試験②
今回のフィールドは密林ステージ
木々が密集して視界も足場も悪い
しかし今回の試験1番の問題はどう目立たずに戦うかだ。
今の俺の力だと最弱魔法ですら上位魔法以上の力を発揮していまう。これでは何をしてでも目立ってしまう。
そんな事を考えていると
「お兄ちゃん何か困ってるの?私でよかったら力になるよ?」
「そう言えばアウラってどんな魔法が使えるんだ?」
「私は触手さん達とお友達で触手さんの力を使うことが出来るの!」
触手の力を使う?どういう事だ?
「例えば?どういったのだ?」
「土の中に住んでる触手さんたちとかに力を借りて戦ってもらったり触手コミュニティで物の位置とか人の位置を教えてくれりするの!」
なんだその力は!
「アルトよ、アウラの言う地中の触手と言うのは上位魔獣のゲベラの事じゃないか?」
「ゲベラって確か拘束した相手の魔力を吸い取るやばい魔獣だったような…」
これは使えるぞ!
これならもしかすると目立たずに戦えるかもしれない!
「よしアウラこれからの戦いはお前に任せたぞ!」
「お兄ちゃんの役に立てるなら私の頑張る!その代わり後で遊んでね!」
「おう!」
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「それでは最終試験を始める。」
「始め!」
合図と同時にエミルが走り出す。
しかしアルトはその場にとどまったままだ。
「え!?アルト相手を探しに行かないの?」
「まぁ少し待て。すぐに見つける。」
するとアウラが手を前にかざす。
するとそこに魔法陣が出てきた。
「触手コミュニティ」
アルトとアウラは思念共有をしている為、アルトの頭に情報が流れ込んでくる。
そして何と結界内全てのマッピング映像が目の前に現れた!
それはリアルタイムで動く相手の動きさえも映し出している。そのため相手がどこに動いてもどこに隠れてもこちらの思うつぼという事だ。
アルトの魔力探知でさえここまでのマッピングは施せない。かなりの能力である。
「アウラよくやった!偉いぞ!」
「えへへ」
アウラの顔に笑がこぼれた
「敵を見つけた向かうぞ。」
「え!?さすがアルトね。相手の動きなんて動いて探さなくても分かるってことね。」
変にエミルに理解されたようだ。
そして2人はルリア達の元へ向かった。
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その頃ルリアとマサトはアルト達を探し密林をさ迷っていた。
「なかなか視界が悪くて見つからないわね。」
「まぁ密林だから仕方ないだろ。」
「それよりどうする?あの転校生もしかしたら強いかもしれないわよ?」
「そうだとしても負けることは無いさ。俺が1発でかいのかまして終わらせてやる。」
「ならお手並み拝見と行きましょうか。」
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「見つけたぞ。」
アルトは2人を肉眼でとらえた。
「ここは私に任せて!」
そう言ってエミルが2人の方へ駆け出した!
体に水のオーラを纏い高速でエミルは相手に接近する。
そしてカーミナルブレードに、手をかけた。
普通の相手であればエミルの動きに反応する事すら困難である。
しかしこの2人は違った。
かなりの術者のようだ。
近づくエミルそれをわかっているかのようにマサトは拘束魔法を放った、しかもそれは上位拘束魔法でありいくらエミルであっても解くことはできないレベルのものだ。
エミルはそれを避ける事が出来ずそのまま箱の中に閉じ込められた。
「拘束魔法 賢者のブラックボックス。この魔法にかかるとまず僕が解除するまでここからは出ることは出来ない。」
「思ったよりやるじゃないか」
アルトの口が少し微笑んだ。
なかなかこいつらやるじゃないか。
だがしかし俺はお前らに自分の力を使うことは出来ない。
なぜなら
目立ちたくないからだ。
アウラの力でサクッと終わらせてもらうぞ。
アルトが2人に向かって手を向ける。
するとアウラが触手召喚を行った。
「出てきて私の友達!」
その掛け声とともに地面から大きな触手が2本生えてきた。
「なんだと!?無詠唱のモンスター召喚だと!?そんな事出来るはずがない!」
普通、召喚はどんな強者であっても詠唱を必要とするなぜなら契約の力が必要になるからだ。
しかしアルトはみんなには見えないアウラを使う事によって無詠唱で触手を召喚したように見せることに成功したのだ!
