プロローグ
はじめまして、寝巻小唄と申します。
重要事項とかは後書きに書きます。
素人に毛が生えた程度の文構成だったり言葉選びだったりと皆様に不快な思いをさせてしまう部分があるとは御座いますが何卒温かい目で見てください。
英雄に憧れた....
“英雄”と言っても俺が憧れた英雄は本当に実在した“魔王”だった。
その英雄は漆黒の鎧を身に纏い、たった一人で数千の軍勢を相手に誰一人として殺めることなく戦いを終わらせた。
そんな英雄に憧れて...
届かない事を知っていて...
それでも諦めきれず、それならばと誰かを守れる騎士を目指した。
それなのに俺は....
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王城の謁見の間を月明かりが妖しく照らす、照らされた謁見の間には一人の黒い霧?に包まれた男が立っている。
その黒い霧の男の足元を良く見れば赤黒い液体が雨の降った後の水溜りみたいになっていて、常人がこの場に居たのならば発狂し一目散にこの場を去るだろう。
「うぎゃあああああ」
けたたましくあげられたその声は黒い霧の男が一人では無い事を表している。
月が先ほどの位置より少し高めに登った所で、声の主の正体を無情にも照らし出す、それはこの国の国王ロブロム62世の悲痛な叫び声であった。
左腕を切られて踞り、しかし何が起こったのか分からないと言うように国王が黒い霧の男に向かい必死で話しかける
「まっでぐれぇぇぇえ、私が何をしたと言うのだぁ」
そんな必死な姿の国王を他所に黒い霧の男は先程切った剣の血を拭いながら辺りを見回している
辺りには若干の息があるものもいるが、その様はまさに死屍累々と言ってもいい惨状である
そんな惨状に目を配らせながら黒い霧の男は思う
何も感じない....
その時点で自分はもう“人”では無いんだなと確信する。
黒い霧の男は一通り見回した後で国王に向き直る。
「頼むぅぅう!何が悪かった?私は貴様に何をしたというのだあぁぁ...」
そう叫びながら顔をグシャグシャにした国王は、自分の腕に治癒の魔法をかけながら黒い霧の男に尋ねる
「分かるだろ?お前が自ら蒔いた種だ....そしてここに集まっていた魔導師を見るに魔王を討つための勇者を呼ぶつもりだったと...?ふざけるのも大概にしろよ?自分で襲わせて自分で解決させる策をすでに揃えていた所を見るに初めから人外....勇者の力をこの国にもたらす事がお前の考えだと思うのだが?それは何か?魔王討つ為では無くこの世界を手に入れる為の道具に勇者を欲したと?俺が間違っているのなら訂正して欲しい所だな...」
黒い霧の男はそう言うと国王を睨みつける。
「ち...違う!誤解だ!私は魔王が誕生すると言う情報を掴みいち早く...グッ.....」
国王は誤解を解こうと言い訳を並べようとするが、そこまで言って太ももに激痛が走り悶絶する
「この馬鹿が吐いてくれたんだよお前に乗せられたってな?」
黒い霧の男はそう言うとスイカくらいの大きさの物をどこからとも無く出し国王の前にゴトッと転がす。
「ヒィぃ」
小さい悲鳴を国王は出しながらその顔に目が行く、その顔は自分が契約した魔王になるはずだった者、自分が利用しようとした魔族であるとその場で気づき青ざめる
「し....知らぬ!私はそんな奴!何かの間違い....」
国王はそこまで言って気づいた...その顔には“目玉”が無いのだ。そして黒い霧の男がこれから何を言おうとしているのか国王は直ぐに頭に思い浮かべ絶望する。
「知っているかは知らないが、他人の目玉を媒介にし相手が見た情報を映し出す魔法がある...これはどの国でも残虐非道であると言われ禁止とされているが、大抵の国ではスパイへの拷問時に聞き出せなかった時、稀にではあるが使用がされている禁止魔法...これを使えば審議は分かるが言うまでもないよな?」
黒い霧の男がそう言うと国王はボソボソと何かを呟いていた。
「聞こえる声で言え!お前も一国の王なら覚悟を決めろ!」
黒い霧の男はそう言うと剣を構える。このまま国王が何も言わなければ用済みこのまま首を切り捨てて彼の復讐は終わる。しかしボソボソと呟いていた国王の声は次第に大きくなっていきそして最後には叫ぶように黒い霧の男に怒鳴り散らす。
「ふざけているのは貴様の方だ!!!この計画に何年費やしたと思ってる!人間と手を組んででも魔王になりたいと思う魔族を探すのがどれほど大変か貴様には分かるまい!!!!私はこの国のためを思って....」
そこまで叫び国王は気づく....
自分の視界が逆さまになっている事を...
ゴトリッと音を立てて国王の首は落ちた。
黒い霧の男は国王の首を切った剣を拭い血を拭き取る。
(ああ...やはり何も感じない...)
自分は何の為に戦うのか、彼にはそれすらももう分からない。全てを失い全てを呪いそして国王をその手で殺めた...
「もう戻れない...」
そう彼が呟いた時謁見の間の扉が開かれた。
「こ....これは!?」
低くドスの効いた声はそれでもその惨劇を目に少し怯えた声になっている。
「ああまだ居たのか...」
黒い霧の男はそう呟き開いた扉の方を見る。
青ざめた顔にしかしその惨劇を作った人物を睨みつける胆力は正しくこの国の騎士団の団長にふさわしい姿、高価な鎧を身に付けてそしてその内包された魔力は人外の領域からは外れないまでも物凄い膨大な魔力を宿している。
「貴様がやったのだな?」
「そうだが?何か問題が?」
問いただす団長に黒い霧の男は何か問題でも?と不思議そうな顔をする
「なればここで滅びろ!!この手で皆の仇を討ってやる!!!」
そう叫びこの国の最強が最恐に走っていく....
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「あらま?もうプロローグを見終わりましたか...何ともまあお早い事でぇそれでは早速本編の方に行きますので!ここで何が何だか分からない方は続きを見てくださいよ!だはははは!!」
真っ暗な世界で高らかに笑い声をあげるピエロの仮面を被った道化師は、それでも訳の分からない事を言うと何処とも無く消えていった。
そして道化師が去った後の真っ暗な世界は次第に壇上の幕が上がっていくように晴れていく....
本編を見て頂き有り難う御座います。
前書きにも書きましたが、此処でも自己紹介を改めさせて頂きます寝巻小唄と申します。
まず初めにタイトルの読み方なのですが、英雄に憧れた少年は魔王になるです!
次に投稿頻度ですが投稿頻度はかなり少ないです。
月に一度か二度程度でお話を書かせてもらう形になります。
お話の内容は、シリアス4割にコメディー4割、後気分2割と割り振っていくので、見にくかったり見てられなかったりといった場合もあるかと思いますが、何卒暖かい目で見ていただけると嬉しいです。
お話を出すタイミングとしては、第2の日曜日〜火曜日の何処かのタイミングで、もしこの期間に出なかったら第4の日曜日〜火曜日のいずれかのタイミングで、お話の進行度で判断して1回か2回出します。
誹謗中傷は控えめにどこが面白くないだとか、何を直したら良くなるだとか、頂けると有難いです。
ただ面白く無いからやめろだの、見てられなさ過ぎだのの抽象的なものに関してはコメントを控えさせて頂きますが、感想などアドバイス等のコメントには出来るだけ反応していきたいと思います宜しくお願いします。