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終わりと再スタート

作者: 水根

あの日助け出されたときを思い出す


私がボクだったとき自分自身は永遠にあの世界に囚われるものだと思っていた。あのときの私は世界龍って呼ばれていてゲームのNPCとしてゲームの中の世界に囚われていたそれは気が遠くなるほど長く体感時間何十年…何百年何千年…だけどそれに気付けなかった




私を助けてくれたのは私の…妹だった最初出会ったときは私は彼女から何か尋常でないほどの既視感を覚えたキャラメイクである程度姿形が変わっていて今なら言われなければ妹とわからなかったと思うでも当時の私には少しだけ面影がある


ただそれだけで既視感があって同時に懐かしく感じた初対面だったからそこまで話すこともなく事務的なゲームの定型文的な会話をして終わったその時からあの子の姿と声が脳裏に焼き付いたように離れなかった何かを忘れている何かが思い出せない大切で忘れることのできないはずのものを忘れているような感覚に陥った、


実際本当に忘れていてでもそれは私のせいでは無く私をゲームのNPCに仕立て上げた人のせいだった、2回目に彼女と会ったときわたしはこう質問した

「君は、なんで何回もボクに会おうとしているの?」と今思い返すとこの質問が後々自分がゲームの世界から抜け出す最初の一歩だったんだと思う、


それであの子はこう返した「行方不明になったお姉ちゃんに似ているから」と、私はあの時この言葉が理解できなくて思わず「お姉さんがいるんだね」と返してからあの子は私に思い出話をしてくれた私とあの子の小さい頃の話を、私はその話しをよくわからず他人の事と思って聞いていた


その話をしている時あの子の顔はとても寂しそうで少し悲しそうだった話が終わったあとしんみりとした空気になって少し気まずくなった私はご飯を食べようと言ったゲームのスキルを使って料理をしたその時に作ったのは肉じゃがで私は美味しく食べてくれるか不安だった


けど彼女は口に入れた途端にポロポロと涙を流してお姉ちゃんの肉じゃがの味がすると…私はなんて言葉をかけたらいいかわからず急に泣き出してしまったあの子にどうすればいいのかわからなくてあたふたしてとりあえず泣かないでと言葉をかけたその日は解散して話が楽しかったからまた来てねと、


そして次、その次と彼女は会うたびに沢山思い出話をしてくれるようになった雨の日に一緒になって泥だらけになるまで遊んだ話だとか私の友達の話だとかとにかく沢山お話をしてくれた話してくれた内容がすべて懐かしく感じて同時に忘れたものを思い出させてくれるようなそんな気持ちになった。


それから私は自分のことについて考えることが増えた自分は何者なのか自分はこの世界に来る前の記憶が無くそれより前の記憶が無いのは何故なのかそんなある日突然転機が訪れた


それはゲームがサーバーメンテナスでプレイヤーたちが入ってこない時間だった私はいつも通り不正にチートを使ってるプレイヤーはいないかサイバー攻撃を仕掛けてきた痕跡は無いかと普段通りの事をして休憩の時にウィンドウを開いた


その時違和感を覚えたいつものウィンドウと違うその違和感の正体はすぐに分かったログアウトボタンだ私は初めて見るそれになんだろうという好奇心の下ログアウトを押したそうすると急激に目の前が暗くなって気がつけば箱の中に居て知らない天井を見上げていた


驚いて身体を動かそうとしても体が動かないよく見ると身体は固定され右手以外の手足は鎖で繋がれていたこの身体はかなり衰弱しているようで鎖一本一本が重く手足が殆ど動かせなかったが箱は一部が透明でできていて


ある程度周囲を見渡せる構造になっていた部屋の内装は研究所のようだったけどどちらかと言うと病室に近かったそういえば自分の体はどうなっているのかと確認したところ左腕に点滴の針が刺さっていて右手首には謎の装置が取り付けられていた


ここはどこなんだろうと思考を巡らせていると急にガチャッという音がして誰かが入ってきたその人物はボサボサヘアで伸びた髪にあまり洗濯はしていないであろう汚れた白衣の格好をした男だったその男は私の姿を見るなり開口一番にこう言った


「なんで戻ってこれているんだ?おかしい戻ってこれないようにちゃんと設定したはず例えボタンが出ても押せないように催眠を入れてたし記憶も殆ど消したはずだワタシの計画に狂いはないはず………ブツブツブツブツ」


