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第4話



 「だーれだ?」



 背後からぬッと手が伸びてきて、視界が突然塞がれる。


 柔らかい口調に、ほんのりと立つ甘い香り。


 イタズラっぽく囁くその声を嗜めるように、私は軽く返事をした。



 「何?」


 「誰かわかってる??」


 「咲でしょ?」


 「あったりー!よくわかったね」


 「他にいないでしょ?」


 「えー、そうかなぁ。ハルちゃんとかしそうじゃない?」


 「ハルは咲みたいに暇人じゃないし」


 「あ、差別!いけないんだぁ」



 ほっぺを膨らませながら、咲は顔を顰めていた。


 今井咲。


 同じクラスで、「パスタ研究会」の部活仲間。


 パスタ研究会っていうのは私が創設した部で、顧問は数学のミッチー(※倖田美智子先生のあだ名)だ。


 高校に入学した頃から、咲とは仲が良かった。



 「買い出し行っとかなくていいかな、今日」


 「成瀬が挑戦するって言ってたよ」


 「挑戦するって??」


 「一から麺を作るって」


 「えええ!??」



 パスタ研究会は、“究極のパスタを作る”という目的のもと、立ち上げられた部だった。


 立ち上げられたっていうと、ちょっと語弊があるかも。


 大学じゃないんだし、私立とはいえ、高校でそんな部活が存続できるなんて普通はあり得ない。


 家庭科教室は私たちの溜まり場になってるし、パスタの材料とかその他諸々はみんなで折半。


 …というか、学校のすぐそばでお店を開いてる。


 資金繰りはそこで主に行なってるんだ。


 お店はあくまで“貸してもらってる”っていうだけで、私たちが開いてるわけじゃない。


 そんなお金も、時間もない。


 じゃあどういうことかって言うと、話は長くなるんだけど



 

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