初等科の遠足
歓迎会のバトルロワイヤルで優勝した、マッケンジーだった。
そのあとの日に言われたことが遠足に行くことだった。
目的地は湖無事帰ってこれるだろうか?
「遠足に行く。湖のところな」
そういったとたん、
「え~え~あんなに遠くまで遠足とか信じられない。」
という声を聞いた。
その生徒に
「どれだけ遠いの?」
と聞くと、
「馬車なら一日でいけるかどうか、歩きなら二日かかるね。」
先生それって泊りがけの遠足ですか。
体力つけるためとはいえ、
酷だわ。
大分前に言うべきことだったのだが、初等科6年中等科3年高等科3年
専門科4年だってね。6・3・3・4制ってやつね。
話に戻り遠足だが、やはり野営を今回行うので、遠足に行く前に
野営の練習をするんだとか。
大変なことさせないでよ。
6歳のボーイなんですから。
あと班決めなどをした。
男女3人ずつらしい。
理由は荷物も背負っていくから、女の子に負担が行き過ぎないような
配慮らしい。明らかに王女への配慮だよね。
モブ男2人とモブ女2人、アンヌ様と同じになった。
野営の練習をする日になった。
(なんで練習なんてするんだろうと)
周囲の人たちは初めての遠足に浮いている人半分、
湖までの距離が分かっていて厳しいと分かっている人半分って感じ
ですね。
野営の練習といっても本番さながらの事をすることになった。
テント張りのチーム、薪を集めて調理するチームに分かれた。
テント張りにモブ男2人モブ女1人あれ?
普通料理は女の子とかでないのか?
その疑問は後でわかるがな。
ガキとはいえ美人のアンヌ様のお手を汚すような・・・
普通に手伝っていたし。
笑顔が眩しいし。
ガキとはいえ王族なんだなと痛感したよ。
でも野営に王族の垣根はないんだよ。
偉そうに言っているかなと思ってると、案外まともに聞いてくれる
アンヌ様だから、好印象抱くよね。
そういえば6歳で料理できるのかと思ったら、
料理できる子が1斑に1人いるらしい。
で俺が料理できる子にカウントされているらしい。
まあ前世でも簡単な料理は作れましたけど。
本当に簡単な料理なら。
料理は何を作ってもいいらしい。作れるかどうかみるらしい。
アウトドアの料理っていったら焼肉かカレーだよな。
焼肉なんかは櫛に肉さすだけで、
焼肉奉行が見ていればいいだけではないか。
俺は迷わずカレーを選んだよ。
カレーは上流貴族の食べ物とされており、
スパイスも用意されていた。
カレーのつくりかたってさ、結構おおざっぱに覚えているんだけどな。
まず下ごしらえにジャガイモと人参の皮を取る。
ピーラーみたいな便利なものがないから、
ナイフで皮を薄く剥がす感じだったかな。
皮が取れたら、
たしか乱切りでよかったような気がする。
大体喰えればいい大きさだったよな。
ザ男のカレーって感じでいいと思うよ。
玉ねぎ入れること考えたけど面倒だということが発覚して
やめた。
野菜はジャガイモと人参だけで十分だよ。
肉を一口大にカットしておかないとね。
人参でジャガイモの順だったかな最後の方で肉を入れるわけだが、
しっかり火が通っているか箸とかで確認しなきゃいけないよね。
肉を入れた直後にスパイスを入れるのだが。
まあターメリックしかないですか。
目分量でいいか。
で味見してよかったらOKだったような
気がした。まともに料理作っていればもう少しまともに言えたと
おもっているが、
スパイスを入れた後あたりから、匂いに誘われてくる
無関係な生徒もいて、
「カレーが作れるなんてうらやましい。」
「シェフでも雇ったのか。」
と様々である。
貴族なら料理はシェフが作るものというイメージがあるからね。
俺らだけかなカレーは。
実食したわけだが、
「「美味い」」
と涙を出しながら食べている奴もいたったな。
俺らの班は一人二杯は食べたのだが、
少し残ったものをもらいに来た横着な奴もおり、
「皆カレー余っているのあげてもいいよね」
「そうだねいいよ。どうせ遠足の時に食べれるわけだし。」
そうなんです。今回作った料理がそのまま遠足の料理になるのです。
その意味はこの班だけが多分カレーだろうという、
浮いた存在になってしまったのだが、
(アンヌ様いるしいいよね。)
と心の中で叫んでいた。
まだ遠足の訓練なんだが。
遠足の日が気がとおくなるな。
そして遠足の日当日を迎えた。
野営するためのテントは学校貸与。
野菜、肉などは学校から支給。
メニューを前日決めたのも、この支給の調整の為だと思う。
遅れてくる人もおらず、
和気あいあいとした空気の中、
学校正門に集合し、
校長の挨拶があったあと、
学校を出発するのだった。
改めて後ろを振り返ってみて学校をみると、
お金がかかっているなあという感じがする。
中世ヨーロッパのファンタジー世界なのに、
