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第14話 信じられる者

 レベッカは食べ終わったらそこで体力が尽きたみたいで寝てしまった。


「寝ちゃったわね。お皿洗いくらいはして帰るわよ。」

「いや、良いですよ。夜は寒いし、水に浸けておくだけで大丈夫です。」


 アーネの頭の申し出を丁重に断った私だが、やっぱり頭は引き下がらなかった。


「いいやダメよ!夕飯をご馳走になって何も返さないのは不義理よ!それくらい任せなさい!」

「でも、寒いですよ。」


「あ、キララは知らないのか。私は水魔法使えるのよ。」

「えっ、そうだったんですか?」


「そうだよー。まぁ戦闘では使わないけどね。水を出す程度だからここまでになるまで4年掛かったから。これ以上は修行する気はないかな。」

「4年……ですか。」


 正直びっくりした。アーネの頭は常に天真爛漫で明るいイメージがあったからだ。現に今も笑い話で語っている。


「アーネの頭は凄いです。諦められて……吹っ切ってそれを笑い話に出来る事が……私には出来ません。」


「そぉ?普通じゃない?この業界ではない物ねだりは死に直結する。ない才能を研くよりある才能を開花して研く方が有意義と考える人がほとんどよ。大体キララだってそうじゃん。魔法が使えないから剣一本に絞った。まぁキララはそれでもフィジカルが優れてるから木の枝一本でも武器にして戦える。私からすればキララの方が凄いよ。」


「そう……ですかね……」


 私はレベッカの頭を撫でながら話をする。


「キララはレベッカちゃんの事大切なのね。」

「ええ……2度と離れたくないです。」


「そう。たぶんそれはレベッカちゃんも同じね。だから今回の件は断りたいんでしょ?」

「……いや、本来なら出れたんです。ですが今日私がいない時に山賊の1人がレベッカを襲ったんです。幸い怪我はなかったのですが……心には深い傷が出来てしまって今は私がいなくなると顔が青ざめてしまって震えてるんです。」


「……なるほど、確かにそれじゃあ今回はキララは動けないわけだ。」

「ごめんなさい……」


「いいわ。そんな子を1人にさせられるわけにはいかないものね。大切な人なんでしょ?」

「……はい。」


「なら、頭の私は部下にかっこいい所見せてあげないとね。」

「えっ?まさか1人で回るんですか?」


「もちろん……と言いたいけどもう1人のメンバーに話をして引き受けてもらうわ。」

「まぁそうですよね。」


 1人で回るというのならカッコよかったけど流石にそこまでスーパーマンではない様だ。


「まぁキララもそれとなくは街の中を見回ってくれない?来る時だけでも良いから。」

「まぁ……そのくらいなら。」


「ありがとう。ただ深追いはしないでほしい。」

「うん?それはどう言う事ですか?」


 私は意味が分からず聞き返した。


「今回の一件はかなり大規模な被害が出てるの。」

「スリや万引きだけでですか?」


「ええ、実際の被害件数に比べて捕まってる犯人が少ない。」

「つまり、その道のプロがやり方を教えて大規模な犯罪集団を形成しつつあると?」


「そうよ。ギルド内でも警戒を強めてる様だし。犯人を捕まえたら警察かギルドにそのまま突き出してほしいの。」

「わかりました。明日はクルス先生の所に行くのでその時は警戒しておきます。」


「クルス先生か。あの先生は確かに良い先生だもんね。」

「はい。私も助けられました。」


「あの人の診療は本当に親身になって聞いてくれるものね。」

「それこそ実体験含めてメンタルトレーニングもしてくれますから信頼出来ます。アーネの頭はどんな内容で行ったんですか?」


「私は……なんでだったかしらね……」

「はぐらかしますね。まぁ明日クルス先生に聞くからいいですけど。」


 私は脅しとも取れる様な事を言った。しかし……


「もう15年前よ。覚えてるはずないわ。」

「そうですか?トラウマってそんな簡単に拭えますかね?」


「時間こそ最高の治療薬の時もあるのよ。」


 あまりいい趣味ではないけどこの言い方は少し気になる。


「……言いたくないんですね。」

「いや、本当に覚えてないの……たぶん思い出したら2度と戦えなくなるから……」


「そうなんですね。では、これ以上は聞きません。」

「うん、ありがとう。さてと、お皿も洗い終わったし帰りますかな。」


「ありがとうございました……すいません何から何まで。」

「こちらこそ美味い飯だったよ。また寄らせて貰うわ。」


「頻繁には来ないわよ。まぁ次は2人でくるかな?じゃあ明日以降よろしくね。」

「分かりました。気をつけて帰って下さい。」


(何か言い忘れてる様な……)


「あっ!アーネの頭!」

「ん?どうした?あー、明日からしばらく朝の見廻り無理なんだろう?」


「えっ?」

「言わなくても分かるよ。あの子の事1人に出来ないんでしょ。今は一緒に居てあげな。じゃあまたな!」


(あの人は信用出来る……それだけは分かった。)


 私と10歳違う……けど私はあんなふうにはなれないと思ってしまった。私はテーブルに突っ伏して寝ているレベッカをベッドに連れて行き寝かせた。


「私も……あんな大人になれたらレベッカをもっと安心させられるのかな……」


 私はその後、お風呂の設計図を見て改良出来ないかを確認して休むの事にした。

 ここまで読んで頂きありがとうございました!

次回更新もお楽しみに!


続きが気になる!という方はブックマークをして待ってて頂けると幸いです!

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