう叫ぶとフラウは駆け出そうとする


「待て!見に行く意味はないだろ!?」


フラウの姿にカビタは直ぐに我に返りフラウを静止しようとしたが彼女は駆け出しながらカビタに聞こえる声で


「討伐対象です!!!!」


と叫びその場を後にした。


「はぁ?!ここから見える分けねーだろ!()()()()()()()()()()()()()()()()()


カビタにはその姿は認識できない、恐らくあの熱光線は200メートル以上先から放たれた攻撃、深く暗い森の中でその姿を認識できるはずがなかった、ましてや今日は辺りを暗くするほどの曇天模様だった。


「何が見えたんだよ…クソッ」


カビタは放心状態のビシュウを正気に戻しフラウが走り去った先に向かう


(もしも本当にアイツが見たものが討伐対象なら、俺が請け負った()()と内容が違うだろ!!)


内心でそう吐き捨てながら…


〜〜 〜〜 〜〜 〜〜 〜〜 〜〜


「バ~ルド!!今日は何受けるんだよ!先輩が手伝ってやろうか!?」


企んだ笑みを浮かべながら緑色の髪をしたAランク冒険者のディルフォードは、自身を打ち負かしそして彼の恩人の息子であるバドンから剣を習ったと言うバルドに後ろから肩を組むように飛び付く


「ディルフォードさん!毎回毎回何ですか!?一人で大丈夫ですって」


肩を組まれた本人バルド(バドン本人)は冒険者になってから毎度毎度突っかかってる彼に少しだけ嫌気が差していたが、彼の憎めない性格の所為で大体許してしまう


「いや考えたんだけどな!お前がAランクに上がる方法!」


ディルフォードはバルドの実力を買っていた、バルドにはSランクの実力があると知っているのだが、何故か彼はBランクで止まっていた、その事が気掛かりでずっと彼はこんな風にバルドに絡んでいたのだ。


「いや良いですって!それに心配せずとも次の依頼でAランクに昇格させてもらえるらしいんで心遣い有り難うございました!」


「んじゃ手伝ってやる!」


「ディルフォードさんは自分の依頼を受けてくださいよ!」


ドゴンッ


その時だった、必要にバルドに絡むディルフォードは後ろから来ていた気配に気づかず後頭部を思いっきり殴られる


「ってぇ~なだれだなぐったのぉ~…ぅ」


殴られたディルフォードは思いっきり振り替えって拳を握るとそこには顔に傷がある強面のおじ様が立っていた。


「ギルマス…ちっすぅ~俺以来受けてこよっと」


そう言いながらその場を立ち去ろうとする彼の首根っこをギルドマスターが掴み


「話がある」


と凄まれ力ない声で「はい…」とディルフォードはギルドマスターの部屋がある二階へ引き摺られていった。


それと入れ替わる形でバルドの魔法の師匠であるロインズが二階から降りてくる。


「ロインズさんギルマスからの話って何でした?」


「たいしたことは…いいえやっぱり宿に戻ったら教えるの」


暗い雰囲気を出しながらロインズはバルドと泊まっている宿屋に向かい彼の部屋に足を運ぶ


「ある貴族に私の正体がばれたの」


部屋にはいるなり彼女からでた衝撃の言葉に「へ?」とバルドいやバドンは変な声が出てしまう


「私に名前は知ってるでしょ?」


「え、ええ、エイミー・ローズですよね?」


バドンの言葉にロインズはコクりと頷いて続ける


「ローズ家は貴族なの、その分家のロサ家のご息女がギルドに居たらしくて私の素性をギルマスが話したらしくて、それで彼女とギルマスの部屋で話してたの」


ロインズの話を纏めると彼女は本来ローズ家の娘だったのだが、彼女の生まれが異端であったことから、彼女は後に使える姫の元にメイドに出された、しかし姫の魔王覚醒後、ローズ家はなんとロインズを探し始めたそうだ、そしてギルドにも協力を依頼しようやく彼女を見つけたらしいが。


「ロサ家のご息女は私のことを隠してくれる見たいだけど目立ちすぎると本家に見つかるから注意してほしいて言われたの」


「いい人じゃないですか?」


何がダメなんだ?とバドンは疑問に思ったが、直ぐに納得した顔をする


「俺の依頼は俺で片付けますし、この依頼が終わったら直ぐにでも勇者覚醒の為の魔物討伐を再開しましょう!」


バドンの言葉を聞いたロインズは申し訳なさそうに笑い「有り難う」と涙目でバドンに言う


それだけでバドンは悟る彼女は数百年生きている、本来ならローズ家は断念するはずだがここまで執念深いとなるとローズ家にはロインズ、エイミーを狙う何かしらの闇があることを


投稿かなりおくれてすみません。


今回と次回は連続投稿になります!


後書きの詳細はそちらで書きますでは続きをどうぞお楽しみに!

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