選出
試験が終わり皆が教室に戻ると今回の試験についてカミルエルダが話し始めた。
「今回の試験で再来週から始まる3学園合同バトルマッチに出場するメンバーを選出しようと思う。全部で3組計6人を選出するつもりだ。」
合同バトルマッチか、なんかディスクラウド学園にいた頃そんな話しあったな。
「なおメンバーは来週発表するから皆心して待つように。以上今日は解散だ。」
「はぁー、疲れた!バトルマッチも頑張ろうねアルト!」
「まだ出れると決まったわけじゃないだろ。」
「何言ってんの!私とアルトが出れないわけないじゃない!」
まぁ普通に考えるとそうだ。
しかし今回エミルは目立った活躍はしていない、もしかすると選ばれないかもしれない。
まぁ気にすることでもないか。
「そうだな。これからも頼んだぞエミル!」
そう言って今日は休む事にした。
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一週間後
「今日は先日言っていた、3学園合同バトルマッチの出場メンバーを発表する。今回はペアもこちらで選出させてもらった。そして異論は認めないものとする。」
ついにメンバー発表が始まった。
正直選んで欲しくはないがまず選ばれないことは無いだろ。
そしてまず俺が選ばれないことは無いだろう。
問題はほかのメンバーだ。
相手にディスクラウド学園がいる以上魔人が出て来る可能性があるからだ。
正直身の回りの人が殺させるのは不本意だ。
魔人が出た時、時間稼ぎも出来ないメンバーが出ては助けようがないからな。
「それでは3番手から発表する。嶺 拓斗、ニムルペア」
「ぼっ、僕!?お、お腹が…ニムルこれからよろしくね。」
「おお!拓斗がわっちのペアか!よろしく頼むぞ!」
「次は2番手。ネネ、シンジョウ マサトペア。」
「ちっ俺が2番手か。」
「これからよろしくお願いしますね。」
「そして1番手の発表をする。」
このまま呼ばれなければいいのに。
「アルト・セシスタ、ルリア・アインツベルグペア。以上が今回の3学園合同バトルマッチのメンバーになる。メンバーは心してかかるように。そして選ばれなかったメンバーはしっかり応援するように以上。」
「私が、選ばれなかった?」
エミルは今回の選出に不満があるようだ。
「先生!なんで私がメンバーに入ってないんですか!」
「それはお前が力不足だからだ。」
「どこが力不足なんですか!」
「お前は後先考えず敵に突っ込んで行った。そしてあっさり拘束魔法に捕まった。普通の敵であればなんなり突破してお前が勝っていただろう。しかし自分の力より強い物にはそれは通用しない。そして相手の力量も考えず突っ込んで行くお前ではバトルマッチでも同じ事を繰り返すであろう。選ばなかったのはその為だ。そしてこの決定に異論は認めない今回は応援に勤しむんだな。」
「っ!」
エミルは教室を出て走り去ってしまった。
自分の力に自信があった分かなりめんたるにきたのであろう。
アルト席を立ちエミルの元へ行こうとするとカミルエルダに止められる。
「アルト、今は1人にしてやれ。」
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「今回もアルトと一緒に戦えると思ったのに。」
自分の部屋で座り込むエミル
アルトの隣で戦うのは私のはずなのに…
コンコン。
扉をノックする音がする。
「俺だエミル。」
「アルト?」
部屋の扉を開けるとそこにはアルトが立っていた。
「エミル、今回はその、残念だったな。」
「私こそごめん一緒に戦えなくて。」
「まぁ選ばれなかったものは仕方ないまた次があるさ。」
「私は!ずっとアルトの隣でずっと一緒に戦うんだって思ってた!でも私は、メンバーにも選ばれなかった。悔しいよ…」
エミルは地面に泣き崩れた。
「悔しいなら強くなれ、強くなればまた一緒に戦える。今回がダメなら次頑張ればいい。俺はエミル、お前が隣に戻ってくる事を信じてるぞ。」
そう言ってアルトはエミルの元をあとにした。
「待ってなさいアルト絶対強くなって戻ってくるから…」
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今後頑張れます。




