第三話 友達
……あいつまた停学になったらしいよ。マジ?何回目だよあいつww
と皆口々に喋っている。その中のいくつかの視線がこちらに向いている事に私は気づいていた。ある者は興味の目を向け、またある者は怪しい者を見る目を向けている。私ってそんな怪しいのかな………なんかショックだな…と私がそんな事を考えていると。
「なぁ」
私が教室の前で入っていいのか迷っていたときに一人の生徒が話しかけてきた。
「ふぁい!?」
いきなり喋りかけてきたので変な声が出てしまった…恥ずかしい…
「な、なんかごめんな…?お前転校生だろ?」
「あ、はい。そうですけど…」
「なんで教室の前でフリーズしてたんだ?」
「入っていいのかわからなくて…」
「入っていいぞ?席は空いてる席に座ればいい。」
「ありがとう…!」
「はは!お前笑うと可愛いな!」
「ふぇ!?」
「いきなり何言うんだ!」
「ははは!そういえばお前名前は?」
「姫乃れい。」
「れい。私と友達にならないか?」
「え?良いのか?なる!」
「ありがとう!よろしくな!!れい!」
「あぁ よろしく、えーと…」
「あ、自己紹介してなかったな。天音だ。神代天音。」
「よろしく。天音。」
と初めての”友達”と挨拶を交わしたところでチャイムがなった。
「そろそろ席戻るね。また後で。天音。」
「あぁ。また後で。」
「おーい!席つけよー!今日は一つお知らせがあるぞ。今日はこのクラスに転校生が来た!」
と先生が言った瞬間教室がザワザワしだした。
「ってもう居るな。おーい。来てくれー。」
「はい。」
私が立ち上がると教室中の視線がこちらに集中する。
「昨日転校してきた、姫乃れいです。能力は身体強化です。よろしくお願いします。」
と私が自己紹介すると皆が歓喜の声をあげた。
あの子可愛くない!?髪サラサラ!シャンプー何使ってんだろう!と皆喋っている。
「席はさっき使ってた席なー。じゃあ一限目の準備しとけよー。」
私が席に戻ると案の定質問攻めにされた。それから4時間経ち…お昼。
「れいー!昼飯食おうぜ!」
「うん!分かった!」
と言って友達とお昼ご飯を食べに行くのだった。
第四話に続く。