第20話 検査
食事を終えた後、私たちは街の風呂屋さんに行ってきた。そして両親2人が帰ってくるまで私たちがお留守番、そして帰ってきたら私たちは同じ部屋で寝る事となった。
「レベッカ……」
「何ですか?キララちゃん?」
「私の実家どうだった?」
「うん、暖かい家族で羨ましかったです。」
「……素直に言っていいよ。うるさかったでしょ?」
するとレベッカは真面目な顔をした。
「いいえ、寧ろ羨ましかったです。私の家は家族揃う事すらありませんでしたから……」
「そんなに多忙な親だったの?」
「ええ、母は私が産まれてすぐに亡くなりました。そして父は仕事人間で私の相手なんてしてくれませんでした。」
「そう……でも、誕生日とかは?流石に帰ってきてたよね?」
「…………」
無言の否定というのは心にくる。
「ごめん……」
「良いんです。いつも使用人さん達が祝ってくれてたので……でも寂しかったんです……一度くらいは帰ってきて欲しかった……」
私はレベッカを抱き寄せておでこにキスをした。
「今は実家だからこれで勘弁してね。」
「……はい!」
そして私たちは眠る事にした。そして翌日……
「おはようございます。」
先に起きたのはレベッカだった。私はまだ眠っていたのでキッチンに居るお母さんとレベッカが2人の朝食作りだった。
「あら、早起きね。まだ寝てていいのに。」
「いえ、泊めてもらって何もしないのは流石に……」
「あら、昨日も片付けしてくれてたじゃない。明日もしてくれるんでしょ?」
「……そうですね。キララちゃん次第ですが……」
そして手を洗ったレベッカは手伝う事にした。
「手際いいわねー。惚れ惚れしちゃう。」
「そんな……褒められるほどではありません。」
「あら、謙遜?キララよりずっと手際がいいわよ。」
「ありがとうございます……」
少し照れたレベッカ……でも手を止めずに作業を続けた。
「スープは少し待ってね。隠し味が必要だからね。」
「え、あ、はい。」
レベッカはお水を沸かすと一旦鍋から離れた。そして母さんと変わった。
「レベッカちゃんも覚えておくといいわ。あの子の好きな味をね。」
そういうと沸いた鍋の中に調味料を入れていく。そして野菜を入れて一煮立ちされた。
「それで、あの子はこれが好きなのよ。」
それはブラックペッパーだった。
「あ、それキララちゃんのお家にもありました。」
「あの子昔からこれが好きなの辛いもの苦手な方なのにね。」
そう言ってペッパーミルを2回回して味付けした。
「他の食べ物には入れられないけど、スープは良いみたいなの。覚えておいてね。」
「はい!」
レベッカが元気よく返事をした時に私はキッチンへとやってきた。
「あれ?レベッカが作ってる。なんで?」
「手伝ってくれてるのよ。キララが起きてこないから。」
「お母さん、変な事言ってないよね?」
「まだ言ってないわよ。キララの好きな味付けを教えてたくらいしかね。」
どうやらいいタイミングだったようだ。
「ほら、キララは顔を洗ってテーブルの準備して。今日はレベッカちゃん病院なんでしょ?」
「おっと、そうだった!急がないとね!」
私は急いで準備してレベッカと朝食を食べた。お母さんはお父さんが起きてから一緒に食べるらしい。
私たちは朝食を食べた後すぐに病院へ向かった。そして検査が始まったが私は外で待っている様に言われた。こればかりは仕方ない。
(まぁ、昨日も1人で居れたし大丈夫なはず。)
私は少し大きめの待合室で待っていた。そして待つこと数時間……
「レベッカさんの付き添あの方?」
「あ、はい。」
看護師さんから呼ばれて私はレベッカのいる病室へと向かった。
「あ、キララちゃん!」
少し顔が青い……たぶん一緒にいなかったからか、はたまた検査がきつかったのか……後で聞かないといけないだろう。
「あぁ、すまないが椅子を持ってきてくれないか?」
先生は看護師さんに椅子を持ってきてくる様指示を出した。そして私が席に着いて話を始める。
「結果から言うと、完治しているね。」
「そうですか!良かったー!」
これで悩みが解消された。しかし、先生は次に言った言葉に私は驚いた。
「ただねー……体力がないんだよね。普通の人より。」
「えっ?」
「肺に疾患を患ってた以上運動はしてこなかったのだろう。これからは身体を動かして体力をつけてくれるかい?このままでは、風邪とか引きやすくなるからね。」
この時あの人たちが言ってた事を少し理解した。大切にするのと愛情は違うのだと……
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