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5、世界

※挿絵があります

「なんか基本的な常識が知りたいから、本で読むより話して貰った方がいいかもね」


 俺はフィレリスさんと図書室の席に座ってから、そう気づいた。


「まあ常識的な事をわざわざ書くような書物はそうそうないですからね。いいですよ。私に答えられる範囲なら、いくらでもお力になれればと思います」


 フィレリスさんもそう応えてくれる。

 では遠慮なく質問をさせてもらおう。


「じゃあ、この国とか人類にある脅威っつーか、そもそもの俺らが召喚された理由を教えて欲しい」

「ああ、ギッズ騎士団長は説明とか思いっきり飛ばしますものね……」


 あの異世界人、騎士団長だったのか。まあ金ピカの鎧来てたし、ゴツいし、「雑種が」とか言いそうな雰囲気だったからわからなくもないけど。いや、あれは英雄王だ。


「まずこの世界の事から説明しましょうか。すいません。地図を出しますね」


 そう言うと、フィレリスさんは何もないところから茶色い筒状に丸めた紙を取り出した。

 俺が驚いていると、フィレリスさんが補足してくれる。


「私、魔法使えるんですよ」


 その、ちょっとドヤ顔っぽい言い方に萌えてしまったのは言うまでもない。


「まず、ここには大きく分けて8つの種族が存在します。神、龍人、獣人、魚人、魚類、死霊、魔属、そして我ら人類です」



挿絵(By みてみん)



 魚人と魚類、死霊と魔属は何が違うのか? と問おうかとも思ったが、どうせ説明してくれんだろうと黙っておく。


「神、それはその名の通り神様です。人類の大陸とは遠い、洋の中にある島に住んでいると言われています。その神の地に辿り着いたのは、未だ1人の人類と獣人だけだそうです。そして、最大の権威を示す龍人。少し前に龍人の一団が神の地を目視したと騒いでいたこともあり、現時点で一番神に近い種族とされています。次に、〈神承万羅(イージー·オーダー)〉を有する獣人。200年程前に神の地に辿り着いたとされる妖狐です。それ以外でも、個々のレベルが高い種族と言われています。魚人、は……特徴的なところはあまりないですね。数で言えば最大の勢力である魚類、死者の軍隊である死霊、正体不明の魔属。まあ、大まかに言えばこんな感じですね」


 しないのか!? と内心ツッコミながらも、これがこの世界の常識だということは理解している。


「魚人と魚類、死霊と魔属はどう違うんだ?」

「えーと、魚人は……なんか魚っぽくて人っぽくて……ちょっと待ってくださいね」


 そう言って数秒、常識的な質問の答えは難しいものなのだ。


「魚人は色々パターンがありますが、龍人の様な人型の魚だったり、上半身人間で下半身魚だったりします。ですが魚類は本当に魚です。ただただ魚です。言い伝えでは魚類と人類のハーフが魚人だとか言われています」


 おお、人魚か。ちょっと古いけど俺は嫌いじゃない。


「死霊と魔属は根本的に違いますね。死霊は元になっている種というか生物がいて、それが能無しの操り人形みたいになってます。魔属は元にあたる種がありません。また、死霊は死霊の大陸から出てきませんが、魔属はいたる所に現れます。その本拠地も分かっていません」

「へえ、序列みたいなのはあるのか?」

「えーと、基本的にはあまりないですね。魔属は全種族共通の敵という感じですし、死霊と魚人はあまり争いをしません。まあ、総力戦をすると考えれば龍人、獣人、死霊、魚類、人類、魚人といった順でしょうか」

「そこそこ弱いんだな、俺ら」


 だからこそ燃えるのだけど。


「龍人、獣人は別格として、人類は基本的に一騎当千の戦いです。死霊、魔属、魚類には数で圧倒されます。魚人はあまり争いをしないので正しい位置がよくわからないんですよね……」


 はあ、やはり数か。


「獣人の国が極東です。獣人の国を南下すれば魚類の国が、そこから西へ行くと人類の国があります。またそこから北西へすすむと魚人の国です。龍人の国はその北に位置します。死霊の国は、その5ヵ国に覆われるようにして中心の海にあります。言い伝えでは、神の地はここからずーっと西へ行った南西の端だそうです」

「へぇ」

「人類の国は、現在魚類に攻められています。まあ、それはいいのです。そこそこ押し返せてますし、東の帝国ですから私たちにはあまり影響がありません。問題は龍人なのです。約1ヶ月前、龍人からウェスタニア王国の北にある小さな村に宣戦布告がありました。ただ、多くの騎士を東に固めている今、龍人と戦える様な人材はここにはいません。また、南のアルシェ王国の王は幼く、双方に騎士が少ない今、資源が欲しいと言って此方に戦争を持ちかけています。父上のお考えは、勇者様達にすぐさまアルシェ王国を叩いてもらい、その後龍人に備えてもらう予定です」


 おおう、なかなかハイペースじゃないか。

 まあ、まきこまれないように気を付けよう……


挿絵は、友人のレイチェルくんからいただいたものです。

うん、かわいい。


「思ってたのと違うんだよコノヤロー!」とか、「もうちょっと明るいところで撮れよこの阿呆!」とか、「なんでお前なんかがこんな素晴らしい絵載せられるんだこのクズ作者!」とかそういうのは言わないであげてください。

あ、でもやっぱりそういうのでいいので感想ください(切実)

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