入学当日の朝
4月8日(月)
今日は珍しく目覚まし時計が鳴る前に起きた。
なぜなら今日は桂坂高校の入学式だからだ。
「今日から高校生か…あんまし実感湧かないなw」
しばらくボォっとしていると、携帯の着信音が鳴った。
幼なじみの美咲からだ。
件名:起きてるー?
本文:おはよー!直樹そろそろ起きた?
今日は早めに迎えに行くから待っててね♪
俺は美咲にいつも起こされるのだが、今日くらいは逆に迎えに行ってやることにした。
朝食を済ませて新しい制服に着替えた。
「なんか落ち着かないな…」
そう思いながら隣の家に向かった。
インターホンを押して待っていると、まだパジャマ姿の美咲が出てきた。
…可愛いな。
こんな感情を抱くようになったのはつい最近の事である。
「あれぇ??私が迎えに行くっていったのにぃー!!」
頬は膨らませながらもどこか嬉しそうだ。
「たまにはこういうのもいいだろ?w」
笑いながらそう問いかけた。
「まあそうだね♪あと10分は待たせるけど、中入って待ってる?」
「おう、そうさせてもらうわ」
家に入ると美咲のお姉さんである七海さんが玄関にいた。
七海さんは桂坂高校3年生である。
「あ、直樹おはよう!今日からうちの学校来るんだよね?」
「おはようございます。はい、そうです!」
今日は俺も朝からテンションが高い(自分で言うのもあれだが…)
「直樹はやっぱりバスケ部はいんの?」
「はい。桂坂のバスケ部って強いんですよね?」
「うん。私の同級生の辻君が言うには、今年のウィンターカップでベスト4だったらしいよ」
「ベスト4!?凄いですね…」
ベスト4となると、かなりの強豪だな…と内心少しビビっていた…
「毎年JBA…だっけ?そこらから声かかる子もいるみたいよ」
「……」
もう声も出ない状況だ…
そうこうしているうちに、美咲が準備出来たようだ。
「直樹どう?可愛いっしょ?」
美咲はクルクル回りながら問いかけてきた。
「あ、ああ…凄く似合ってる」
「どうしたの?」
ヤバい…めっちゃ可愛い♪
「いや…大丈夫だ。ちょっと緊張してるだけ…」
「そうなの?私の姿見て?w」
「はぁ??違うからw」
「なぁーんだ、つまんないね」
そうこうしている内に時間がやってきたので、
「じゃあお姉ちゃん行ってきます!!」
「行ってらっしゃい♪」
七海さんら3年生は今日は代休なのだ。
そしていざ、学校へ向かうのである。