男は何かブツブツと言い始めた私はその男の様子に恐怖を感じた身体が動けないのも相まって恐怖の感情が徐々に大きくなる中ふと疑問に思いこう言った

「ボクは……誰……?」

知らない懐かしい記憶が脳裏に浮かぶボクは誰なのかここは何処なのかあの時はよくわからなかった。


男はハッと気づいたようにこっちに歩いてきて、「ふむまだ完全に思い出してはないのかなら思い出す前に記憶を処理してしまうか」

男がそう言い私にマスクをつけそこから意識が途切れた…次に起きたときには前後の記憶が無かった何か悪い夢を見ていたみたいだった


何も無かったかのように特にこれと言った出来事はなくだけど不思議なことにあの子はあの日から会わなくなった多分あの子が私の為に奔走してくれたんだと思うでもそれをなんとも思わなかった当時の自分を殴りたいこの日から何もないいつもの日々を過ごしたまるで嵐の前触れのように


―――――――――――――――――――


突然だったいつから準備していたのかはわからないけれどこれがこの世界から救われる最後の1手だったその日私はいつも通りチーター対策やらサイバー攻撃対策をしていたプレイヤーが来たらボスとして立ちはだかり戦っていたその時運営が緊急メンテナンスをすると告知した


その時私は何か見逃したのかと焦ったでもそれは杞憂に終わっていったい何があったのだろうと思いながらぼーっとしていた結局何も無く終わるのだろうと思い始めたその時個別アナウンスが流れた『強制ログアウトを実行します』と聞こえた


瞬間視界が暗転して気がついたら夢の出来事だと思っていたあの箱の中に居たでもあの時と違うのは部屋は暗くなくて武装をした人達が居たその人達は私を見るなり「発見!保護を!」と私は何事かと逃げようとしたけれど


身体は固定されていて手足は鎖に繋がれている私には逃げる手段は無くあぁここで終わるのかなと思ったでもこの人たちは鎖を断ち切り私を固定してた器具を外して「君動けるかい?」と身体を動かそうとしたけどあまり動かせなかった


私に声をかけてくれた人はその事を察したのか優しく抱き上げてくれた何が起きているのかよくわからず周りを見渡すとあの悪夢の夢の人物だと思ってた男が確保され手錠がされていたそして「対象を救出、保護しました」と私を抱き上げた人がそう言って


同じ服装をした人達が歩き出した私は怖くて喋るのを躊躇ったけど私は

「ここは…どこ?ボクは誰?貴方達は何者…?」

と私を抱き上げている人は一瞬驚いた顔をしたけど優しい声音で

「ここはとあるゲーム会社の地下で僕たちは警察君を助けに来たんだよ」


何を言っているのか分からなかったこの時の私はゲームというものを知らない囚われていたことを知らなかった思わず聞き返した

「けいさつって何?地下?げーむ…?どうゆうこと…?」


更に驚いた顔をしただけどその表情はすぐに変わり

「とりあえずここを出よう出たらちゃんと説明をしてもらえるから」

と言われ私は安堵して急激に眠気に襲われて意識を手放した


―――――――――――――――――――


気がついたときには知らない天井を見上げていてベッドに横たわっていた起きた私のことに気づいた看護師の人が慌ただしく走って行ったしばらくしたあと勢いよく扉が開いて「おねぇちゃ〜〜ん!!!!!」と叫びながら飛び込んできた


その人物はゲームの中でよく会ったあの子とよく似ていた、それよりも私は聞くことがあった「ボクは誰?君は誰?」その子は悲しそうな顔をしたけどすぐに真剣な表情をして返した「貴方はの名前は〇〇で私の名前は明里(あかり)だよそれでね…〇〇は私の……私の…お姉ちゃんだよ」とその声は泣きそうな声音だった


私は言葉を聞いた瞬間少しづつ忘れていた記憶が鮮明に思い出してきたのと同時に大きな疲労感に襲われて「そうなんだ…」と言ってまた眠りについたそれから元の生活に戻る為のリハビリの日々が始まった最初ご飯を出された時ほとんど食べられなかった


話しを聞くと私は数年間あの部屋で動け無い状態だったらしいご飯は食べれず点滴で生きていたらしいご飯を食べられないのも納得であるリハビリの日々が続いた


ある日ついに退院となり私は妹に連れられ見覚えのない道を歩いて家に着き家に入るリビングには家族のみんなが居て妹が


「お帰りお姉ちゃん!」


と私は思わず目が潤んで泣きそうになったけど言わないといけないことがある


「…ただいま!!」と

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