7月9日 準決勝2
今日から、火曜日。日曜日と月曜日と休みだった部活動が始まった。部活動が始まる前に、土曜日のことを考えていた。
7月末に行われる夏の大会。ここまで、昨年の新人戦、春の大会と二試合とも初戦負け。次の大会で負けたら、即引退となる。でも、それだけは嫌だ‥‥。
春の大会で負けてから、勝てない原因をいろいろ考えてみた。私は、ボール支配率が低いことが影響しているのではないかと考えている。
聖徳高校では、オフェンスの、大野と高津。ディフェンスの宮下と大山。オフェンスとディフェンスをつなぐ役割が私。しかし、私にパスが回ってこないのが影響している。そのため、チーム内でのパスをつなぐことが難しくなり、チームとしてのボール支配率が低くなる。
昨年度までは、司令塔であった喜早先輩が圧倒的なパス能力で相手チームをねじふせていた。しかし、パワーフォワードからポジションを変えたため、上手くポイントガードでの役割をこなすことが難しかった。
私は、着替えていつものように体育館に向かい、先に着いていた監督と話をし始めた。
私 「お願いします」
監督「おぉ。勉強は、どうだ?」
前置きとして、部活の話ではなく、勉強の話をされた。
私 「ボチボチです」
監督「実力テストは、どうだった?」
私 「横浜、東北がA判定で、神戸はB判定です」
監督「ええ感じやね。志望学部は、どこで出しとる?」
私 「今は、経済と経営で出してます」
監督は、社会の教員免許をもっており、公民の授業をおこなっている。私も選択授業の際に、公民の授業でいろいろ教えてもらったことを覚えていた。
監督「夏の大会は、どうする?」
私 「学年関係なく、上手な人を使ってください」
監督「それでいいのか?」
私 「はい」
監督「今日のミーティングで伝えるか?」
私 「少し様子を見たいので、明後日の練習の時に伝えてもいいですか?」
監督「あぁ。大丈夫だ」
明後日は、ちょうど、他の部活が練習していな日で体育館全面使えるのだ。明後日のために、選手の動きを入念にチェックをしていた。
ー1年前ー
球技大会のバスケットボール準決勝は、残り5分となった。試合は、私たちのチームが1点差で勝っていた。しかし、颯希と七海の両方が疲れている状態だった。
大野が再び、ボールをとった。ハーフラインまで、得意のドリブルで攻めてくる。ハーフラインを超えたあたりで、私と1on1となった。大野は、ドリブルをすることなく、優衣にパスを出した。パスをもらった優衣は、ドリブルをして前にボールをすすめる。そして、3ポイントのラインからシュートを放った。
しかし、運悪くボールは、入らなかった。リバウンドを颯希がとり、七海へパスを出す。七海は、ドリブルをして前へと攻める。そのまま、レイアップシュートをするも、ゴールとはならなかった。
今度は、優衣がボールをだす。ボールをもらった松本がドリブルを行う。颯希がマークするも、颯希の上にパスが通った。パスをもらった大野は、真波と1on1となった。普段から、1on1をしていることもあって、大野は笑顔だった。
私の両手の隙間をぬいてシュートを打ってきた。しかし、ボールは、ゴールネットに嫌われた。リバウンドは、七海がとり、再びドリブルを始める。
ここで、試合終了1分前となった。七海がレイアップシュートを決め勝利を呼び寄せる。そして、松本からボールをとった私は、もう1点を取りにいった。ゴール前だが、前に優衣がいてシュートを打てない。私がとった策は‥‥。
私は、首を後ろにそった。そして、後ろに飛んでシュートを放った。いわゆるフェイダウェイというシュートだった、練習で入ることは、一回もなかったが、最後にシュートを決めることができた。
体育館は、フェイダウェイシュートに歓声が湧き上がった。大野がシュートを決め、3点差にするも、ここで笛がなった。
疲れた私は、ペットボトルに入った水を飲みながら、タオルで汗を拭いていた。すると‥‥。
優衣「お疲れ」
相手チームの田中優衣がやってきた。優衣は、試合中とは変わり、いつもの明るさで話しかけてきた。
私 「‥‥。ありがと」
優衣「やっぱり、バスケ上手やね」
私 「バスケ部やからね」
優衣「そうだね」
私 「明日花のことやねんけど‥‥」
私は、気まずそうに明日花のことを話した。
優衣「うん‥‥。さっきは、あんな言い方したけど。そんな気にしてないから」
私 「‥‥」
優衣「でも、あの頃みたいにもう一度戻れたら嬉しいな」
私 「そうだね。もう一度、五人で集まれたらいいな」
優衣「明日花の手術後の様子聞いた?」
私 「全然知らない」
優衣「明日花、少しずつよくなってるらしいよ」
私 「そうなん?」
優衣「聞いてない?」
私 「うん」
優衣「明日花、来週からリハビリも開始するらしい」
私 「そうなんだー」
優衣「うん。この前、定本くんが会って言ってたらしい」
私 「えっ、優衣は、連絡とってないの?」
優衣「私も連絡かえってきてなくて」
私 「そうやったんや」
優衣「もし、私のことが嫌でも、明日花のことは、嫌にならんで」
私「明日花のことも、優衣のことも嫌いと思ったことないよ」
優衣とは、高校1年生以来、あまり深く話すことができていない。七海をめぐっていろいろ、思うところがあった。
そんなことを考えていると、20分後に決勝が行われることを先生が告げた。