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3分後、絶対に幼馴染とキスする結末を迎える予知能力持ち男子高校生

作者: だぶんぐる

供養作品です。

よければよんでみてくだちい。

 予知能力をもつ男子高校生、三吉蓮には三分以内にやらなければならないことがあった。

 それは片想い相手への告白。


「告白する! じゃないと……!」


「待って。キスさせなさい!」


「俺は好きでもない相手とキスをしてしまう!」


 蓮には誰にも言えない特別な力があった。未来に起きる事が映像となって思い浮かんでくる予知能力。

 ただし、きっちり3分後。

 今日見えた予知映像は、黒髪右サイドポニーの美少女である幼馴染とのキス。


「なんでよりにもよって弥生と……!」


 弥生は人気者だが、幼馴染だからこそ知っている。

 実は性格がよくなく、キスでもすればそれを盾に奴隷にされてしまうという事を。


 それでも。


 予知は絶対に変えられない。今までも予知映像を見てきたが回避できなかった。


 だから、


「せめて、告白だけでも……!」


 自分の大好きな人へ想いを告げる。蓮はそれだけでも成し遂げたかった。


 近づいてくるタイムリミット。


 追いかけてくる幼馴染。


 見つからない大好きな人。


 今日だって一緒に帰る約束をしていたのに。


 LIN〇に既読がつかない。


(やっぱり未来は変えられないのか!?)


「きゃ」


 小さくあがった悲鳴に思わず蓮は振り返る。


 幼馴染が右サイドポニーを揺らしながら床に倒れ込もうとしているのが蓮の瞳に映る。


「あぶない!」


 思わず身体が飛び出してしまったことに蓮は気づきながらも、それでも手を伸ばす。

 後ろに倒れそうになる直前、蓮の回した腕が彼女の背中を支え、ぐいと蓮の胸元へと引き寄せる。

 軽くはあったが人一人。腰を落とし膝を入れて太ももを腰の上にあててやると、ようやく態勢が安定し蓮は溜息を漏らす。

 ふわりと香る抱き留めた彼女の甘い匂いに蓮は罪悪感を抱き顔を背けながらゆっくりと下ろそうとすると蓮の背中に汗ばんだ彼女が手を回す。

 がっしりと掴み蓮を離さないという明確な意思。

 このまま彼女が腕に力を入れ体を起こせば間違いなく唇は触れ合う。


 未来は変えられない。


 それでも、蓮は戦いたかった。


「弥生……俺は万智のことが好きなんだ」

「え……?」


 戸惑いの声をあげる彼女を見ると、その大きな瞳が揺れる。間近で見たその顔に蓮は驚き、目を見開く。


「あれ? え……なんで……? 髪……」

「……あの、あのね、蓮……。あの、私、双子だけどお姉ちゃんだからって色々譲ってきたけど、蓮だけは絶対に渡したくなくて……私、は……」

「万智!?」


 双子の妹と見分けつくようにといつもは左サイドポニーにしている万智。


 優しくて蓮の大好きな人。


「あの……実は、私、予知能力があって、きっちり3分後の未来が見えるの。で、蓮と弥生がキスしてる予知が見えて、嫌で、私、弥生のフリすればって思って……蓮? れっ……」


 きっちり3分。


 見えた未来は、やっぱり絶対に変わらなかった。

お読みくださりありがとうございます。


少しでも面白いと思って頂けたなら有難いです……。


よければ、☆評価や感想で応援していただけると執筆に励む力になりなお有難いです……。


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