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9月16日 京都西高校戦(禁句)

 もう夏も終わるな。これからのことを考えれば考えるほど、どうしたらいいかわからなくなっていた。すると、1日遅れで七海からの連絡がスマホに届いたのだった。


 ー8月31日ー


 試合は、どうなっているのだろうか?私はそう思いながらスタジアムへと戻っていく。再び、スタジアムへの道は熱気と期待に包まれているように感じた。スタジアムの外にいる私にもみんなの歓声が遠くから聞こえてくる。私は、バックを肩にかけながら進んだ。あそのゲートだ。美桜と一緒に来たゲートへとゆっくり向かう。スタジアムの中に入ると、熱気と興奮の空気が迎えてくれる。私は、スタンドの巨大な看板を見つめていた。そこには、後半35分と書かれていた。もう、残り10分かぁ。スコアは、1対3。1点返したと思ったら、再びゴールを入れられてしまったのか?

 あれは、"聖淮戦"で掲げられていた横断幕だ。聖徳高校の横断幕は、「挑戦〜夢の向こうへ〜」。これを見た時、イマイチピンとこなかった。でも、今ならわかる気がした。鮮やかなカラーで書かれており、横断幕がなびいている。聖徳高校の生徒たちやその両親たちがの掛け声が交錯していた。あと、2点。なんとかしてよ。心の声が漏れそうになってしまった。生徒たちの応援が聞こえる中、私は、一歩一歩を確かめるように足を運んでいく。野球部だろうか?遠くから響く応援歌や歓声が耳にいてくる。しかし、その輪に入らない新谷が見えた。美桜がいたら、またモメるだろうな?でも、声をかけないわけにはいかない。


 私 「どうしたの?」

 

 急に声をかけられたのか、一瞬で私の方を振り向いた。


 新谷「別に、何もないよ」

 私 「早く、下に行こうよ」

 新谷「私は、ここでいいよ」


 頑なに、私たちの方には来たくないみたいだ。


 私 「何がそんなに気に入らないの?」

 新谷「全部だよ、全部」

 私 「まだ、那奈のこと気にしてるの?」


 言ってしまった、、、、、、、、、。はぁ、言わなければよかった。これは、新谷や山川には禁句だった。


 新谷「あんた、ホント最低だね。楓に言ったら一生話聞いてもらえなくなるよ?」


 こればかりは、新谷の言う通りだった。まるで、この場を去るように私が戻ってきた道を再び新谷は歩き出した。


 私 「どこ行くの?」

 新谷「帰るに決まってるでしょ」

 私 「なんでよ?」

 新谷「帰ったら、ダメな法律でもあんの?」


 これ以上、かける言葉は見つからなかった。

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