魔剣エグゼガルド
ついに第1章が始まります!
アルトは学園から追われ街の外まで来ていた。
学園の騎士にはダイヤモンド級の精鋭がゴロゴロしているそんな奴らが一斉にアルトを狙い襲ってきているのだ。
今の段階で出し惜しみをして逃げ切るのは困難である。
これだけの精鋭が追って来ているのにエグゼリオンは一向に抜ける気配がない。
「エグゼリオンは抜けないか...」
「もう隠す必要は無い。」
今や敵になった学園にアルトは力を隠す必要も手加減する必要も無い。
「魔剣エグゼガルド!」
異次元ボックスからエグゼガルドを引き抜き闇の力を開放される。
しかし腰に付けているエグゼリオンは闇の力を吸収し始めたのだ。
エグゼリオンは何故か異次元ボックスに収納出来ないため腰に付けておくしかないのだ。
ーこれはまずいエグゼリオンに力を吸われながら戦うのはあまりに不利すぎる。ー
ーまぁいい一撃あれば十分だ。ー
アルトは剣を構えた。
すると空は闇色に染まり世界から光が消えた。
「消えてなくなれ。終焉の壱 斬。」
横薙ぎ一閃街と学園と追ってを目掛けて終焉の闇の斬撃が全てを飲み込む。
アルトを追って来たダイヤモンド級の騎士達は闇に飲まれ全て消え去った。ただ1人を残して。
「ほほぉ、学園と街諸共全て消し去ったつもりだったのに1人でこの技を止めるとは。」
アルトは奴の追撃を考えエグゼガルドを構え直す。
だが奴は背中を向け街の方へ去っていった。
ーさすがに今の状況であれを止めるような奴と戦うのは俺と言えどやばかった。ー
エグゼガルドを異次元ボックスへ直しその場を離れた。
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アルトは学園から少し離れた街に来ていた。
「ディスクラウド学園で魔王アビストロの生まれ変わりが出たらしいよ」
「それ俺も聞いたぞ!しかも逃亡したらしいじゃないか。」
「お願いだから平和を壊さないで欲しいよな。」
街は魔王アビストロの生まれ変わりの話で持ち切りである。中には大予言の魔王と呼ぶものさえ居た。
とりあえずアルトは長旅になると考え旅の道具を買い集めすぐ街を出た。
そんなアルトを影から見つめる者がいた。
「やっぱりそうだ。」
小さく彼女は微笑んだ。
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アルトは街を出て2つ山を超えた先の森を進んでいた。
アルトは街を出た時からひとつの存在に気付いていた。
「誰だ。これ以上ついてくると塵も残らず消し飛ばすぞ。」
「やーっぱりそうだ!」
森の茂みから小さな影がアルトに飛びついてきた。
「アビストロ様ー!わっちです!わからないですか?わっちですよ!」
確かに昔聞き覚えがあるような喋り方。
「わっちです!ニムルですよ!貴方に使えた魔人の1人の!今じゃこんな人の姿になってしまいましたがアビストロ様も人の姿ならなんか安心しました!」
思い出した。2万年前俺に忠誠を誓った魔人の1人で小さな体でダガーを使い高速を超える超速で敵をなぎ倒した小悪魔魔神。超速のニムルだ!
今となっては綺麗な紅の短い髪に無邪気な紅い瞳の小さな女の子である。
「ニムル、なんでお前もここに居るんだ?しかも人の姿で。」
「それがアビストロ様が死んだ時にわっちたち配下もみんな殺られて死んでしまったんです。それでたまたまアビストロ様の生まれ変わりがいるって話を聞いて探し回ってたんです!」
「よく見つけきれたな。」
「そりゃ見つけますよ!わっち達アビストロ様の配下の魔神はアビストロ様の力をずっとマジかで見てたのですから!」
さすが俺の配下と言うところか。
となればもしかすると他の配下の魔神達もこの時代に蘇ってる可能性があるな。
「これからもわっちはアビストロ様について行きますよ!」
魔人は使えた魔王を裏切れない。
だから配下は唯一信じれる存在だ。
「これから頼むぞニムル。あとここの世界での俺の名前はアルトだ。アルトと呼べ。」
「はい!わかりましたアルト様!このわっちニムルの命この世界でも貴方様に捧げます。」
こうして新たな仲間ニムルと共に復讐のための旅が始まるのであった。
「そう言えばアルト様。これからどこに行くのですか?」
おどけた顔でニムルは言う。
「とりあえず真っ直ぐだ!」
「あっ決めてないんですね!」
「宛なんて無いからな。」
「それもそうですね。」
そんな話をしながらただ真っ直ぐと道を進むのであった。
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三日後
「ア、アルト様、もぅ3日も真っ直ぐ進んでるのに何も出てきませんよ、、。一旦近くに何かないか見てみませんか?」
確かに馬鹿正直に真っ直ぐ歩いてきたのは馬鹿だったかもしれない。
しかし学園から離れるという観点から見たらこれは正解である。
今の戦力ではディスクラウド学園は落とせない。
せめて本来の力さへ出せれば別なんだが。
「ニムルとりあえずその辺の高い所から何かないかを見て見てくれ。」
ニムルはすぐ様1番高い木のてっぺんまで登り上がった。
「アルト様ーーー!向こうに大きな街と城が見えますー!」
そう言ってニムルが木登りから帰ってきた。
ニムルが言うにはここから数キロ離れた所に大きな街と城があるらしい。
もしかするとまだアルトの情報はここまで来ていないかもしれない。
そう信じてアルトとニムルは街に向かうことにした。
「アルト様!もしもあの街の人間が敵意を向けて来たらどうしますか?滅ぼしますか?」
ニムルはいつも笑顔である。
「そうだな。」
空を見上げそう答えた。
ニムル共に街に向かうアルト。
その街には恐ろしい秘密が隠されていた!?
次回をお楽しみに。