完全に忘れていた。
これは無駄に目立つやつだ。
アルトは自分の失態にガッカリして肩を落とした。
「ちっ無詠唱でモンスターを召喚して自分でガッカリしているだと!舐めやがって!モンスター事消し飛ばしてやる!」
マサトは空に超特大の魔法陣を展開した。
「ほほぉ、この年でこの魔力そして極大魔法だと?今の俺の仲間達よりこいつ断然強いな。」
「俺を怒らさた事を後悔しろ!そして消し飛べ!メテオインパクト!」
魔法陣の中から超特大の隕石が生み出されこちらへ飛んでくる。
「あいつなんて魔法を使うんだ!これは試験どころじゃない!みんな死ぬぞ!」
カミルエルダが止めに入ろうとするが時既に遅しもう魔法は放たれた。
「お兄ちゃんさすがにあれはまずいよ!私のお友達もお兄ちゃんもただじゃ済まないよ!」
「まぁ普通はそうだな。だけど俺は元魔王だこのくらい俺がこの触手に少し力を貸せばすぐに止めれる。」
そう言ってアルトは触手に触れ魔法をかけた。
「ブースト」
それを唱えた途端触手がみるみるうちに大きくなり異様なオーラさえも漂わせ始めた。
「行け!」
その合図と共に触手はメテオインパクトをつかみにかかった。
その途端メテオインパクトから魔力がどんどん吸われていく。
アルトが強化した事により力を手にした触手は、あっという間にメテオインパクトの魔力を吸い付くし抹消させた。
そして
「その魔力厄介だ、寝ててもらうぞ。」
そう言って触手は、一瞬でマサトに絡みついた。
「なっ!離せ!気持ち悪い!」
そう言ってるのも束の間みるみるうちにマサトの魔力を吸収され気絶した。
「大丈夫起きたら魔力も戻ってるから。」
「へぇーやるじゃん転校生。まさか私が出ることになるとはね。」
そう言ってルリアはどっしりと構えた。
「ねぇ、ルーン魔法って知ってる?太古の魔法なんだけど。」
「ルーン魔法?なんだそれは聞いたことがないぞ。」
「ルーン魔法、そんな魔法僕も聞いたことないよ。」
エグゼシスですら知らない魔法だと?
そんなものこの世に存在するのか?
「まぁ知らなくて当然ね。だってこの世界の魔法じゃないからね!」
そう言ってルリアは空中に見たことの無い文字を書きなぐる。
「ルーン魔法 ヘルゼルベルビュート!」
すると空間からどす黒い魔神の手の様なものが現れた。
そしてその手にエネルギーが集まり始め大きなエネルギーの球体が出来上がった。
「この魔法はその触手じゃ止められないわ。これに魔力は、こもっていないから!」
そう言ってアルトに向かってエネルギー弾は発射された。
はぁ、使いたくなかったけど使うか。
まぁ仕方ないアウラの友達を殺させるのは申し訳ないし魔力出ないと言うなら仕方がない。
そう言ってアルトはエグゼガルドを異空間ポケットから取り出した。
「アウラ、触手を戻せ!」
「わかった!」
触手達は地面の中に帰って行った。
そして刻一刻とアルトの元へエネルギー弾が近付いてくる。
「俺にエグゼガルドを抜かせるとは大した奴だお前は!だがしかし俺は目立ちたくないから一瞬目をつぶってもらおうか。」
アルトが剣を持たない方の手を空にかざすと、誰も目を開けていられないほどのとてつもなく大きな光が生まれた。
言わいる目くらましだ。
その刹那アルトはエネルギー弾をエグゼガルドで切り裂き、ルリアの脳を揺らし気絶させた。
そして皆が目が見える様になった頃には全てが終わっていた。
「な、何が起こったんだ、、、」
皆は何が起こったか分からず混乱している。
「エネルギー弾が暴発して自滅しただけさ。」
そう言って拘束が解除されて座り込むエミルに手を差し伸べた。
「大丈夫か?」
「あんた、ほんとは何したのよ!」
「秘密」
そう言ってエミルを引っ張り上げた。
「勝者、アルト、エミルペア!」
「何だかんだで転校生が勝ちやがった…」
皆がまだ混乱しているなか試験は終わりを迎えたのであった。
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今後頑張れます。