スタイリッシュで洗練されたデザインだと思う。
普通のビルみたいに規則正しく窓ができているわけでなく、
回るい窓や三角形のまど、出窓っぽいのもあって個性がでている。
大企業の会社っぽいイメージだと思ってくれるとわかるだろうね。
白で統一された建物は清潔に見えるが不気味な威圧感を感じさせて
くれる。
「やはり学校が大きいですわね。」
「お城のほうが大きいような。」
「ははははは・・・。」
アンヌ様とだべっていた。
学校を出たばかりだが、一応市街地の隅に存在しており、
隣には学生寮が存在する。
学校よりも学生寮の方がデカイ。初等科だけでも3000人はいるので、
部屋は基本相部屋だし、寮のデカサが大きすぎるために、
学校と勘違いしてくる人もいるぐらいだ。
一階あたり50人泊まれる部屋数が用意されており、
寮食も時間制限を設けて、食べるぐらいだからね。
全員が全員寮で食べないらしい。
好みがあってこれしか食べないという偏屈ものがいたったり、
混んでいて食べる時間が無くなった人とか。
そういった人のために惣菜パンから野菜、肉、香辛料など売っている
売店があるが、いつも混雑している。
遠足の話に戻ると、市街地の隅に建てられているということは話をした
が、外壁に囲まれている城塞都市に建っているので、
門があるところまで、いかなければこの都市すらでられない。
城塞都市と言っているだけあって、
守りは堅牢であって、軍隊も1旅団は駐留しており、
他にも治安部隊も400人ほどいる。
治安部隊は交代制なので、実際動いている数は200人ほど。
20万ほど人口を有しており、この国家で基軸となるほど人口を有して
いる。でも王都ではない。
王都は少し人口が少ないが、その分貴族と使用人と商人ばかりが目につ
く街らしい。今回は王都について割愛する。
遠足だが、城塞都市の大きな門を出ると、
暑く照り付ける太陽、少し蒸し暑い風が吹き
一面にはどこまでもありそうな平原が続いていた。
一面原っぱってもどうかなと思った。
城塞で守られているってことは、モンスターみたいのが
出てくるわけで、でも初等科のガキでも倒せるモンスターが大体だが、
数は多い。
なのでモンスターを見たら、即先生に報告する事になってる。
モンスターをみたら先生に報告するように
上級生の優等生が先発をいき、
真ん中に初等科の一年生、
最後の方も上級生の優等生
という布陣である。
先生たちは、前方と中間と後ろに分かれていて、
モンスターに即座に対応できるようになっている。
俺たちの班は一年生では一番前の場所になっており、
先鋒からきても真ん中を責められても対応できる位置にいた。
で、皆さん背負子をつかって、わざわざ重たいテントを
運んでいるのだが、
俺達のチームはズルをしていると思われる行動に近いのだが、
空間魔法でアイテムボックスにテントから食材から
いろんなものを俺マッケンジーが
運んでいた。
重くないよ。魔力ばっちしだしね。
他の班の奴らからは、
「お前たちが羨ましいよ。」
「空間魔法さえ使えれば!」
といった声が聞こえていた。
しょうがないよね。
皆が激痛に耐えながら歩いているのを、
アンヌ様御一行の班はお城の庭の散策をしているような
雰囲気で歩いていた。
「まだですの~。」
「休憩地点はまだか。」
そう少し歩きだしたら皆へばりだした。
ダメだろこんなのじゃ。
うちの班だけは違って、
「いい天気ですよね~。」
「あそこにいる鳥きれいですわ~」
みたいなことを言う余裕があった。
だって歩いているだけだしね。
途中先鋒が少し止まって、モンスターとの戦闘になったが、
上級性なので、
シュぱっとドーンで終わっていた。
簡単に倒し終わっていた。
まあここらのモンスターが初心者向けなので、ここの
モンスターに勝ったからといって大したこともなく、
少し歩いていくと、水辺のある場所になったので、
休憩する事になった。
他の生徒は水辺で遊ぶ気力もなく、
「だるい~」
「つかれるよね~」
と言っていた。
俺達アンヌ班は水辺でキャピキャピと遊ぶ力が残っており、
「川ですわこれが川なんですの。」
(見たことないんかい!)
「きゃあ!つめた~ぃ」
(水だからつめたいだろうな。暑かったらいやだよ)
と遊んでいる様子でした。
大体今が13時頃にあたる時間で、昼を食べたい人は自分で
調理しているらしいが、昼の食材まで持ってくると重たいし、
お金はかかるので、ほんのごく一部にしか見られていない。
俺達の班はというと、
俺がアイテムボックスからお菓子を取り出してお菓子を食べながら、
ティータイムにしゃれこんでいた。
「この紅茶美味いですわ。さすが王室御用達の紅茶ですわ。」
(アンヌ様あんたの家のお茶でしょ。自慢ですか?)
