第37話
路地、大通り。
人の通りが激しい。
敵は通行人の中を走ってた。
さっきの場所と違って、大きい行動は取れない。
深追いをするつもりはない。
ようは、本体かそうじゃないかが分かればいい。
トッ
地上へと降りる。
上空から降りてきた私に、周囲の人たちは驚いてた。
毎度のことだ。
基本は姿を眩ましてるけど、今はそういうわけにいかない。
何かあっても、警視庁が尻拭いをしてくれる。
そういう「契約」だからね。
かといって、あんまり派手なことはできないけどさ?
ドンッ
敵との距離は30m
直線距離だ。
曲がり角まではまだ距離があった。
姿勢を低くし、一気に距離を詰める。
バシャッ
手に触れた感触は軽い。
…コイツも分身か。
手に触れたと同時に体が砕けた。
倒れるように傾く水しぶきが、道路の上に落ちる。
ダッシュした勢いのまま向かい側のビルの壁に飛び移る。
ここら辺は移動がしやすい。
街中は「壁」が多い分、立体的に空間を移動できた。
次は、3丁目。
アイザックから連絡が入った。
応援に向かってるのは“ケンタ”だって。
同じチームで、本名は支那虎謙太。
「凍結系統」のスキルメーカーで、コミュ障っていうか、無口なヤツ。
警備運用部の人たちも、何人かは動いてるっぽかった。




