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第51話


 私には名前がない。


 エイザにも。


 他のデザイナーベビーたちにも。


 与えられるのはシリアルコードのみで、そのコードは、「製品」として識別できる製造番号の役割を担っていた。


 藍浦エイザという名前は、自分自身がつけた名前だった。


 私の名前は、…そうだね。


 いずれ話す時が来るとは思うけど、ちょっと照れくさいんだよね。


 自分でつけた名前に違いはないんだけど、その理由がさ?



 どうでもいいことだったんだ。


 それだけは、確かなことだった。


 これから先のことなんて考えてなかった。


 日本に来て、誰の目にも止まらない場所で、朝を迎えて。


 どうやって生きていけばいいか。


 それだけだった。


 それだけが、私たちの中での「問題」だった。


 名前とか故郷とか、そんなのなんの役にも立たないでしょ?


 どうせ誰にも望まれていないんだし、「自分」なんて、邪魔でしかない。


 それはきっとみんなもわかってた。


 同じ境遇に生まれた人たちはみんな、世界中のどこに行っても、決して光の中で生きていけないことは知っていた。


 人と人。


 街と街。


 その影の中でしか生きていけないことを知っていたから、旅に出た。


 海を渡り、東京という街に来たのも、——きっと。


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