「さすがアンヌ様の所の紅茶ですね。」
モブ女が言っているが紅茶の良しあしがそのガキの舌でわかるのか
と思うよ。
まあ紅茶に関しては、ティーパックで飲む紅茶よりは、香りも
味も違った。品種は同じっぽいんですけど。
お菓子に関しては、ぎりぎり落第点といったところ。
砂糖がてんさい糖を使っているので、お菓子にはあわないかな~という
感じはした。使っている小麦粉に関しても、少し粉がしっかり引け切れ
てない感じはあった。そういった所も暇があったら教えてあげたい。
休憩が終わり、歩いている。
湖に行くと言っていたが、実際どのあたりだろうか聞いてみた。
「湖ってこの国のどのあたりなの?」
その問いにアンヌ様が答えてくれて、
「この国の東側ですわ。国境付近にあるので、気を付けた方がいいです
わよ。犬族の人の集落があるとも聞きますし、犬族の活動エリアかもし
れませんね。」
犬かあコロネどうしたんだろうな。主人がいつまでも起きないから、
心配して寝室の窓の前辺りで吠えているのだろうか?
もっとモフモフしとけばよかったな。
ナデナデもしとけばよかったな。と後から後悔ばかりが先立つが、
そのコロネと奇跡的に会えるかもしれないということを知らずに
マッケンジーは歩いている。
また止まったのでモンスターが出たのだろう。
前モンスターが出て止まった時よりもモンスターの数も多いらしく、
上級生全員でも対応に困っているのだとか。
「マッケンジーお前は前に行って魔法ぶっ放して来い。」
とすぐ横に先生が来て言った。
「先生がいくべきでは?」
普通そう思うよね。でもこの先生は仕事を投げたしており、
「お前がいくべきだろ?」
と言うのだった。
モンスターで苦戦とかどんなものが出たのだろうかとおもったら、
キメラと呼ばれる飛行型のモンスターがわんさか出てきた。
これだと、1対1というわけにはいかないし、
広域魔法が使える俺が呼ばれるのも納得。
上級生でも広域魔法使える人がいるらしいが、
その殆どが魔法を撃って魔力切れの人ばかりらしい。
キメラのわりには体力があるらしい。
俺が気に入っている、光魔法の広域魔法をあびせてやるぜ。
ヒャハー。
広域魔法を詠唱し、さらに魔力をかけていくと、
巨大な円の光が登場し、
それに驚いたキメラがバタバタと地面に落ちていった。
ただ光るだけでなくしっかりと、光の浄化もしますよ。
キメラが固まっている方角に円をとばすと、
キメラが
「「キャハー」」
となっていた。地面に落ちたキメラを上級生が
剣で切っていた。
あらかた片付いたのだが、ボスっぽいのがおり、
それは倒れていなかったので、氷魔法で集中的に攻撃する
魔法をチョイスし、魔法を浴びせた。
まず頭上に氷の塊が何重にも重なりあって出現し、
それを一体のボスに充てるイメージで飛ばす。
基本魔法は飛ばさなくては意味ないと思うよ。
何個も氷の塊がボスの体に着弾したので、
ボスの体には切れ口が何個もできており、
出血多量で死んだ。
地味な死に方だよ。
もっとぷしゅーーーって血が噴き出して、
体が真っ二つになるとかないのと思ったが、
まあいいや。
戦闘が終わった後、後列に戻った。
今日の最終目的地についた。
野営の仕方の練習をしたので今日はばっちりだぜ。
テント班と薪・料理班に分かれて行動開始、
テントはむさくるしい連中にやらしておいて、
薪と料理をすることになった。
薪は現在地から少し離れたところに林があるのでそこで調達。
料理も野菜・肉を切って、スパイス入れて完成。
周りからは歓声が上がっており、
「美味そうなにおいだな。」
「カレーとはしゃれてるな」
「俺らは焼肉なのに・・・」
最後の奴は負け惜しみですか。焼肉だって調理方法次第では、
カレーに劣らない匂いですしね。
ただ焼くだけならガキでも・・・おれらガキだった・・・。
カレーを作っている一年生がいないこともあって、
優越感に浸りながら、美味しいカレーを食べることになった。
スパイスの香りが鼻にきて食欲を注ぎ、
人参とジャガイモを入れたおかげで、味に濃くがでている。
そして米が重なり合って初めてカレーですよ。
福神漬けとかラッキョウも欲しかったなと思ったよ。
そろそろ新しいキャラが出てくるころだと思います。
期待してね