10月7日 1年前(見事)
バスケットポールをしていなかったら、私の人生は大きく変わっていたんだろうな。私はそう思っていた。喜早先輩、颯希や七海。もし、してなかったらこんな人たちとは関わることもなかったと思う。いつか、この人たちと関わった人生に誇りをもてるのだろうか?私は、今のところ誇りをもつというよりは、出会ってしまったことに疑問を感じてしまっているようだった。
ー 1年前
七海「真波、大野さんってバスケ上手いの?」
私 「うん。シュートが上手かな」
シュートは、打てば外さない。それが、大野だ。
七海「そっかぁ。私は、誰についたらいい?」
私 「近くにいる人でいいんじゃない?」
七海の真剣な表情だった。
七海「そんな適当でいいの?」
私 「ふふ」
颯希「よーし。今度も勝つよー」
七海「相変わらず、元気だね」
笑うしかない。こんな二人といることなんてこの先もないのかもしれない。
颯希「さっきは、あんまり活躍できなかっから、今度こそ」
七海「そんなに、頑張らなくても」
いよいよ準決勝が始まろうとしていた。準決勝にも関わらず、颯希や七海は1回戦と何一つ変わらなかった。開始早々、七海のパスは颯希へとつながり、ゴールを決める。そして、その1分後には、今度は七海が3ポイントシュートを決めた。まさか、七海が3ポイントシュートを決めるとは。大きな歓声が響き渡る。大野は、空回りをしている印象を感じる。まぁ、あれだけ七海と颯希にシュートを決められたらそう思ってもおかしくない。2回戦の岩田とは異なり、大野は私を完全にマークする戦略をとっていた。当然、私のところにボールはこない。ただ、それでもリードすることができていた。ボールは、弧を描いてゴール一直線に。ボールが落ちてくるとともに、大きな笛の音が鳴り響く。これで、開始10分で、7対0になっていた。1.2回戦に続き、楽勝ムードがただよった。
試合が再開するとともに、ボールが大野へと渡った。私は息を整え、大野へのプレッシャーをかける。しかし、大野はビクともしない。パスを受けた大野は、ゴール一直線に走り出す。体重を低く、肩を回してドリブルを一度静止させ、視線をゴールの縁へ集める。シュートフェイクで私を惑わし、左手の指先がボールを弧を描くように放たれた。ボールは見事にネットを揺らしたのだった。これで、7対1かぁ。




