表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/35

アルトの過去

アルトのおじいちゃんとのお話

闇夜を照らす光が消える新月の夜、彼は転生した。


彼が転生した時に要する力はかなり大きく。彼を産んだ母とその夫はそのまま死んだという。


魔王アビストロは転生して直ぐに辺り一帯を無に返すべく力を発動した。


しかしその強大な力を抑えつけた男がいた。


アリム・セシスタ、アルトのじいちゃんである。


アリムは転生したアビストロの強大な力を抑えつけ、孫として受け入れた。


そしてその子供にアルトと名付けた。


アリムは毎度暴れ出すアルトの力を抑え優しく接した。


そんなアリムに少しずつアルトは心を開いた。


そしてアリムはアルトに教える。


「家の家訓は優しく強く誰かを守れる者になれ。誰かを守る者にお前もなるんだ。」


そう優しく何度も教えた。


しかしアルトの中身はアビストロである。

そんな話聞く気もなかった。


それから5年がたちアルトが5歳になった頃。


アルトの気持ちに少しの変化が表れた。


アリムに優しく育てられアルトは少しだけ人を観察する様になった。


そして出会ったのがエミルだった。


エミルの生き方に触れたアルトは少しだけ家訓を思い出すようになった。


優しく誰かを守れる者になれ。


その言葉を少しだけ頭に入れた。


そしてアルトは優しいじいちゃんとエミルにより自分が魔王であるという生き方自体を辞める考えになり始めた。


それから数年が経ちアルトは完全に平和ボケした。


魔王である事を辞め平和に過ごす道を選んだのだ。


しかし1つ引っかかることがあった。


何故アリムは子供だからといって魔王であるアルトの力を押さえ込むことが出来たのか?


子供であってもアルトは街一つくらい消し飛ばすくらいの力は持っていた。


それを抑えるのは常人では考えられない力である。


それに何よりそんな力を持っていながらセシスタ家は名の知れた家ではないという事だ。


そしてその疑問はこの帰還によって明らかになるのであった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

アルトの家


「アルト、良く帰ってきた。だがなここは危険だ。付いてきなさい。」


そう言って自分の寝室にみんなを案内する。


アリムは床に魔力を込めた。


「今この家はこの国の監視下にある。下手にリビングで話すと厄介だ。」


「と言うことはじいちゃんまさか!」


アルトは身構える。


「はっはっは!安心しなさい。カイリとカナトの残した我が孫を国に売ることはせんよ。例えお主が魔王アビストロの生まれ変わりだとしてもな。」


そう言い終わると共に床に隠し通路側表れた。


アルト達はアリムに連れられ地下室に来た。


そこにあったのは沢山の本が収納されている書庫であった。


「ここは代々セシスタ家が守る秘密の部屋じゃ。」


その部屋の奥に1つ佇む机。


その上に小さな箱が置いてあった。


「じいちゃんこの箱は?」


「その箱の中にはセシスタ家の秘宝エグシアスリングとエグゼアスリングが入っている。」


「それってまさか!」

ネネがそれに反応した。


「そう、この指輪は、かつて魔王アビストロを倒した勇者ユリウスが魔王の力を3分の2封印したとされる指輪だ。」


「何故それがここに?」

アルトは不思議に思う。


「セシスタ家は魔王アビストロを倒した勇者の末裔。アルトお前にも勇者の血が流れている。」


「なんだと!?」


自分を殺した勇者の剣を持ち更にはやつの血が流れているだと!?

何処までやつは俺に付きまとうんだ!


アルトは頭を抱えた。


「だとするとこの指輪に俺の力が3分の2もずっと入りっぱなしということなのか?」


それなら納得する。

取るに足らない人間に痛手をおったり魔王の幹部ごときに苦戦をしたり有り得るはずがないのだ。


「アルトそれは違うぞこの2つの指輪には、お前の力の90%が封じてある。」


「90%だと!?何故そんなにも俺の力がこの指輪に封じられているんだ!」


「それはだな。お前が産まれた時の話だ。産まれて直ぐにお前はカイリとカナトの力を吸収した。普通の人間であればそれで死んでいたであろう。しかし2人の魔力量は常人を逸脱した量を有していた。その為それでは死ななかったのだ。しかし赤子のお前は力を暴走させた。そこでカイリとカナトは魔王の力を封じた指輪エグシアスリングとエグゼアスリングに自分達の命と引き換えにお前の力を封じたのだ。」


「でもそれ程の力を封じて居られるものなのか?」


アリムは顔を歪めた。


「その指輪は、神の遺物そう壊れるものでは無い。しかし魔力の許容オーバーみたいでな、いつ暴走を起こすかわからん。」


「ところでアルトよ、何をしに帰ってきたのだ?お主はこの国に命を狙われる身、帰ってくる必要などないだろ。」


「俺はエミルを助けに戻ってきたんだ。」


「それはどういうことだね?」


アルトはこれまでの経緯を思念共有で伝えた。


「この国も廃れたものだな。」

アリムはため息をついた。


「アルトよ、やはりお主は我が孫じゃ。アルト・セシスタ、魔を統べる王アビストロではもうない。守るべきものを持ちお主の心には光が生まれておる。エミルちゃんを助けこの国を出なさい。」


そう言ってアルトに指輪をわたした。


「じいちゃんほんとにいいのか?俺が指輪から力を解放し元の力を取り戻したら、世界を征服するかもしれんのだぞ?」


「はっはっは!そんな事にはならんさ。私はお前を信じている。もし今のお前が世界を征服するのであれば今のこの国よりは良い世界を作るであろう。」

にこりとアリムは笑った。


「そしてそこの若者よ、名前をなんと言う?」


「僕の名前は嶺 拓斗です。」


「お主に私の最後の力を託そう。」

そう言ってアリムは拓斗の手を握る。


「こ、これは!?」

拓斗の体から大量の魔力が溢れ始めた。


「なぁにお主の中の潜在能力を少し引き出しただけさ。」

そう言って笑った。


「アルト!これなら4回は空間支配術を使えるよ!」


「それならここから学園に飛んでも問題無さそうだな。」


「アルトよ。この場所も、もうながくない。この家は監視されている。そろそろ異変に気付く頃じゃろう。その前に行くのじゃ!」


アルトは静かに頷く。


そして拓斗は空間支配術を発動し人気のない学園の近くに空間を繋げた。


皆は頭を下げ、ゲートに入る。

「行ってくる。」

アルトはアリムに挨拶しゲートをくぐった。


「元気でな、、、。」

アリムの笑顔は少し悲しげだった。

エミルの救出作戦そして第2章はクライマックスへ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=67233769&si
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