勇者の剣を手にしました。
笑いありバトルありの元魔王のお話です!
学園と魔王が入り混じる学園バトルものです!
その昔世界を混沌の闇に染めようとした、魔王アビストロは、最強の勇者の手によって倒された。
その戦いでの被害は世界の3分の1を無に返す程だったと言う。
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魔王アビストロが死んで約2万年がたったある時代
過去最強の闇が生まれようとしていた。
大予言者シリウスは予言した。
ここ数十年の内に魔王アビストロを超える魔王が生まれると。
人々はこれに備え力を蓄え始めた。
時を同じくして彼は産まれていた。
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大予言から15年後
中世を彩った城のような門構え、魔王アビストロを倒した最強の勇者を象った銅像、ここディスクラウド学園。そしてその1年生として彼はいた。
黒い髪に紅い瞳女の子にも見える顔立ちはどこか大人しそうに見える。
彼の名前は、アルト・セシスタ魔王アビストロの生まれ変わりである。
「あー、今日も平和だー。こんな事なら勇者と仲良く手を取り合っとけばよかった。」
彼は2万年前を後悔し平和の素晴らしさを噛み締めていた。
「おーい!アルトー!」
手を振り近ずいてくる彼女は幼馴染みのエミル・マクギリスである。
顔立ちは幼く瞳は青い。
金髪の長い髪を2つに結んだその少女は自分が言うのも何だか妹のような感じである。
「ねぇねぇアルト。明日は遂に武器召喚の日ね!これで遂に実技演習ができるのね!」
天真爛漫な笑顔で語りかけてくる。
幼い頃からエミルはアルトと剣の演習をして来ていたのだ。
その剣の腕はその辺の精鋭騎士に負けないと言っても過言ではないレベルである。
「あー、そうか明日は武器召喚の日なのか。演習が始まるとかやだなー面倒臭いし」
ただただ目立ちたくないだけなのだ。
この世界では何事も無く平和な日常を送り平和に一生を終えたいと思っている。
そのためには何としても目立っては行けないのだ。
「まぁ学園では全然目立ってないけどアルト貴方は天才で最強よ。遂にその力を世間に知らしめる時が来たのよ!」
自分の事のように高笑いしている。
しかし俺は絶対に目立ちたくない。
これまで目立たない為にテストでも平均を保ち続けてきた。
何としても武器召喚では平凡な剣を引き当てないといけない!
エミルは何としても俺を目立たせたいみたいだが絶対にそれは阻止して見せる。
「いやいやエミルが思ってるより俺は凄くないし強くもないから」
そう言って笑ってみせた。
「何言ってんのよ。私は知ってんのよ!あんたがわざと試験で間違った答えを書いてることも私との剣の立ち会いで本気を出していない事も!」
ーなんだと!?こいつそこまで気付いているとはなかなか鋭いな。さすが幼馴染みという事か。ー
「いやいやそれは謙遜だって。俺いつも精一杯だし。」
苦笑いである。
「私が満点取れんのにあんたが取れないなんて有り得ないんだから!ちゃんとしてよね!」
「はは、まぁ頑張ります。」
なんともめんどくさいがこれはこれで新鮮で楽しいのである。
「そしたら帰ろっか。」
アルトとエミルは一緒に家へ帰った。
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武器召喚の当日
アルトとエミルそしてそのクラスメイト達は召喚場へ来ていた。
黒い部屋そして中央には魔法陣が描かれている。
そして魔法陣の横には白いローブを被った男性が立っている。
「クラウス先生ー召喚始めないんですかー。」
生徒達は武器召喚を楽しみにしておりざわつき始めた。
「よしなら説明を始めよう。やり方は簡単魔法陣の中に入り我が武器よ我が力に答えよと、唱えるだけだ。さっ召喚したいやつから順にこい。」
そして武器召喚が始まった。
皆が銃や剣や色々な武器を召喚する中エミルがとんでもない物を召喚した。
「やはり私は選ばれし天才なのね。」
エミルがドヤ顔しながら手にした武器は世界に数える程しかないと言われる伝説の武器カーミナルブレードだった。
「やっぱりエミルってとんでもないやつだな。」
「逸材はレベルが違うわね。」
クラスがざわつき始めた。
そして遂に最後の一人アルトの番になった。
「あんたも伝説の武器召喚しなさいよ!」
笑顔でエミルはアルトの背中を押した。
絶対にただのロングソードを召喚してみせる!
そして魔法陣の中にたち召喚を始めた。
「我が武器よ我が力に答えよ。」
アルトがそれを唱えた途端部屋中に黒い電撃が走り始めた。
まずい!この武器の波動は2万年前に生涯を共にした武器魔剣エグゼガルド!このままでは、目立ってしまう!どうにか召喚を止めなければ!
しかしこの召喚は始まってしまうと絶対に止まらない。
「こうなれば奥の手だ!」
アルトは魔剣エグゼガルドを高速で引き抜きそのまま自分の異空間ポケットにしまい。魔法破壊で魔法陣を破壊した。その勢いで部屋まで壊れてしまった。
「みんな怪我はないか!」
クラウス先生は生徒達の無事を確認する。
「なんだと!?魔法陣が破壊されているだと!創立以来そんな事は1度も起きた事などないのに!」
クラウス先生は驚きを隠せない。
「一体どんな武器を手にしたんだ。」
皆が息を飲んだ。
しかしアルトの武器などあるはず無いのだ。
異空間ポケットに直したのだから。
そう思っていた。
「こ、これは!」
みなは驚愕していた。
アルトの目の前に1本の剣が刺さっていたのだ。
「う、嘘だろ。」
アルトも目を疑った。
なぜなら刺さっていたのは伝説の勇者しか持つことのできない伝説の剣エグゼリオンだったからだ。
しかし伝説の勇者しか持つことの出来ない剣が目の前にあっても伝説の勇者に選ばれ無ければ持つことも出来ない。
武器は1本召喚してるし何かの手違いだろうと柄を握るが何も起きない。
そう、選ばれたのだ伝説の勇者に。
「さっすがアルト!伝説の勇者の剣を召喚するなんて凄すぎるわ!これからの学園生活一緒に頑張りましょうね!」
笑顔でアルトの肩を叩く。
「はは、そ、そうだな。がんばろうな。」
アルトは肩を落とした。
そしてこれからアルト事元魔王の学園生活そして激動の日々が始まるのであった。
「俺の平凡で平和な生活が。」
そして抜け殻のようになったのであった。
これからのアルトの学園生活と
大予言の魔王がどうなるかお楽しみに!