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最初に
日常と非日常のあいだをのぞいているようなゾッとする話を集めている
こわい話 霊 人 呪い 事故物件
非日常は意外と身近なところに存在する
そういった話は誰にでも遭遇しうる
たとえばカーテンの隙間から覗く目
丁字路に佇む人
真っ暗な穴
聞き覚えのある声
いなくなったあいつ
それらは夜も昼も関係なく ただそこに存在し
時としてこちらに迫ってくる
聞いた話なのに自分にもあったような気がする
よく思い出したらあれは変だった
そういったことに焦点を当てて思い出したとき
それらは立体感を持って侵食してくるのだ